編入体験談 大阪大学 応用自然科学科 2018

自己紹介

 

[名前] Y.S
[出身高専 学科] 神戸市立高専 応用化学科
[学科順位] 3年 1位 4年 1位
[受験の年] 2018年度
[受験大学 受験科目]

大阪大学 工学部 応用自然科学科 応用化学科目

[併願大学] 神戸市立高専専攻科のみ
[部活や資格] 陸上競技部(専門は三段跳) ESS部 数検2級 TOEIC 610
[SNS] Twitter:@transfer_cog

 

受験内容

 

[動機]

 大阪大学工学部の説明会に参加したことがきっかけです。神戸高専に、たびたび大阪大学工学部の准教授の方とOBの方が来てくださっており、説明会を開いてくださります。私は元々、大阪大学に興味があったのですすんで説明会に参加しました。説明会に参加して、やはり大阪大学は学生の質が高く、研究のレベルも高いということが伝わったので「ここへ行ったら間違いない」と思いました。その上、単位認定が他大学に比べて優しいというのも志望理由の一つです。

[1~3年]

 テストを頑張っていました。1年の後期中間試験で1位を取りましたが、前期と後期定期が悪かったので最終成績が2位、2年と3年は最終成績1位でした。特に数学と物理が得意で数学は1~3年まで常にクラス1位、物理も100点が多く、特に2年の最終成績は100点でした。また、3年の1月には到達度試験という学科共通試験がありました。数学と物理でまさに僕の得意科目だったのでそこで1位を取って真に数学と物理が得意だということを証明しようと思い勉強しました。直前1週間は、授業中から寝るまで物理漬けでした。たぶん受験生くらい勉強していたような気がします。そして、数学が440/450点、物理390/400点で両方学年1位を取りました。このころは、数学と物理は「無双」状態でした。
 英語はTOEIC英単語を覚えつつFORESTで英語の基礎固めをしていました。受験英語の実践力は全くなかったと思います。到達度試験の時期に受けたTOEIC BRIDGEは150と有無を言わないスコアでした。
 専門の化学はテスト勉強をするくらいでノータッチでした。
勉強面以外では、2年から部活を本気でやり始めました。きっかけは後輩ができたことでした。部活の活動方針などに嫌気がさしていたため、近畿高専大会で3位以内に入って、全国高専大会に出られなければ、退部すると決めていましたが、3位入賞し続けることを決めました。そこから本気に拍車がかかって毎日、筋トレしていました。3年で全国インターハイに出るという目標まで立てていましたが、レストを全く取らなかったせいで足を疲労骨折して夢は儚く散りました。そこで、足が治っても陸上ができないとわかっていたので、松葉杖が取れた段階でアルバイトを始めました。また、3年の12月から足に骨折治療用プレートを入れながら部活動を再開しました。

[4年前期]

 そろそろ受験勉強を始めようと思い、あまり得意でなかった英語から対策を練っていきました。

とりあえず、Next Stageと基礎英語長文問題精講、基礎英作文問題精講、DUO3.0を書店で買って始めました。Next Stageは気が向いたら100問ずつやって、間違えたところを暗記して、問題精講はたまにやる程度、DUOは毎朝電車の中で読んでいました。あとはテスト勉強とTOEIC対策をしていました。
 数学は春休みに数列と未習だった行列の固有値などを勉強していました。このころは習っていない範囲を勉強していく勉強をしていました。復習は徹底研究を使っていました。
 化学は、有機化学演習 基本から大学院入試までを軽く解いていました。
阪大工学部の試験では化学か物理どちらか選択としていたので到達度試験以来、物理を勉強していませんでした。
勉強面以外では、春休みはバイト三昧で働きっぱなしでした。また、シーズンに入ったことで部活の試合に出るようにもなりました。近畿高専大会では、優勝し、全国高専ランキングが3位でした。全国高専大会はこのまま銅メダルを取りに行くつもりで、あわよくば銀メダルも狙っていましたが、太ももを試合中に肉離れを起こして記録なしで終わりました。
2回目の怪我で精神的にはかなりへこんでいて受験もこのまま運もなく、受からなかったらどうしようかと不安でした。

[4年後期]

本格的に受験勉強を始めた時期です。英語は基礎長文問題精講を2周、基礎英作文問題精講を1周、Next Stageを3周、DUO3.0を3周ほどしました。
数学は大学編入のための数学問題集を買って総復習しました。また、大日本図書の応用数学を購入し、主にベクトル解析と複素解析の勉強をしていました。複素解析は学校のカリキュラムに組み込まれておらず、100%独学でした。ですが、ベクトル解析は習いました。過去問はこの頃から解き始め、H.29の数学は9割5分解けていました。他は平均すると8割程度でした。正直、数学の過去問を解くにはまだ早かったような気もします。
マクマリー有機化学は9月から12月にかけて1周しました。また、一から有機反応のノートを作成し暗記しました。演習は、有機化学演習 基本から大学院入試までを解いていました。無機、物化、分析、生物化学、高分子はテスト勉強でする程度で受験対策はノータッチでした。
 部活を引退し、バイトもやめ、一息つける時期だと思っていましたが、実際は高専祭や研修旅行など思っていたより忙しかったです。正直、受験があると思って本腰はまだ入れてなかったです。

[春休み]

 ここが受験勉強でいう山場でした。英語は基礎長文問題精講を1周、基礎英作文問題集を1周、Next Stageを1周しました。
数学は編入数学過去問特訓を1周、大日本図書の応用数学の複素解析の範囲を1周、大学編入のための数学問題集を所々勉強しました。
化学は、化学I・IIの新研究を先輩から勧められ、生物化学と高分子の内容を2週間かけてひたすらノートにまとめました。「そこまでいる?」と思われるくらい隅々までまとめました。なぜか、暗記しようと思わなくてもノートをまとめるだけで内容は頭に入りました。高分子は既習だったので知らないところだけを覚えていきました。その次に授業ノートを参考に無機化学、物理化学、分析化学のノ-トを作成しました。演習は、授業で使っていた基礎有機化学演習、有機化学演習 基本から大学院入試まで、無機化学演習 大学院入試まで、アトキンス物理化学要論、化学I・IIの新演習、溶液内平衡に基づく分析化学で勉強していました。
 過去問は、化学をH.20~H.27まで解きました。いい時で9割後半、悪い時で8割だったので平均すると8割後半は解けていました。
 この頃、神戸大学の受験も考えていたので、名門の森と物理のエッセンスも勉強していました。
 春休みは合計300時間以上勉強しました。

[5年4⽉]

春休みが明け、学校が始まりました。勉強時間は平日4時間、休日10時間を維持しました。数学は徹底研究と演習 線形代数を解いていました。英語はTOEIC対策をする程度でした。ただ、毎朝、DUO3.0の例文の暗記を心がけていました。化学は、化学I・IIの新演習と作成したノートの暗記のみしていました。
この頃、専攻科の枠が決められていたので、神戸大学と専攻科どちらも受けることに対して友人から非難されて神戸大学の受験をやめて、併願で専攻科のみ受験することを決めました。物理を1教科余分に勉強しなければならないのが面倒だったというのもあります。

[5年5⽉]

 TOEICが終わりゴールデンウィークに入った段階で倦怠期に入りました。ゴールデンウィークは一日12時間する予定が6~8時間程度しか勉強していなかったです。これなら部活やっとけばよかったという感じでした。数学は大学編入試験問題 数学/徹底演習、英語は英語長文問題精講、基礎英作文問題精講、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本を解きました。DUO3.0は毎朝読んでいました。化学は専攻科の対策を中心に勉強していました。
 また、月末からテストがあったのでいつもよりかは控えめにテスト勉強しましたが、1位を取りました。

[5年6⽉]

 数学は専攻科対策と専攻科入試が終わってからは大日本図書の応用数学を1周(ラプラス、フーリエも一応勉強した)、英語は、英語長文問題精講、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本、DUO3.0、化学は基礎有機化学演習、マクマリー有機化学(中)、ノートの暗記をしていました。英語の過去問をこの時期始めました。
 この頃、専攻科入試をトップで合格し、ほっとしていましたが、専攻科入試の有機化学でわからない問題が出て、解けなかったことにかなりショックを受けていました。そのときからわからない問題がでたときのアプローチの仕方を先生に相談していました。

[5年7月]

 数学は、大学編入のための数学問題集を1周していました。英語は、英語長文問題精講、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本、DUO3.0、基礎英作文問題精講のほかに、基礎英文問題精講を始めました。これは量も質もいいのでオススメです。化学は化学I・IIの新演習、化学I・IIの新研究を端から端まで読むという勉強をしていました。英語の過去問はすべて終えました。大体8割でいい時で9割くらいでした。

[5年8月]

いよいよ入試が近づいてきて受験勉強にラストスパートをかけました。数学は、演習線形代数と大日本図書の応用数学のみ勉強しました。正直、もう数学は十分だと思っていました。英語は、Next Stageで忘れかけていた表現を総復習し、英作文の対策に重きを置いていました。基礎英作文問題精講を1周、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本を半周しました。特に、竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本は、受験前日にずっと持ち歩いていました。化学は、化学I・IIの新演習、有機化学演習 基本から大学院入試まで、基礎有機化学演習、演習無機化学 基本から大学院入試まで、無機化学演習 大学院入試を中心に、ノートの暗記をメインに勉強していました。とりあえず、有機反応と無機の固体化学はよく出題されるので完璧にしました。
英語と化学の演習用として大阪大学の赤本を購入しました。英語は長文の傾向が似ているのでオススメです。化学は理論化学以外は、化学I・IIの新演習で対応できるので8割は取れるかと思います。
この頃、テストがありましたが、一夜漬けでも1位はキープしました。また、高校化学はわからない問題はほぼなかったので、大学院レベルの化学の知識も一応つけておいて、死角をなくしました。化学のH.28、H.29の過去問が手に入ったので解きました。H.28が8割、H.29が9割ほど解けました。
受験前日は、数学は、大日本図書の応用数学、英語は、竹岡広信の英作文がよく書ける本、化学は、ノートの見返しをしました。そんなに詰め込んで勉強はしませんでした。

[試験当⽇]

 前日は、ホテルに泊まったのでよく眠れず3時間ほどしか眠れませんでした。そのため、モンスターエナジー(魔剤)を飲んで阪大へ向かいました。かなり勉強していたので緊張は全くなかったです。ただ、2日目の面接は少し緊張しました。

[試験内容]

英語
長文:文の量がH.28ぐらい多く、ここ10年で3番には入るぐらいで、注釈も多かったが基本的にわからない単語は注釈を除いてほぼなかった。穴埋めもそこそこ簡単で、聞かれている質問も全く難しくなかった。ただ、量が多いので早く答えを見つけられる能力はいると思う。出来:8∼9割

和訳:とにかく量が多い。しかし、注釈がやはり多かったので「この単語なんや?」とはならなかった。熱力学第二法則の説明など。出来:9割後半

英作文:1番、2番が1分で解けて、3番に「編入する」というのが出てきて一旦詰まったが、transferという訳が一瞬で閃いて2分で訳した。4番は終了5分前で焦ったのでめちゃくちゃ雑な文章を書いて4点あればいいかなという感じ。出来:8割

穴埋め:簡単だったが、in spite of my selfは書けなかった。出来:8割

間違い直し:1問丸々落としたところがあった。Either you or I amのところもミスしそうになったが、英語の先生が授業で言っていたことを思い出してなんとかいけた。出来:8割

全体で8割4分~8.7割ぐらい

数学
大問1:(1)固有方程式の極値・作図 (2)3次方程式の実数解の条件 (3)固有値・固有ベクトル 出来:9割
(1)は簡単。ただ、ここで極値を求めず極値を出す前のλの値だけ出して放置するという痛恨の凡ミスをしてしまい、部分点しかなくて気づいたときは萎えた。とにかく計算がだるい。
作図は楽勝。
(2)これは完全な高校の範囲。解きながら「これできとるやつ絶対少ない」と思いつつ、難なくクリア。知っていればできる。
(3)簡単なので略。

大問2:(1)2階微分方程式 (2)複雑な1階微分方程式 出来:10割
(1)簡単なので略。
(2)z=log y とおくことができたら簡単。(z=log xy でもいけるかも。)

大問3:(1)ド・アモブルの定理 (2)複素積分 (3)ローラン展開 出来:4∼5割
(1)99乗が出てきてインパクトがすごかったが、やってみれば簡単だった。
(2)複素積分でy=x^2-1が出てきたのは初めてだった。解けたと思ったが、dz/dxをかけ忘れるという痛恨のミス。半分部分点くれたらうれしいな。
(3)ローラン展開はでるとにらんで出たのはいいが応用だったため全くできず。

大問4:(1-1)一様分布の確率平均 (1-2)工場の不良品 (2-1)平均、分散、不変分散
(2-2)95%信頼区間 (2-3)相関係数 出来:4割8分
(1-1)一様分布は簡単だったが、授業でそもそも話に出ただけで例題も解いていなかったように思えるが、僕は4年の夏休みに予習して何回か解いていて覚えていたので解けた。しかし、1/6をかけるのを忘れるミスを犯し、おそらく半分になっていると思う。たぶん、これだけこの問題に食い込めたのは科で言えば僕ぐらいだと思う。
(1-2)よくよく考えると簡単。ただ、問題文をよく読んで「製品全体」なのか「不良品全体なのか」を見極める力が要る。
(2-1)平均は簡単。分散も簡単。不変分散は分母に1/(n-1)が入っていることだけはわかっていたが、結局、間違えた。
(2-2)(2-3)覚えてなさ過ぎて、解き方だけ書いた。1点はくれたと信じている。

全体で6割8分~7割ぐらい(できなかったにしては上出来やとは思う。)

化学
大問1:濃度計算 (1)酢酸の水素イオン濃度(2)酢酸と塩酸の混合溶液における酢酸イオン濃度(3)塩化アンモニウム塩の水素イオン濃度 出来:10割
(1)略(2)強酸を加えると水素イオン濃度は電離度がかなり低い酢酸に比べて、強くなる。また、酢酸の電離度はかなり低いことから混合後の酢酸イオン濃度が酢酸の濃度に近似できることに気づけば難なく解ける。正答率は低いはず。
(3)略

大問2:生物・物化
生物はグルタミン酸とアラニンの構造、アミノ酸は何種類か、ペプチド結合などなど基礎中の基礎が出た。(去年から生物は易化している。)
活性化エネルギーの計算もあったが、幾度となく見たことがあった例題で値も覚えていたのですんなりと解けた。
出来:10割
大問3:有機の基礎問題
化学科でなくても解けるような問題だった。硫酸水銀(II)存在下での硫酸と水の1-hexyneとの反応とフリーデルクラフツ反応のn-butaneの反応だった。
出来:10割

大問4:結晶格子(塩化ナトリウム型、塩化セシウム型など)
知っていたら簡単すぎると思う。限界球半径比の導出は知っていなければ解けないが、固体化学の基礎の基礎を知っているのであれば普通に解ける。
出来:10割

大問5:鉄・ハーバーボッシュ法
今まで工業的製法はほとんどの元素が出ていたが、鉄が出ていないと思い、独学で勉強していたので出たときはうれしかった。
穴埋めで3問間違えた。コークスの役割や石灰石の役割は、うろ覚えだったが調べると完璧だった。また、ハーバーボッシュ法は笑うほど簡単。
出来:8割5分

全体で9割5分くらい(ほぼ間違いないと思う。)

[⾯接]

志望動機
どういう研究がしたいのか
特にどの研究室に入りたいのか
陸上部ではどの程度、成績を残したのか
ESS部に所属しているが、どの程度英語ができるのか
英語の試験の出来
併願校はどこか
受かった場合にどちらに進学するのか
卒業後の進路はどうするのか
博士課程への進学は考えていないのか
以上、6分程度

[後輩に伝えたいこと]

中1のとき、学年156位で本当に頭が悪かったのですが、春休みに死ぬ気で勉強すると18位まで上がりました。そこから6年半の間ずっと勉強してきました。その結果が阪大工学部合格に結び付きました。これを見ている方々はおそらく僕よりも良い地頭を持っていると思います。あきらめずに正しい努力を続けていれば必ず合格できます。目標に向かってひたむきに頑張りましょう。ただ、努力をしたからと言って、夢が叶うとは限らないです。でも、夢を叶えた人は必ず努力しています。そして、努力しても夢が叶わなかった人は努力をする方向を間違えていたのか、もしくは、努力が足りなかったのかのどちらかだと思います。合理的かつ計画的に勉強しましょう。

[おすすめの参考書]

•新 応用数学(大日本図書)
•演習 線形代数
•編入数学過去問特訓
•編入数学徹底研究
•大学編入のための数学問題集
•チャート数学Ⅱ+B(赤チャート)
英語
•阪大の英語20カ年分
•Next Stage
•DUO3.0
•基礎 英作文精講
•竹岡広信の面白いほど英作文が書ける本
•FOREST
化学
•化学I・Ⅱの新研究
•化学I・Ⅱの新演習
•マクマリー有機化学
•基礎有機化学演習
•有機化学演習 基本から大学院入試まで
•無機化学演習 大学院入試問題を中心に
•演習無機化学 基本から大学院入試まで
•溶液内平衡に基づく分析化学
•アトキンス物理化学要論