編入体験談

2024年:熊本大学 工学部 情報電気工学科 電気工学教育プログラム

自己紹介

名前:kei
出身高専:中国地方の高専 電気系学科
学科順位:3年次:1位 4年次:1位 5年次:1位
受験年:2023年
受験大学(受験科目):熊本大学工学部情報電気工学科電気工学教育プログラム 学校推薦
併願大学:広島大学、同志社大学(いずれも受験せず)
部活や資格:TOEIC 900点、第一級アマチュア無線技士、電気学会 パワーエレクトロニクス動画コンテスト表彰、IEEE 研究室最優秀展示賞、電気情報関連学会 優秀卒業生表彰
TwitterID:@keipero0219

なぜ編入をしようと思ったか

高専の教育レベルに不満があり、電気工学についてより深く学びたいと考えたから。
また、勉強をしていない同級生と同じ学歴であることに不満を感じたから。
そして、今までの勉強が大学で通用するのか挑戦してみたいと感じたから。

科目ごとの勉強方法

数学

推薦なので口頭試問のみでしたが、各科目の勉強法について一応書いておきます。
数学は徹底研究や徹底演習、高専の教科書で十分だと思います。私は数学が苦手なので標準的な問題を確実にとれるようにしようと考えていました。
数学は受験する大学によって出題範囲が大きく変わるので、そこだけはしっかり確認しておくべきです。

物理

なし

化学

なし

英語

私は初めて受験したTOEICで825点を取得できました。そして、勉強をやめました。勉強期間は3か月ほどです。
言語ですから、まずはとにかく言葉を覚えました。800点程度まででしたら、銀のフレーズと金のフレーズで十分対応可能だと思います。実際、私も825点を取ったときは金のフレーズだけでした。金のフレーズの代わりとして金のセンテンスもおすすめです。
そのあと、公式含め、模試や各パートの演習書を手あたり次第に買って解いてみました。結局、数か月の間に40冊ほど買ってしまいました。
究極のゼミシリーズや壁越えシリーズ、精選模試シリーズはお気に入りで何周もしました。英文法書として「英文法 でるとこだけ!」はとてもおすすめです。
受験が終わった後、1年間のブランクがありましたが、思い付きで受験を決めて2か月くらい適当に勉強したら900点がとれました。

もともと英語に苦手な意識はありませんでしたが、4年生の夏に初めてTOEICを受験することを決めるまでは中学卒業以来、全く英語に触れてこなかったのでTOEICは勉強するかどうかだけだと思います。
所詮はフォーマットが決まっているペーパーテストですから、徹底的に研究してしまえば900まではすぐに取れます。よく、どうしたら点数が取れるのか聞かれますが、もっと勉強したらいいと思います。

専門科目

私の場合、電磁気学と電気回路が主な受験科目でした。
電磁気学は、サイエンス社の電磁気学演習や基礎物理学演習Ⅱがおすすめです。基礎物理学演習Ⅱは解きやすい問題が多く、電磁気学演習と比較するとマイナーですが、私はこちらの方が好きです。
電磁気学は口頭試問でガウスの法則やアンペールの法則の積分形の式について説明せよ、のような問題が出題されることもあるようですが(友人の受験談)、マクスウェル方程式や電磁波以降の問題が直接出題されているのは見たことがありません。ので、積分を使って電磁波以前の問題がしっかり解けるようにしておけばよいと思います。

電気回路は「例題と演習で学ぶ電気回路」が教科書としておすすめです。編入試験では過渡現象の問題がよく出題されますが、あまり良い教科書・演習書を見つけられておらず、現状としては過去問を沢山解くのがよいと考えています。宇都宮大学や早稲田大学は毎年過渡現象の問題が出題されており、過去問が過渡現象の演習として役に立った印象があります。
電気回路は大学によって四端子回路が出題されたりされなかったりします。分布定数線路理論が出題されているのは見たことがないです。三相交流も専攻科以外では見かけませんでした。やっぱりメインは単相交流と過渡現象だと思います。ベクトル軌跡や共振、共役整合による電力の最大供給とかはよく出題されますから、過去問を解き、分析する中でそういった典型的な問題を押さえておけばいいと思います。過渡現象も、交流や複エネルギー回路の過渡現象はほとんど見ませんでした。ほぼ直流だったと思います。過渡応答はよく書かされるのでそこはしっかり押さえておくべきです。

総括として、編入試験は難関大学でない限り、標準的,典型的な問題をしっかり解けるようにしたらいいと思います。私は、学力試験を結局受験しなかったのであまり言えませんが。

試験当日

試験内容

口頭試問(推薦)
と、募集要項には書いてありましたが、難しいことは何も聞かれませんでした。

面接

一人、10分間の面接試験でした。面接官は三人で一人ずつから試問がありました。

以下、試問の内容です。(思い出せる範囲)

  • パルスパワーについて研究したいとのことだが、パルスパワーとは何か、簡単に説明してください。
  • IEEEから表彰を受けていますが、表彰を受けた内容について詳しく教えて下さい。
  • 成績が大変優秀ですが、勉強で工夫していたことはありますか。
  • TOEICの点数が非常に高いですが、英語学習はどのようにしましたか。
  • 大学学部を卒業した後、就職を考えていますか、大学院進学を考えていますか。

雰囲気は険しくも和やかでもない感じで普通でした。試問の内容から分かると思いますが、不合格にするつもりはなさそうでした。そもそも一人10分間しか時間がないので出願した時点でほぼ合格が決まっているのだと思います。面接必要ないと思います。
実際、情電で不合格になった人はいませんでした。不合格になる方が難しいと思います。

後輩に伝えたいこと

私は、大学に入学してからしばらく経ちます。大学入学以前は大学はとても優秀な人が集まるところで教育水準も非常に高いと考えておりました。でも、そんなことはありませんでした。周りの学生も優秀な人はもちろんいますが、大学は勉強しない人が非常に多いです。勉強できない人もたくさんいます。高専と変わりません。そして、実験レポートはほとんどの人がまともに書けません(なぜ?)。

大学の授業も高専と同様、レベルの高い授業もあれば受講する価値を感じない授業もあります。

また、単位認定についてですが、数学はほとんど認定されませんでした。唯一ベクトル解析が認定されましたが、複素関数,微分方程式,確率統計,フーリエ解析はダメでした。他の編入生も同じなのでこの大学ではそういうものらしいです。
単位認定数はかなり渋くて77単位が最大認定数のようです。これは二年生終了時点での単位数と考えると結構少ないようです。実際、二年生の必修単位がかなり認定されなかったので、三年生で開講される科目を相当数諦めなくてはならず、入学早々学習意欲が削がれました。アナログ電子回路や電磁気学が認定されず、量子力学が認定されるなど単位認定については理解しがたいところが多いです。

単位認定試験なるものも形だけ存在しますが、ただの面接で、先生が気になる高専の科目について学習内容を質問するだけです。認定単位については大学側が一方的に決定します。
また、最大の問題は認定単位はGPAがすべて2.5で数えられるということです。これははっきり言って低いです。私の場合、76単位が2.5で認定されましたから、そこからGPAを上げていくのは非常に大変です。もし、大学院への推薦が欲しいならばGPAが2.8~2.9は最低でも必要ですから、編入学後の単位は全て優、できれば秀で取得していく必要があります。
念のため、大学院入試は一般で受験すればよいだけですが、研究室選びもGPAで決まりますからGPAは大事です。人気の研究室はGPA3以上が目安のようで、編入生には大変厳しいです。
何より、今までの努力を否定されたような感覚、努力しても成績は上がらず、自分より優秀なのか怪しい人(あるいは明らかに自分の方が優秀、、のはず?)の方が成績が高く評価されているという事実に辛くなります。

要するに、大学生活にはあまり期待しない方がよいということです。高専にいると自己評価が下がりがちですが、もしあなたが高専の中で上位の席次にいるならば、あなたが考えているより、あなたは優秀です。自信を持ってください。

最後に、本大学でもそうですが、どこのレベルの大学に行っても優秀な人はいますし、そうでない人もいます。周りのレベルが低いと感じても、上を向けば自分より優秀な人は必ずいるものです。大学では、高専以上に周りの雰囲気にのまれやすいと感じます。下を向いてしまうとどこまでも落ちていけます。常に自分が大学に籍を置く目的を意識の中に持ち、高い向上心を持つことが大事です。私も頑張ります。

オススメの参考書

TOEIC

金のフレーズ、精選模試、究極のゼミシリーズ、壁越えシリーズ、英文法 でるとこだけ

数学,専門

徹底研究、基礎物理学演習Ⅱ、例題と演習で学ぶ電気回路