高専の多様性とその貴重さ

こんにちは.先日書いた記事(私がZENPENに入った理由〜高専の抱える課題の解決に向けて〜)が軽くバズって嬉しかった宮本(@miyamo765)です.高専の現状に問題意識を持つ方や教育の地方格差に問題意識を持つ方などから反響を頂き,励みになりました.ありがとうございます.

さて,今回は高専の多様性と,その中で10代の5年間を過ごした高専生の,多様性を尊重する姿勢はもっと評価されるべきではないか?というお話です.

多様性とは

ここで言う多様性とは,「高専生って変な奴多いよね」というやつのことです.高専生なばらこの話題を一度は話したことがあるのではないでしょうか.高専は中学校卒業後の進路の1つですが,日本の学校教育全体の中での割合は0.9%(15歳時点)と大変少ないです(高等専門学校教育の現状:文部科学省より).日本では中学卒業後は高校に進学するのが一般的であるため,高専進学は極めて珍しい進路選択です.「その進路選ぶ時点で変じゃん」という声が聞こえてきそうです.

高校進学と高専進学

それでは高校進学と高専進学を比べて,「高専生に変な奴が多い」理由を探ってみようと思います.

高校進学の場合,進学先を選ぶ基準は学力や進学実績,偏差値となります.高校進学は確定事項で,じゃあどの高校に行くのかという話から始まるわけです.勉強が出来る人は公立トップ校や難関私立を受験し,普通の人は標準レベルの高校,あまり勉強が得意でない人は工業高校などに進学すると思います.その結果,同じレベル・考え方の人間が集まります((開成や灘といった超一流の進学校レベルになると話は異なると思いますが)).

では高専進学はどうでしょうか.周囲が高校に進学する中で,高専に決めるには様々な理由がありそうです((高専をよく知らず進学しミスマッチに苦しむという話もありますが,今回はそれについては触れません)).専門がやりたい,ロボコンがやりたい,就職が楽にできそう,寮生活がしたい,学力試験に内申点が関係ないから,受験勉強がないので伸び伸びとオタク活動ができそう(私です)など様々です((余談ですが,「勝手に高専ラジオ」という高専卒業生の方がやっているPodcastでは,ゲストの様々な高専生・卒業生の高専選択理由を聞くことができます.)).つまり,高校のようにレベルや進学実績で選んでいる学生は少ないと思います.これにより様々なタイプの学生が集まり,多様性が生まれるのだと私は考えています.

高専生の中学卒業時点での意思決定力について評価したツイートが話題になったのが記憶に新しいですね.

多様性の中での学生生活の重要性

高専に進学した学生は,多種多様な人と出会うことになります.前述した通り,それぞれ目的や目標は様々で,全く異なる考えを持ち,やる気に満ち溢れた人から留年ぎりぎりの人までクラスに居ます.そんな人たちと関係を築き,5年間やっていく必要があります.また,留年した人を受け入れる必要もあります.そのような多様な考え方が溢れた環境に身を置くと,最初は戸惑うかもしれませんが,次第にそれが当然だと思うようになっていきます.同調圧力がなく,変わり者や異端者を攻撃しない環境になるのです.「あいつのやっていることは意味がわからない.分かり合えない」ではなく「あいつはああいうの好きだよね.良いと思う」です.もちろん,自分のやりたいことのみを考え,いい意味で他人のことなど興味がないという人も多いと思いますが.他者を尊重できないことで様々な問題が生まれている今の社会において,そのような考え方が出来ることは非常に重要ですが,共感できない人との共存力が高い人は意外と少ないです.15歳〜20歳という人格形成の時期でこのような経験をし,多様性を尊重する人間性を備えた高専生は非常に貴重な存在と思います.

「これ❗👉」って感じのツイートを引用します.

さいごに

「15歳から専門漬けで,現場力は高いが世界が狭い」というような意見を良く耳にしますが,多様性を尊重する姿勢があり,その上で他者と関わることができる高専生は,世界をいくらでも広げる能力を備えているのではないでしょうか.自分の考えが絶対と思わず,他者の考えを尊重して関わる.それが自然に身につく環境,それが高専だと思います.高専生といえば技術力ばかりに目が行きがちですが,多様性を受け入れ,異端者に対して寛容であるという部分も評価されるべきだと思います((もちろん全ての高専生がそうではないと思いますが.)).