編入に役立つ

東工大編入試験選抜方法に関する考察

早速ですが、東工大の編入生の合格者平均点や、入試の選抜方法が気になりました。学科に関係なく受験者全員が同じ試験を受けるという東工大編入試験の性質上、全く入試選抜方法が読めませんでした。近い存在に何人か成績開示をしていた人がいて、「なんでこの成績で受かったのかわからない」という人もいました。そこで、合格者21人全員に呼びかけて入試の成績から選抜方法やボーダーラインを分析することにしました。

成績開示する人全員が、全員に成績を公開したいわけではなく、個人(プライバシー)情報でもあるので、私一人が全て責任をもって集計をして分析をするということで協力していただき、成績を収集した上で、一人で分析をしました。

すでに合格している人達の中だけで共有しても特に意味がないので、個人の成績が特定されないように配慮した上で、多くの受験生たちの目の触れるように、ZENPENに寄稿することにしました。

この記事を書いた人:経営工のLEE

令和5年度東工大経営工編入学のLEEです。
今回、編入生の一般合格者21人中12人に協力をしていただき、編入試験の平均点と選抜方法を考察しました。

いつまでこのアカウントが存続しているかはわかりませんが、何かあったらここに連絡ください
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入試成績に関して

まず、100点満点4教科の合計400満点で、令和5年度の12人の平均点は、249.4点となりました。非常に高く驚きましたが、3位と40点の差をつけている点数の飛びぬけた学生が2名いたため、この二人が平均点を16点跳ね上げていました。科目ごとの平均点は、数学70.4点、物理61.1点、化学59.3点、英語58.6点でした。数学が易化していたため、数学のみが他の教科よりも平均点が10点も高い結果となりました。

成績に自信のある人が開示をしている傾向があるような気がして、おそらく残りの9人が開示をすると、個人的には全体平均点は10点~20点下がると考えています。

平均が約250点と聞いて驚いた人もいるかもしれませんが、(情報理工学院と理学院)以外のボーダーラインはかなり低いです。12人のうち、(情報理工学院と理学院)の学生は上位を占めています。合計200点を切っている学生も何人か存在し、勝手な予想ですが、開示をしていない人も含めると21人のうち、最低でも4名は200点を切っているのではないかと思っています。よって、(情報理工学院と理学院)以外は200点前後で合格可能性が50%を大きく上回ると考えています。

入試選抜方法に関しての考察

編入試験の募集要項には、(生命理工学院と理学院)以外で20名募集とありますが、実際にはもっと割り振られていて、募集人数は工学院9名、物質理工学院5名、情報理工学院2名、環境社会理工学院4名となっています。この学院ごとの定員は東工大生全員に配られる学修案内に書かれていました。勝手な考察ですが、ある学院で受験者数が少なく合格者が定員を切った場合に、その分の空枠が、(生命理工学院と理学院)以外の合計の合格者が20名になるように他学院に移るのではないかと考えています。令和5年度は環境社会理工学院の受験生が1名で、合格者は0名(参考資料の表参照)でしたが、一般合格者は21名となっており、環境社会理工学院の4人分の枠が情報理工学院と工学院に移っていると考察するのが妥当だと考えます。

参考資料
(引用元:https://admissions.titech.ac.jp/admissions/admission/admission/data)

さらに、系ごとの合格者数の人数比率を見るに、学院ごとの定員の中でも系ごとに大体の定員人数がある程度決まっているのではないかと思っています。系ごとの合格者数の比率は大体その系の研究室数に比例しているような気がしています。工学院の中では、機械系が飛びぬけて学生数と研究室数が多く、次いで電気電子系が多いです。さらに、東工大内部情報によると、東工大2年次にある系所属選択でも、システム制御系と情報通信系が人気で倍率が高いそうです。機械系は定員の180人にみたないことも多々あるらしいです。毎年工学院の中でも機械系と電気電子系は合格者数が4~6名と他と比べて多いです。系ごとの定員が存在するならば、その系ごとの定員は、その年の系の所属人数と研究室数などをもとに毎年若干名変動するのかもしれないとも思ったり思わなかったりもします。

令和5年度の情報理工学院の合格者は4名ですが、令和5年度の(情報理工学院と理学院)は、最低250点は取っていないと合格は厳しいという結果になっていました。その他の系は倍率に関係なく、ボーダーラインは200点前後となっています。強調するためにもう一度言いますが、情報理工学院以外は、倍率は特に関係なかったです。倍率が高いからと言って合格点数が高いというわけではなかったです。

以上のことから、まとめると、各学院にまず定員が決まっている(これは確実)。さらに系ごとに大体の定員が決まっていることが推測されます。選抜方法としては、まずは、試験成績によって、「受験生全体平均点」や「上位30名」なりの足切りラインが設定され、そのラインを下回っていれば、その時点で不合格となる。ラインを超えている人の中から、系ごとに割り振られている人数を成績順で割り振っていく。次に、ある学院で枠の空が出た場合は、試験成績は上位だが系の割り当てへの人数オーバーで合格できていない人を成績上位から順に志望の系に割り振っていく。これが私の立てた選抜方法の仮説です。

一瞬で不合格となる、基準ラインが存在するとするならば、令和5年度は、言及はできませんが、ある根拠から170点前後だと考えています。

上のように仮説を立てた場合に、「出願系の倍率に関係なく200点を切っている人が合格している点」や、「受験者が存在するのに合格者が存在しない系が存在する点」、「情報理工学院だけのボーダーが異常に高い点」などに矛盾が起きないのではないかと考えています。令和5年度についていえば、情報理工学院は本来の定員の2名が割り振られていたが、環境社会理工学院の空枠の4人分だけ上位から取って行ったときに、他の2名が選ばれ、合格者が4名となったのではないでしょうか。そうすると、情報理工の学生の合計点数が成績開示に協力いただいた12人の中でも上位となっているという事実と、一番矛盾がないと思います。

もし枠の少ない系で一人飛びぬけた点数を取る人間が受けにきていると、他の学院で空枠がでて、なおかつ240点以上を取り、受験生全体でも上位に入らないと、合格することは難しい私は考察しています。

以上の仮説から述べると、毎年若干名しかとられていないシステム制御系や情報通信系、経営工学系などに、もし1人ものすごい点数を取ってくる人間が受けに来ていたら、その系志望の他の受験生は240~250点以上を取っていないと合格は絶望的と考えてよいかもしれません。むしろ、飛びぬけて点数を取ることが可能な学生が受けに来ていなければ、200点を切っていても合格する可能性はあるということが言えます。機械と電気に関しては、毎年最低でも4人はそれぞれ取られるため、220あればほぼ合格できるというのが12人分の点数を見たうえでの個人的な考察です。

これはあくまでも、一個人である私の勝手な推測です。この仮説を検証する方法はありません。一般合格者21人全員の成績を集めたところで、不合格者35人の成績を集めることはできないので、検証できません。参考程度に。まったく頓珍漢なことを言っている可能性もあることを、充分にご留意ください。

本当に、参考程度に。単純に成績上位順で取られていて、結果として偶然うまく系ごとにうまくバラけているという可能性もあります。

科目ごとの注意点

数学

東工大数学には、5点刻みで部分点が存在することが判明しました。解答用紙にはきれいに順序だてて解答を記述しましょう。最終的な解く方向性がわからなかったとしても、何か適当にきれいに解いて部分点を狙いましょう。

物理と化学

物理と化学は、(手ごたえと自己採点)と(開示成績)の点数の解離から、調整点が入っているのではないかという声も何人かから出ています。部分点も大きく出ている可能性があります。試験中にわからなくても諦めずに、公式か理論を文章でもなんでもよいので、何かしら解答を頑張って、書くことをおすすめします。

英語

正直、英語は点数取れていない人が多いのではないかと思っていましたが、ふたを開けてみると、今回開示に協力いただいた12人のうち、9人は50点を超えていました。このことから英語は、点数を稼げないと相対的に圧倒的不利になるということがわかりました。もちろん、英語以外の教科で点数を稼いで合格した3人もいましたが、英語を苦手としている人は12人のうちでは少数派であり、その分を他の教科で稼がなくてはならないという点で不利である、という情報をお届けします。