編入体験談

2025年:熊本大学工学部 土木建築学科 建築学教育プログラム

自己紹介

名前:歩行者天国
出身高専:釧〇高専 建築学分野
学科順位:1~2年次:3位 3年次:8位 4年次:6位
受験年:2025
受験大学(受験科目):熊本大学工学部 土木建築学科 建築学教育プログラム
併願大学:関西大学(事前出願審査のみ)
部活や資格:剣道部(副部長)・総合デザイン同好会(部長)(デザコン構造部門に出る部活です)・ダンス同好会(部長)・バドミントン部・女子寮長・英検2級・TOEIC410点

なぜ編入をしようと思ったか

高専だけの勉強では足りないと思ったため。
建築史に関する専門的な勉強をしたかったから。
大学生活というものを経験したかった。

学年ごとの勉強内容

1~3年

とにかく部活やサークル活動をしていました。
当時は剣道部とバドミントン部に力を入れており、ランニングや朝練と他校での自主練習を行っていました。運動部の掛け持ちということもあり朝から夜まで動きっぱなしの毎日で編入対策はあまりしていませんでした。
しかしこの時に取った各部活での大会の成績が受験での大きなアピールポイントになったと思います。
なんとなく大学編入を考えていたのでとりあえず学科内順位だけ落とさないよう定期テストはそこそこ頑張っていました。3年のおわりに豊橋のオーキャンに行きました。
この時期のハードな部活の経験が今後の忍耐力につながったと思います。

4年前期

大学編入しようと本格的に考え始めました。
この時は豊橋に推薦で行くと決めていたので、編入対策というよりかはクラス順位を維持するために定期テストの勉強だけをひたすらしていました。
同時にダンス同好会の部長になり部の活動も忙しくなりました。
また高専大会に出たり、デザコン創造部門と構造部門に作品を提出したのでその辺も忙しかったです。
例年通りの部活の忙しさに加え勉強量も増えたので死にかけの状態でした。

4年後期

建築史にドハマりする。
大学では建築史の研究室に入りたいと思ったが豊橋にその研究室がないことを知り、受験を諦めました。
建築史の研究室が有名な大学に入るために他大学を調べるも受験内容がTOEICや数学・物理の学校が多く、それらの編入対策を一切していないためかなり選択肢が狭くなりました。クラス順位を上げることも重要ですが編入を考えているなら数学やTOEICなどの対策も最低限するべきだったと後悔しています。
公立や私立の大学も含め受験内容に数学物理やTOEICが審査基準に入らない大学を片っ端から調べていました。当時は大阪公立大と日本大学を受験する予定でした。

5年前期

大阪公立大と日本大学の受験内容や例年の倍率を見て諦めました。
担任から熊本大学が西洋建築史の研究で有名な研究室があると聞き、受験内容も小論文と構造力学だけだったので受験することを決めました。また志望理由書や先生が書く人物調書などの配分量が多く今まで行っていた部長や部活の経験を生かせるのも理由の一つです。
大体4月末くらいからぼちぼち勉強を始めました。

試験当日

試験内容

構造力学

例年静定梁の反力を求めN・Q・M図を書かせる問題です。
昨年の過去問のみ変化球が来ていたので少しビビってました。
内容としては簡単なスリーヒンジラーメンでした。
あまり内容は難しくなく10分くらいで解けたと思います。

小論文

50分試験の中で40分くらいで書き終わりました。800文字制限の中で795字は書けましたのでそこそこの手ごたえはありました。
一応下書き用紙がもらえるので、まず最初にマス目を気にせず自分にしか読めないくらいの殴り書きで文章構成と内容について書きました。

小論文のテーマは「公共施設の複合化について利点と課題点を挙げ、それらを解決するための計画について書きなさい」的な内容でした。

利点
・建物が一つで済むので土地の有効利用や建物建設にかかるCO2発生量を減らせる
・広い層の年齢層が集まるので新たなコミュニティーの形成
・災害時の避難場所として多くの人が利用したことのある場所で過ごすことができる

課題点
・機能の集中化によりその公共施設のない地域の活動が衰える
・その公共施設から遠い場所に住む高齢者や子供が利用しにくい
・災害時の避難場所としてその公共施設から遠い場合に行きにくい

解決法
・最低でも各地区に1つは公共施設を残す
・利用者の増加をはかるために周辺の景観や道路の整備、バリアフリー化を進める
・公共施設からまちの活気を取り戻そう!
といった内容を書いた気がします。

面接

インターネット上や知っている先輩に熊本大学の建築プログラムを受験した人の体験談がなくとにかく徹底的に対策しました。(2週間くらいしか練習してないけど)
5~10分程度で「あれ?こんだけ?」となりました。

3人の面接官と話すスタイルで私の話も長かったからか急かされました。

質問内容は
①志望理由
…古代西洋建築史の研究をするため、国際交流事業に参加するため
②具体的にうちの学校には何の国際交流事業がある?
…台湾や韓国との交流プログラムとカナダの留学について話しました
③高専時代頑張ったことは?
…デザコン構造部門での橋の設計と部長の経験
④あなたの訪れた中で一番好きな建築は?(私が志望理由書に建築巡りが好きだと書いたから)
…毛綱毅曠の釧路市立博物館。彼の設計思想(宇宙論)について話して特徴を述べました
⑤もっと現代の新しい建築はないの?(④のウケがちょっと悪かった?)
…伊藤豊雄のイケウチゲート
⑥卒業後について
…大学院に進学して・・・とプロセスを話そうとすると「一言で言って」と言われたので一級建築士とだけ答えました。

受験者人数も多かったのでなるべく早く回したそうにしていたので、回答は短めに話すのがよさそうです。
正直面接の対応的に落ちたかなーと思いました。

後輩に伝えたいこと

多分志望理由書や先生の書く調査書の配点が大きいと思うのでなるべく課外活動などを頑張っておくべきだと思います。TOEICはあまり必要なかったっぽいです。
受験内容はそこまで難しくないのですが比較的高倍率ではあるので滑り止めの人も手を抜かずみっちり勉強すれば受かると思います。正直私も2か月ちょっとの勉強でしたが本気出せば大丈夫だと思います。(全SNS消したらすごく勉強が捗りました)受験予定の大学が変わることも予想されるのでとりあえず広く編入対策を始めましょう!

小論文の練習方法がいまいちわからない人も多いと思うので私なりの勉強方法です。とにかく本を読んでその内容のポイント?をノートに手書きでまとめて、書いた内容について自分でテーマを決めて小論文を書きました。極力3日に1冊は読むようにしていました。6月くらいからは本というよりかは主に「日建アーキテクチュア」と「新建築」のバックナンバーを参考にしていました。雑誌だと新しい情報を本より手っ取り早く手に入れられるのでお勧めです。添削は書いた翌日にするか国語の先生にお願いしました。最初のうちはうまく書けないので、書いた後にchatGPTに模範解答をもらっていました。大体40枚くらい書いたので最後のほうは下書きなしで35分くらいで書けるようになりました。

過去の熊大の合格体験記の中で通町筋の蔦屋のスタバで時間を潰したことが合格につながったと言っても過言ではないとの話があった気がします。私も同様にそこで時間を潰して受験しに行ったら受かったので、もしかしたらそのスタバには何かあるのかも…?

オススメの参考書

  • 「詳解 建築構造力学演習」蜂巣進/林貞夫
  • 「構造力学Ⅰ」飯塚五郎蔵/村内明/安宅信行
  • 「詳しすぎる構造力学演習Ⅱ」岡田章
  • 「基礎からわかる 静定構造力学」村上 雅英

最近の構造力学の問題集は比較的簡単なので図書館の奥に眠っているような古い本がおすすめです。見たこともない形のラーメンが出てきます。

  • 「日建アーキテクチュア」バックナンバー
  • 「新建築」バックナンバー

その他サステナブル建築やまちづくり、技術者倫理に関する本を読んでいました。

12/26開催!高専生向けのキャリアイベント