編入体験談

2026年:九州工業大学 情報工学部 知的システム工学科

自己紹介

名前:まりも
出身高専:沼津高専 機械工学科
学科順位:1年次31位、2年次28位、3年次21位、4年次15位
受験年:2025
受験大学(受験科目):九州工業大学(情報工学部知的システム工学科)
併願大学:豊橋技術科学大学(機械コース)、沼津高専専攻科(医療福祉機器研究開発コース)
部活や資格:空手道部(部長やっていました。)、TOEIC700点

なぜ編入をしようと思ったか

卒業後に大企業に就職することも可能だけど、そこで活躍するほどの知識や技術などが未だに身につけられていないと感じたから。

学年ごとの勉強内容

1~3年

この時期は、学業への意識が低く、授業もほとんど聞いていませんでした。試験は事前の勉強をせず、一夜漬けすらしなかったため、成績は留年しないのがぎりぎりの状態でした。
TOEICは学校で受ける機会があったため受験していましたが、特に勉強はしておらず、スコアは550点程度でした。

4年前期

学校の勉強を開始しました。しかし、1〜3年生の間の学習内容が抜けていたため、追いつくのに苦労しました。
TOEICは600点くらいからスコアが伸び悩みました。この時、英文法の知識が不足していることが原因だと考え、文法の勉強を始めることにしました。

4年後期

編入学試験で必要になる科目の勉強を進めました。

  • 数学: 学校の教科書と、それに付属している問題集を使って復習しました。
  • 物理: 当初受験を考えていた東京農工大学で必要だったため、力学、電磁気学、波動の勉強を始めました。
  • 専門科目 (4力学、制御工学): 学校の授業を聞いて内容を理解し、一通り過去問を解きました。
  • TOEIC: 「abceed」というアプリを使い、複数の教材を併用して学習を進めました。
    結果的に、5年生の初めにTOEICで700点を取得しましたが、大学への出願には間に合わず、670点のスコアで提出しました。

5年前期

春休みが終わる頃には、受験しようとしていた大学の過去問は解けるようにしておきました。また、公開されている過去問をAIに読み込ませ、出力された模試を解くという演習も行いました。この頃は勉強が楽しかったので、学校がある日でも1日8時間は勉強していました。
この段階で、受験校の見直しを行いました。

  • 九州工業大学: 当初考えていた工学部から、情報工学部の受験に切り替えました。
  • 東京農工大学: 受験を辞めました。理由は、募集要項の「試験結果と調査書を総合的に評価する」という評価方法が不明確だったためです。過去問は10年分ほど解いて完璧になっており、試験問題が比較的簡単で差がつきにくいと感じました。そのため、1〜3年生の成績が悪い自分が不利になると判断しました。

最終的に、編入学ができる全国の大学の募集要項を読み、受験校を改めて検討しました。旧帝大は過去問を見たところ自分には難しいと感じたため、受験は考えませんでした。

試験当日

試験内容

九州工業大学 情報工学部 編入学試験の内容
九州工業大学情報工学部の一般選抜は、一般的な筆記試験とは異なり、推薦選抜に近い形式で行われます。試験の合否は、提出書類と口頭試問によって判断されます。

出願時の提出書類

出願時に、以下の内容を記述した自己申告書を提出します。

  • 志望理由: 500文字
  • ガクチカ(学生時代に力を注いだこと): 500文字
事前課題(選抜問題)

試験日の約1ヶ月前に、大学から自宅宛に選抜問題が郵送されます。

  • 科目: 数学、専門科目(情報または物理から1つ選択)
  • 分量: 各科目、A4用紙1枚程度の問題量です。
  • 解答期間: 1週間以内に解答を作成し、大学へ郵送で提出します。
  • 条件: この課題を解くにあたり、参考書を閲覧したり、学校の先生に質問したりすることが許可されています。
試験当日(口頭試問・面接)

試験当日は、筆記試験はなく口頭試問と面接のみが行われます。

  • 時間: 合計15分程度
  • 内容: 事前に提出した「自己申告書」と「選抜問題の解答」の2点についてのみ、内容を深掘りする形で質問されます。準備した内容について、自分の言葉で説明する能力が問われます。

面接

上に同じ。

後輩に伝えたいこと

私の経験から、編入を目指す後輩の皆さんへ伝えたい要点を4つにまとめました。

  1. スタートが遅くても、弱点を分析すれば巻き返せる
    3年生まで成績が悪くても、4年生からで十分間に合いました。ただ、がむしゃらにやっても伸びません。私はTOEICが600点で停滞した時、「原因は英文法だ」と突き止め、そこを重点的に対策しました。自分の弱点は何かを常に考えて勉強することが近道です。
  2. 最も重要なのは「勝てる大学」を選ぶ戦略
    これは学力以上に合否を左右します。募集要項をよく読み、「総合評価」とあれば低学年の成績が不利に働く可能性を考えましょう。私はその方式を避け、受験校を変更しました。簡単な試験も、差がつかないので危険です。プライドより、自分の弱点が不利にならない「勝てる場所」を冷静に探してください。
  3. 試験形式に合わせた対策が合格に直結する
    私の受験校は、筆記ではなく「口頭試問」がメインでした。そのため、ただ問題を解くだけでなく、「なぜそう解いたか」を説明する練習に時間をかけました。事前課題や面接の質問を想定し、それに合わせた準備をすることが何より大切です。
  4. 【逆転の発想】多科目の大学は、あえて狙う価値がある
    これは私自身ができなかったことですが、あえて受験科目が多いレベルの高い大学を狙うのも一つの有効な戦略です。多くの受験生は科目数の多さを嫌ってその大学を敬遠するため、競争相手が少なくなる可能性があります。全科目をやり遂げる覚悟は必要ですが、その努力ができるなら、合格への意外な穴場になるかもしれません。

受験生の健闘を祈ります。

オススメの参考書

学校の教科書だけで十分。