編入体験談 東海大学 工学部 航空宇宙工学科 2016

自己紹介

 

[名前] T.M
[出身高専 学科] 奈良高専 電子制御工学科
[学科順位] 3年 1位 4年 3位
[受験の年] 2016年
[受験大学 ]

岡山大学,筑波大学,東京大学(航空宇宙工学科),東海大学

[進学先] 東海大学 工学部 航空宇宙工学科
[部活や資格] アーチェリー部(副部長),写真部,天文研究会,TOEIC800
[その他経歴] 4年次の後期に休学
[現在の活動] 人工衛星に用いられる電気推進機関の研究
[SNS]

Twitter: @TAspazioKU

Facebook: https://www.facebook.com/takuro.mikami

 

受験内容

 

[動機]

 

幼少期に両親に連れられ訪れたアメリカのケネディ宇宙センターや高専入学後に縁あって日本の宇宙科学研究所で体験学習を受けることができ,「宇宙開発に携わりたい!」という思いがありました.よって,航空宇宙分野の研究に携わるため,大学編入するということは早い段階から決めていました.そして,より宇宙に近づくためにはどの大学が良いかと考えた結果,本命として東京大学を目指すことにしました.また,奈良高専の1学年上の先輩が東京大学 航空宇宙工学科に進学されたことも刺激となりました.

 

[1~3年]

 大学編入をするということは決めていましたが,まだまだ実感はわかず,定期試験にベストを尽くせるように勉強していました.このころは時間もあり,宇宙開発への興味をさらに広げたいと思い,「衛星設計コンテスト」やJAXA主催の「君がつくる宇宙ミッション」などに積極的に参加し,知見を広げていました.また,奈良高専ではシンガポールのポリテクと交流があり,3年のころ国際交流に参加しました.その結果,生の英語に触れることができ,また海外に友人を持つことができ,英語学習への意欲があがりました.

[4年前期]

 編入試験を意識しはじめましたが何から手を付けてよいのかわからない日々を過ごしていました.ただ,友人(もともとは部活の後輩でしたがいつのまにか同輩になっていました)と編入試験の情報や勉強方法を共有しはじめ徐々にモチベーションが上がりはじめました.そして,友人とともに東京大学を意識しました.そのため,まず数学や物理の基礎固めを参考書を使用しながら勉強していました(編入数学徹底研究を使いながら).

[4年後期]

夏休み中,「Asian Science Camp」(アジア圏の学生ための科学の祭典)に参加し1週間ほどタイに滞在していました.日本からの派遣団のメンバーやアジアの学生から良い刺激を受け,これも勉強の意欲があがるきっかけとなりました.ただ,夏休みはAsian Science Campの準備もあり,また青春を謳歌し始めたので勉強はあまりはかどりませんでした.しかし,夏休み後から徐々に勉強時間を増やしていきました.平日は3~5時間,休日は7~10時間取り組むように心がけました. 

[5年前期]

3月

春休み中,国際交流の関係でシンガポールに10日ほど滞在していました.その間は,勉強はできませんでした.のこり20日は,1日あたり9~10時間を目安に勉強していました.下記に述べる参考書を使いながら,またこのころから過去問を徐々に解き始めていました.過去問を解き,足りないと感じた部分は参考書を使いながら勉強していました.

 

4月~5月

学校が始まり,勉強時間が少し減りましたが,3月にやっていたことを継続して続けました.

 

6月

確か,この時期に岡山大学(機械工学科)の編入試験がありました.滑り止めのつもりで受けたのですが,不合格でした.正直,試験の感触は悪くなく自信があったのですが,ダメでした.おそらく,滑り止めにしようと考える人が大勢いたのではないかと考えられます.また,推薦では一般の編入試験の合格枠が約40人のうち4~5人程度だったと記憶しています.

 

7月~8月

結果だけ先に述べると,筑波大学,東京大学の両方とも不合格でした.

 編入試験の厳しさを知った夏になりました.

 悶々とした日々がすぎていきました.

 

[5年後期]

9月~11月

国立大学で航空宇宙分野を勉強できるといえば,高知工科大学しか残っておらず,私立大学に切り替えました.これは,自分の判断だけではなく,「好きな勉強,やりたい勉強を最後までやりなさい」という両親の後押しもありました.自分の中で,航空宇宙が勉強できる私立大学といえば,最初に思い浮かんだのは「日本大学」もしくは「東海大学」でした.

日程的にも東海大学が適していたので,最終的にはそのように落ち着きました.また,JAXAの研究所である「宇宙科学研究所」に近く,共同研究が期待できる,興味のある研究がある,また東京に近いというのも選択した理由です.様々なものが集約し,宇宙に関するイベントや講演会などは,主に関東で行われることが多いので,「東京に近い」というのは非常に重要でした.私立大学の編入試験は大学の難易度は各大学によりけりですが,東海大学の場合,受験科目は「小論文」と「口頭試問」の2つでした.

 

 

参考書

◎数学

・細野真宏の確率が本当によくわかる本―数I・A (1週間集中講義シリーズ)

・ベクトル・行列・行列式 徹底演習

→線形代数を一通り復習できる

・編入数学徹底研究―頻出問題と過去問題の演習

・編入数学過去問特訓―入試問題による徹底演習

・なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

→読み物として複素関数のイメージが持てた.

・科学技術者のための 基礎数学

→研究室の指導教員からおすすめされた,数学の参考書のかわりに良い

・テキスト 複素解析

→複素解析の演習用によいと思います,そんなに分厚くない

・大学編入のための数学問題集

→最近出版された参考書のようで,問題数が多く演習むき.

 「編入数学徹底研究」はほどほどにこちらをこなすと良いと思います.

◎物理

・演習力学 (セミナーライブラリ物理学 (2))

・名問の森物理 (力学・波動) (河合塾SERIES)

→高校レベルの物理の問題集.高専生はあまり高校レベルの物理には触れないためやっておくと良い.

・名問の森物理 (熱・電磁気・原子) (河合塾SERIES)

・スバラシク実力がつくと評判の電磁気学キャンパス・ゼミ

→イメージがつかめます

・電磁気学演習 (理工基礎 物理学演習ライブラリ)

◎英語

・DUO 3.0

→早い段階(3年)からやっておくと良い.非常に面白く覚えられます.根気よく繰り返しやりましょう.

・大学入試最難関大への英作文―書き方のストラテジー

→高専で不足しがちな英作文の書き方・考え方を補える.ただ,難易度は高めかもしれません.また,すべてやる必要はなく後半の方(長い英作文)は無理にやらなくてよいです.

・鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁

→DUO 3.0が終われば手を出したい英単語本.分厚いですが,論理的に単語のイメージを

持ちながら覚えられます.

・ドラゴン・イングリッシュ基本英文100

→そんなに難しい英作文を要求されない編入試験では,この本を徹底的に理解するだけでよいと思います.

・工業英語ハンドブック―工業英検 基礎例文・単語集

→覚えづらい・重複がある単語集なので,気楽にぱらぱらめくる程度でもよいと思います.

・書ける! 理系英語 例文77

→理系の論文や読み物に出てきそうな英作文を学べます.分厚くなく,取り組みやすいのでお勧めです.

日本人の英語(マーク・ピーターセン 著)
続・日本人の英語
実践 日本人の英語

→上記3冊は非常におすすめです!低学年のときに読んでおきましょう!特に,英語に苦手意識がある方には,絶対です!英語の表現の仕方やその論理,感覚を学ぶことができます.

これは,英作文だけでなくスピーキングにも役立ちます.

 

[後輩に伝えたいこと]

 休学期間を含めた高専での最後3年間は,家族や指導教員の方,友人,カウンセラーの方…様々な人に支えられました.つらく,やるせない複雑な感情を思い出します.その反面,自分がどういった人間であるのか客観的に知ることができ,人間的に成長できた期間でもあります.

 しんどいと感じるときは,思い切って学校からエスケープしてください.また,友人や信頼できる先生に相談してみると良いです.

 編入試験がどういった結果であろうと,自分が「やりたい」と思ったことを忘れずにいてください.巡り巡って,それができる日がくるのではないかと思います.