私がZENPENに入った理由〜高専の抱える課題の解決に向けて〜

こんにちは.ZENPENの宮本(@miyamo765)です.現在東工大の情報工学科4年で,昨年12月からZENPENに加わり活動をしています.ZENPENは高専生・編入生を支援する活動を行っている団体です.詳しくはZENPENとはをご覧ください.

ZENPENの紹介動画もぜひご覧ください.(2018/05/05 22:27追記)

今回は,私がなぜZENPENに加わったのか,高専生・編入生の抱えている課題,それを解決するためにどのような活動をしていきたいかを述べようと思います.

1. ZENPENに入った理由

高専2年の頃,ZENPENが主催する初めての編入説明会が東京でありました.その頃は就職か進学か決めていませんでしたが,情報の少ない編入に関して先輩の話が聞けると期待し,参加しました.多くの編入生・編入を志望する高専生と話ができ,悩みや勉強方法について相談に乗って頂いたのを覚えています.

高専から大学に編入する場合,情報として頼りになるのは「学校の先輩が残してくれた体験記」と「有志がウェブに残してくれた体験記」くらいだったので,様々な大学の編入生が一堂に会し,大学や編入に関して説明を行うというのは今までになく,素晴らしい試みだと感じました. このような素晴らしい活動をしている団体に自分も加わり,高専生の編入の情報不足を解決したいという思いを持ち,東工大に編入後ZENPENに加わりました.

2. 高専生・編入生の抱えている問題

ZENPENに入り仲間たちと議論をする中で,編入に関する情報不足だけではなく,就職や就職後に関しても高専生・編入生が抱えている問題があることが分かり,それらを解決していくべきだと考えるようになりました.以下順に説明していきます.

2.1 学校推薦に偏った就職

現在,高専から就職する場合,学校に来た求人から企業を選び,面接をして内定をもらうというのが一般的だと思います.いわゆる学校推薦です.自由応募で就職する人はまれで,実際私の学年にもほとんど居ませんでした.求人は学生数を遥かに上回り,学生側は選びたい放題ですが,大卒並の実力を備えた高専生を労働力として安く採用したいという企業も少なくなく,買い叩かれている高専生が多いのが現状です.そのような就職をした友人らは,給与待遇や労働条件・職場環境などについて不満を述べていることが多く,満足のいく働き方ができていません.

一方で,高専生の能力を正しく評価し,能力に見合った適切な待遇をしている企業も存在しています.それを知らず,学校推薦が一般的な就職方法だと信じている高専生が多い現状は改善すべきだと考えています.
先日,ZENPEN主催の第4回関西合同編入説明会において,地方高専出身の編入生と話をする機会がありました(第4回関西合同編入説明会の詳細はこちら).その人の高専は周囲が有名企業の工業地帯であり,卒業後はその企業に推薦で就職し,地元で過ごすのが成績上位者の王道ルートだという内容でした.教員もそのルートが最善という考えのようで,大学編入したり,他の都市で就職すべきだという考えを持っているのはごく一部の若い先生のみだそうです.現在の就職事情を知らない先生の進路指導の元で,能力を適切に評価してくれる企業の存在を知らず,学校推薦で就職するのは高専生にとって不幸なことだと思います.

学校に来ている膨大な求人の中から受ける企業を選んでいるわけですが,実際に働いている人と会って話を聞いたり,会社を訪ねて環境を確認したりして選んでいるわけではありません.聞いたことのある名前だからとか,給料が良さそうだからといった安易な考えで受ける企業を選んでいるのが現状です.大学では,説明会等で企業の人と話したり,会社訪問をしてみるということが当然のように行われています.実際にどのような働き方をしているのか自分の目で確かめ,納得して就職するというのが就職活動のあるべき姿だと思います.

就職事情については最近ちょっと話題になりましたね.

2.2 地方と都市の格差

上の就職方法にも関係する話題ですが,地方と都市の高専では大きな格差がありますこれは高専に限らず,高校や大学でも同様です.都市ではイベントや説明会などが頻繁に開催されるため,進路や生き方について話を聞きたいと思えば,それらに気軽に参加ができます.しかし,地方の場合,そのような機会に参加することは難しく,ネット等で情報収集を積極的に行う人でない限り情報を得ることは難しいです.また,都市のような多種多様な考えを持つ人が少ない地方特有の閉鎖的な環境もあり,そもそも地方以外の環境を考えたことのない人も一定数います.

このような格差を問題提起して先日話題になった記事(「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由)とその続編(大反響「底辺校出身の東大生」は、なぜ語られざる格差を告発したのか)から引用します.

教育における地域格差の帰結をあらためて言い換えれば、それは「同じ学力の子供が、田舎に住んでいるという理由だけで、都市に住んでいれば受けられたはずの教育の機会を奪われている」ということである。そして、「知っていたら大学に行っていた」人口は、間違いなく、かなりの数にのぼる。
 
田舎では地域格差を自覚すること自体が困難であるのに、その格差を自力で解消するためにインターネットを活用することができる人など、まれであるというか、ほとんど矛盾している。格差に気づくこと自体に高度なリテラシーが必要なのだから。 

高専という教育システムにもこのような地域格差は存在します.大学編入の体験談がネット上に多く見受けられるようになった現在でも,その存在すら知らないという声を編入説明会を開催する中で耳にしました前述のような,地元の企業に就職すべきという方針の強い地方高専では,それ以外の選択肢は考えにも浮かびません.地方に高専が多くある現状を踏まえ,地方の高専生に更に情報を届け,色々な機会があるんだということを知る取り組みを進めていく必要があります

現在ZENPEN上に全ての大学編入の体験談を集めようと考えています.ネット上に散らばっている体験談を集めることで,ZENPENのサイトにアクセスするだけで全国の大学の編入体験談を読むことができ,ネット活用能力の差に関係なく1つのサイトを知るだけで情報を得ることができるようにするためです.

2.3 卒業生との繋がり不足

大学に編入して良いなと思ったことの1つに,卒業生と繋がる機会が多くあるということです.学校主催のOB会などで交流ができたり,卒業生の活躍を講演会や情報誌を通して知ることができます.出身が同じなため話しや相談がしやすく,活躍を知りモチベーションが向上するなど,学生がより活発で積極的な学生生活を送るために欠かせないものとなっています.

高専にはそのようなイベントや卒業生の集う団体は今のところ見つけられていません.各高専に同窓会があるようですが,卒業生同士・在校生との交流の活発さはまちまちで,特に若い人が所属する意味を感じられず入らなくなっているという話も聞きます.ところで,高専生は学校が違っていても同じ高専出身ということで一気に親近感が湧いたり一瞬で仲良くなることがあると思います(そのように感じる人が多いと信じています).高専出身者とつながることは純粋に楽しく,その上で新たなプロジェクトが生まれたり,協力が得られる可能性もありますまた,高専生と卒業生との交流が活発になることで,就職や大学編入・それらの情報格差といった既に述べた問題の解決に繋がることも考えられます.

高専全体のOB会のような組織を作り,定期的にイベントを開いたり,活躍を紹介するなどして,卒業生同士・卒業生と高専生・編入生との繋がりを作りたいと考えています.「高専」の名をさらに広め,高専生の価値を高めていくためにも,卒業生が果たす役割は大きいと思います.

3. 今後やっていくべき活動

以上の課題を踏まえて,今後やっていくべき活動は以下のようになると思います.

・学校推薦至上主義を壊し,高専生の価値を適切に評価する企業とのマッチング,高専生の就職方法の改善を進める

・ZENPENを高専に関する情報のプラットフォームとすることで,情報格差を縮小する

・都市だけでなく,地方高専に直接働きかけ情報提供することで地域格差を縮小する

・高専全体のOB会を作り,イベントを開催したり活躍をメディアで伝えることで高専生・編入生と卒業生の繋がりを強化する

4. さいごに

ZENPENでは,このような高専の課題を解決したい仲間達が集まって活動をしています.ZENPENの活動に興味を持たれた方,一緒に活動したいという方はお問い合わせもしくはTwitterからお気軽にご連絡ください課題解決のために面白いことを仕掛けていく予定で,今も色々と動いています.ご期待下さい!