編入体験談

2023年:横浜国立大学 都市科学部 建築学科

自己紹介

名前:みかん
出身高専:K高専
学科順位:3年次:9位、4年次:8位
受験年:2023年
受験大学(受験科目):横浜国立大学 都市科学部 建築学科(2年次編入)
併願大学:東京都立大学、呉高専
部活や資格:ロボット研究部(NHK高専ロボコン2018~2021出場)、建築コンペ(5作品受賞)、科学の甲子園(2018,2019出場)

なぜ編入をしようと思ったか

建築について、基礎的な部分からちゃんと学びたいと思ったからです。家庭の経済的に、編入・就職にかかる費用は自分で払わなければならず、アルバイトをし、自分で入学金と一年分の学費を払える目途が立ったので編入しようと決めました。

東京に親戚宅があり、経済的に親戚宅から通える範囲の大学で、建築に強い大学だったので横浜国立大学を選びました。

学年ごとの勉強内容

1~3年

大学編入したい気持ちがあったので短期バイトを詰め込んで、4・5年で使うであろう費用を貯めました。

課外活動としては、1年次から建築コンペに取り組み、2年次(1作品受賞)、3年次(3作品受賞)しました。また、ロボコンにも1年次から取り組み、1年次(A/ピット)、2年次(B/選手)、3年次(A/選手)として、大会に出場しました。1年次と2年次は科学の甲子園の地区予選にも出場しています。色々な分野に挑戦する中で、自分の興味のある事を知ることが出来ました。

2年次後期には、大学を調べていく中で、横浜国立大学と東京都立大学に興味を持ちました。

3年生の後期に、当時5年生だった先輩から、横浜国立大学の過去問と解答(構造力学のみ)を貰いました。

4年前期

横浜国立大学の先生が経営しているアトリエ設計事務所に、インターンに行きました。東京と地元との違いや、他のインターン生(大学3年生が多かった)と建築の知識や、そもそもの教養の差を凄く感じ、濃い夏休みになりました。

その後、組織設計事務所やゼネコンにもインターンに行き、上京して大学で勉強したい気持ちが強まりました。

4年後期

9~11月

ロボコンに(A/チームリーダー)として参加しました。また、部長も行っていたので、イベントや部活のマネジメントで忙しかったです。

デザコンの空間デザイン部門にも出しましたが、予選敗退しました。

両親と進路について話し、横浜国立大学、東京都立大学、滑り止めに呉高専専攻科(学費が安く建築学科がある為)を受験することに決めました。

12月

呉高専の研究室訪問に行きました。

呉高専の学力試験の受験資格が「Toeic」と「数研またはEmat」であることを知り、Ematを受けたものの勉強してなかった為、散々な結果で受験資格未満の点数でした。そのため、数研準1級1次試験合格をしないといけなくなりました。

1月~2月

グループ作品で建築コンペに1作品受賞しました。

とりあえず、建築史だけ過去問を通して勉強しました。過去問の回答をひたすら作成していく感じです。

建築の教科書が建築史と構造力学しかなかった為、横浜国立大学の講義で使用されている教科書を購入しました。

5年前期

3月

春休み中、研究室で行っている県内の古民家再生ボランティアに2週間ほど参加しました。

建築史・構造力学以外の教科は、何から手を付けていいかわからなかったので、とりあえず呉高専の過去問(4年分)を解きました。はじめは、3日で1教科1年分しか進みませんでしたが、正直、これでかなり基礎が出来たと思います。数研・Toeicの勉強も軽く行いました。

4月~5月GWまで

東京都立大学の編入の過去問を請求し、東京都立大学院の院試の過去問も請求しました。

横浜国立大学(H22~R4)と東京都立大学(2020、2021)の過去問を通しました。その他過去問として、東京都立大学院(2019~2022)、新潟大学(2年分)、宇都宮大学(3年分)、神奈川大学(3年次と2年次をそれぞれ1年分)解きました。

また、研究が忙しく、受験勉強が出来ない日も続き、病みました。

数研とToeicを受験しました。
東京都立大学に研究室訪問に行きました。

5月GW

受験した[数研準1級1次試験]を、0.5点足りず不合格になり、呉高専の学力試験の受験資格を満たさない為、滑り止めなしで大学を受けることになりました。
この時が、受験期間の中で一番つらかったです。

5月GW明け~6月

背水の陣で、ひたすら過去問の周回、単語帳(日本建築史、西洋建築史、建築計画、都市計画)を作成して暗記を行いました。建築環境、構造力学、建築生産は、ノートを作って先生に答えを確認してもらったりしました。

試験当日

試験内容

  • 建築史(出来:9割)
  • 建築計画(出来:10割)
  • 建築環境(出来:7~10割)
  • 建築生産(出来:9~10割)
  • 構造力学(出来:9~10割)
  • 製図(自作と証明できる2作品)

面接

面接自体は、とても和やかで話しやすい雰囲気でした。
面接官は11人ほどいたと思います。面接中に、ポートフォリオを見せることはダメでした。

  • 志望動機と将来の展望
  • 併願校と志望順位
  • 2年次編入でも大丈夫か
  • 学費の心配はないか
  • 建築以外で学びたいこと
  • 学内の授業で期待している分野
  • 高専の学外活動で特に学んだこと
  • 高知の町と建築について1番興味を持っていること

後輩に伝えたいこと

環境や周りに流されて、進路を決めてしまったり、家庭の事情で初めから選択肢がないようなものだったりする方も多いと思います。例え、受験の決め手が仕方のない事情や環境であっても、編入したい気持ちがあるのであれば、勉強を頑張った末に得られるモノが大きいと思うので、ぜひ挑戦して欲しいです。

受験を決められた方は、心身ともに体調管理に気をつけてください。受験日に受けられないと追試がない大学もあるので、睡眠、食事、休息を抜きすぎないように、万全な状態で受験に挑んでほしいです。

土木建築融合学科から、建築学科へ編入したい方もいらっしゃると思います。
かくいう私もその1人です。試験科目である専門科目は、建築学科の学生より、独学の部分が多くなり、正しい勉強法なのか、答えがあっているのか不安も多いと思います。

そういった時、高専の先生方を頼ってほしいです。私は、頼るのが遅かったため、先生に急いで解答を直してもらったり、考え方を教えてもらったりしました。急かす事は、先生の負担にもなり、間違ったまま勉強を進めてしまう原因にもなります。周りの人は敵ではないので、適度に頼りながら、支えてもらいながら、勉強してみてください。

オススメの参考書

建築史

  • 図説 建築の歴史 西洋・日本・近代

建築計画

  • 2022年 一級建築士 学科 新体系テキスト(計画)

建築環境工学

  • しくみが分かる建築環境工学 基礎から計画・制御まで
  • やさしい建築環境
  • 最新建築環境工学(改定4版)
  • 建築環境設備学(新訂版)

生産・構造力学

  • やさしい建築一般構造
  • 建築構法(第5版)内田祥哉 著
  • 建築材料(第2版)戸川一夫 著