自己紹介
名前:たくろん
出身高専:有明高専創造工学科建築コース
学科順位:1年生:14/211 2年生:7/43 3年生:19/40 4年生:8/42 5年生:14/44
受験年:2025年(2026年度)
受験大学(受験科目):九州大学芸術工学部環境設計コース
併願大学:専攻科後期試験(辞退)
部活や資格:剣道、TOEIC600点台
Instagram:takurofunabara
なぜ編入をしようと思ったか
一目惚れです。
後で詳しく書いていますが、私は受験する4年後期の1月まで就職か進学かも決まっていませんでした。進学を目指すならすでに勉強も始めていて…となっていないといけない時期なのに。どうしても強くココがいい!と思える場所がなかなか見つからなかったからです。
そんな時に九州大学芸術工学部を知りました。私は大学でやりたい研究内容があってそれに合った研究室を探すという決め方ではありませんでした。よって、志望理由を言語化するのに本当に苦労しました。ただ、将来は建築の中でも特に計画系や都市系で仕事をしたい、大きなプロジェクトに携わりたい、地元九州のために自分の学んだことで何か役に立ちたいと考えていたので、九州の大学で建築の枠にとらわれずデザイン(=課題解決)を学べる芸工環境設計コース一本で志望を決めました。
偶然、定員割れで専攻科後期試験が実施されることがわかっていましたが、もし専攻科の後期試験が実施されず(10月以降の滑り止めが無く)、芸工もダメだった場合は本当に大変な人生が待っていたのかなと思います(気持ちを引き締める意味ではよかったのかも???)。
学年ごとの勉強内容
1~3年
3年生までは全くと言っていいほど進路のことは考えていませんでした。高専だし就職は何とかなるだろう、進学するとしても推薦で専攻科に行ければいいかなくらいに考えていたので、それが今となっては早めから進路に向き合っておけばよかったなと強く後悔しています。かなり焦りながらTOEICと数学を勉強する羽目になったので、早めから情報収集、試験対策を始めることを強くお勧めします。
1年生
英語は大の苦手でした。入学早々行われた英語のテストで210/211位を取ってしまい高専生活に大きな絶望をしたことを今でもはっきりと覚えています。しかし、テスト返却の時に先生から「伸びしろしかないね!」と言われたことが唯一、私のモチベーションを保ってくれました。数学については平均くらいで特段得意だったわけでもないです。まさかの順位から始まった高専生活でしたが、そこからは留年とか退学だけは親の為にも絶対できないと思い、厳しく勉強を続け最終的には14/211位まで上げることができました。
芸工は募集要項にもある通り、主に「数学」「英語」「面接」「成績」で評価されます。私は編入試験で数学のと英語(TOEIC)はボロボロだったので、1年生から成績をある程度とれていたのは救いだったなと思います。
2年生
英語については、興味本位で受けたTOEIC IPテストで375点。ほとんど勘で塗りつぶしていたので、このスコアでも上振れていた方だと思います。数学は、悪い意味でテスト対策の勉強になっていたので根本的な理解になっておらず、編入勉強でかなり苦労することになりました。2年生の時も進学か就職かも決まっていないので試験対策はしていません。
3年生
有明の場合、2年生の後期からコース配属が決まり、3年生から本格的に専門の勉強が始まります。念願の建築コースに入れてからは、設計がとにかく楽しく将来は意匠の道に進もうと考えるようになりました。と言っても、進路については具体的な計画を立てることなく学校生活を送っていました。(この受験期間では「目標」と「計画」が大事であるという至極当たり前のことを学びました。みなさんもどうか計画的に。。。)
ある時、自分が高専で「これをやった!」と言えることがないことに気づきました。私は、趣味もなければ学力や部活も中途半端、なにか誇れる経験があるわけでもありません。高専5年間(長期休暇に関しては合計1年以上)もあって、何も成し遂げずに卒業するのだけは絶対に嫌だと、突然3年生の時に悟り、何も持ってない自分が「何者」かになるためにとにかく行動を起こしてみることにしました。
海外に興味があったので、トビタテ留学JAPANに応募し運よく合格をもらい行くことができたアメリカ留学(1か月間)、友人と応募し全国大会出場で審査員特別賞をいただいたデザコン、地元のために何かしたいと思い企画したまちおこしイベントなど、とにかく自分の興味のあること、好きなことにとことんチャレンジすることを大切にした一年間でした。もちろんこれは、両親の支えや先生方、地元の大人の方々の助けがあってできた経験なので、永遠に感謝し続けます。
この高専3年生での活動が結果的に面接の自己アピールにも繋がったので、ボロボロだった「数学」「英語」を「面接」「成績」が何とかカバーしてくれたのかなと思っています。
とにかく何かアドバイスできることがあるとするなら、「数学」「英語」「面接」「成績」の4つのうち、どれかは自分の強みとして持っておくと過酷な受験期間も少しの精神安定剤になるのかなと思います。
4年前期
この時も編入か進学かはまだ決まっていません。そのなか、夏休みに参加した組織設計事務所のインターンシップがきっかけで、もっと建築を深めたい(現場ではなくアカデミックな環境で)、慌てて就職する必要もないなと思うようになり気持ちは進学に傾き始めます。
4年後期
冬休み明けに全員が受けさせられるTOEIC IPテストでは、まさかの2年生の時より低い345点。ショックでした。この時、2025年1月8日。まだ進路は決まっていません。
1月11日~13日の3連休になりデザイン(芸術)の割合が高い建築系の学部を調べていたところ、九州大学芸術工学部に遭遇しました。九大には建築学科しかないと思っていた私は、別の角度(工学に加えて人の感性や課題解決に重点を置く点)から建築を学べる芸工をに魅力を感じ、この時初めて進路が定まりました。試験も10月ということで対策する時間もまだある。ギリギリまで納得できなかった私の進路がここでやっと決まりました。
もしかしたらただの衝動かもしれないので、数日あけて自分の考えが変わらないか確認した後、両親に志望大学を伝えました。高い学費を親に払ってもらいながら滑り止めで妥協した大学に通いたくはなかったので、芸工一本で進学を決意しました。ダメだった場合はまたその時考えることにして、落ちた時の安心材料をつくらないようにしました。それから必要な情報なども集め、学年末試験が終わった2月(受験8か月前)から勉強を開始しました。
以下、TOEICと数学でやった内容などを書いています。令和9年度の受験から、試験日が10月から7月になるようなので一参考までに。TOEICは提出する点数としてはギリギリのスコアだったので反面教師として参考にしてください。
4年後期2月。勉強はまずTOEICを始めました。計画では勉強開始から3か月後の5月(受験5か月前)の受験で700を超える目標。TOEICはそこで終わらせ数学に移る予定にしました。その中間目標として4月中旬の受験で600点以上をとることにしました。前述のとおり現在のスコアは345点。絶望的な点数から3か月で400点近く上げるために春休み前までは学校で友人から勉強を教わり、春休み中はひたすら家にこもり単語と公式問題集などで対策をしました。
中間目標にしていた4月。人生初のTOEIC公開テストは結果545点でした。目標に届かず、そこそこ焦りました。
それから翌月、結果は無残にも6〇〇点。数学も勉強しないといけないのでこの点数で提出しました(ここに書くには恥ずかしいスコアであること、皆さんの目標を低くしないためにも具体的な点数は出しません。ごめんなさい!)。
芸工の場合は、TOEIC700点以上あると安心できると思います。
振り返ってみての反省点は、やったつもりの勉強法になっていたようで単語などが体系的、無意識レベルで覚えられていなかったことだと思っています。英語の試験は本当に単語が大前提となるので、単語帳は金フレを何周も何周も回して無意識的に意味が分かるようにするといいと思います。具体的なTOEICの勉強の仕方はYouTubeなどを参考にして自分に合った勉強法を見つけてください。あとは、試験当日の場慣れの為にも複数回受験すること、日頃の勉強では本番を想定して音声はイヤホンをつけて聞かないことなど自分なりに工夫することをお勧めします。
5年前期
TOEICも一通り終了し、数学を本格に始めたのは5月(受験5か月前)からでした。
編入生愛用の『編入数学徹底研究(著:桜井基晴)』は3月(受験7か月前)には購入しておりTOEIC勉強中の息抜きとしてこの参考書を解いていました。と言っても、理解度は1割くらいです。解けない自分に定期的にパニックになることもありました。だけど、やはり計画を立てて、やるべきことを紙やスマホに書き出すことで、いつまでにどの程度に達しておかないといけないのかが明確になり、淡々とそれをこなしていけるようになります。私のように地頭もメンタルも良くない方は、理解が進んでないままやみくもに参考書を〇周したり、色んな数学の参考書に手を出したりするのは危険なので気を付けてください。
焦らず基礎を固めてください。
夏休みに入ると先生に聞けなくなるので、7月末(受験2か月前)までには徹底研究と過去問のどうしてもわからないことを放課後先生に聞きに行って、理解するようにしていました。徹底研究からスタートするのは難しかったので、「マセマ キャンパス・ゼミ」シリーズで線形代数、確率、微積を根本から理解するようにしていました。
夏休みに入った8月(受験2か月前)。それまでは徹底研究2周ほど、過去問1周ほどでした。わからなかった問題はノートに残していたので、あとの解きまくることについては裏紙(学校と父の職場からかき集めたもの)に答案を書き、解答と見比べることをひたすら繰り返していました。解けなかったものはクリップでまとめて次の日の朝や一週間後に復習。そうすると、どのくらい理解してない問題があるのかが視覚的にわかるので勉強しなきゃ!となります。あとはノートの節約にもなる(ケチ癖)。受験2か月前だからと言って焦って応用問題ばかり解いたりせず、『徹底研究入門』や「よびのり」などで基礎固めを重点的に行なっていました。
9月(受験1か月前)。引き続き数学の勉強はしながらも、面接対策を本格的に始めました。勉強の休憩がてら面接の回答文をまとめたりしていました。私は学校から離れているところに住んでいるので、事前にお願いした先生にZoomで面接練習をしてもらっていました。ポートフォリオは、夏休み前までに素材を集めていたのでCanvaで20ページほどのものを作り、印刷会社に発注しました(少しでも見栄え良くしたかったので)。ポートフォリオと言っても設計作品だけでなく、高専での活動(前述したもの)も載せることで他の方との差別化ができたのではないかなと思います。
10月(受験0か月前)。学校が始まって3日後が当日だったので、先生と対面で面接練習をしました。ただ、この面接練習のやり過ぎが逆に不安をあおり、回答が長くなったり浅い知識で無理やり回答したりすることに(やりすぎには要注意)。
受験前日。午前の授業を休み、図書館で数学の復習。学校から電車とバスでホテルまで向かいチェックイン後、会場確認のため大橋キャンパスへ。ホテルで最後の復習をし22時ごろには就寝しました。
心配性、不安性の私ですが前日は自分のやってきたことを信じてベストな状態で挑むことだけを考えるようにしました。考えすぎない!
試験当日
試験内容
問題の構成こそ変わらないのですが、問題文を整理するのに時間がかかり、手応えはよくて4割程度です。一文字も書けなかった問題もありました。
大門1:確率
大門2:線形代数
大門3:曲線の長さ
大門4:積分
面接
午前の数学が終了して、昼休憩の間に面接対策を復習。時間になり、私は1番目だったのですぐに控室から面接室に呼ばれました。
面接官は、進行役の先生が1人と他先生が3人の計4人でした。時間は10分くらいです(本当にあっという間!)。試験会場と面接会場は前日に見学することができるので足を運んでイメトレをしておくと安心できます。
内容については、私の回答が長すぎたのか、面接官の先生が腕時計を気にしていたり、思ったより質問数が少なく深堀されなかったこと(特に大学でやりたいことについて)や、自分でも何言ってるのかわからなくなったり。数学も英語も出来が悪いし、面接終わりは豪雨だし、帰りは完全にブルーでした。
あ、落ちたんだ。
受かる確率は0ではないだろうけど、体感は10%。近くのカフェに待機していた両親と合流したときは、涙をこらえるのに必死でした。受験期間はものすごくサポートしてくれたし本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。合格発表のときは真っ先に両親に電話をし感謝を伝えました。
以下面接内容です。
・志望理由を教えてください。(自己PRはなかった)
→用意していた志望理由を言った。
・ポートフォリオ持ってきてくれてるけど、この中で一番伝えたいものは?
→3年生でのアメリカ留学。ポートランドのまちづくりが~。
(得たもの、今後どう活かしたいかを話せず抽象的になってしまった)
・高専での卒研の内容を教えて。
→地域に開かれた住宅の外構計画を~。
(この研究が大学でどんな研究につながるのか言えたらよかった)
・併願してる、または出願予定の大学はある?
→専攻科の後期試験に出願予定
・入りたいって言ってた〇〇先生は、来年度のゼミ生はとらないって言われてませんでしたっけ?と面接官同士でざわつく。(研究室訪問した時にはそんなこと言われなかったので内心かなり焦る。ここで合格は遠ざかったなと確信)
→心地よさや感性など、環境心理学にも興味がありますので~。
・最後にもう一度留学で得たことを教えて。(さっきの回答がおそらく伝わってなかった。最後のチャンスなのかもしれない。)
必死に回答して、手ごたえ無いまま面接はあっけなく終了。
・それでは終了します。退出してください。
(あれ、めちゃくちゃ少ない…)
後輩に伝えたいこと
何度も書いてますが、「数学」と「英語」はほぼアウトライン。なにが合格要因だったのかは今でもわかりません。「成績」と「面接」が良かったのか。面接では熱意と好奇心は忘れないように、自信をもって受け答えすることを大切にしました。
合格発表の瞬間は卒業設計でみんな黙々と作業をしていましたのですが、近くにいた先生に泣きながら報告をしたのを覚えています。本当に嬉しかったです。
この受験期間で学んだことを書きます(試験で大した点数とってませんが…)。
ごく当たり前のことかもしれませんが、誰かの参考になりますように。
1.勉強について
本当に自分がここであれば道が拓けると確信した大学なのであれば、絶対にあきらめないで勉強を続けてください。しかし、ただ闇雲にやっても体が壊れるだけなので、特に自分の勉強法が確立していない人は、まず勉強の仕方から探ってみるといいと思います。
1)1冊の考書を極めること。
解けない問題から逃げない。解けなかったものには印をつけて何回も解く。参考書を何周かすると点と点が結ばれる瞬間が必ずあるから。
2)〇時間勉強を目標にしないこと。
やった気にならない。本質は理解。「なるほど!」が出てくればその日は順調に進んでいる証拠。
3)スケジュールを立てること。
スケジュールは精神安定剤。詰め込みすぎずバッファーをつくると計画より遅れてやる気をなくすことも無くなる。むしろ、計画通りに進んで時間が余れば好きなことでご褒美を。
4)自分に合った勉強場所を探すこと。
個人的にはリビングがおすすめです。寝るのもリビングで、前日に次の日やることを大体でいいので頭で整理し、机に勉強道具を置いて寝る。そうすると、朝起きてから考え事や準備をしなくていい。特に、私のように朝が苦手な人は1日の勉強の始まりは「まず5分」にすると、勉強へのハードルが低くなり取っ掛かりやすくなります。25分-5分勉強法なんかもおすすめです。持続的に勉強ができるようになります。
2.モチベーションについて
試験が近づくにつれて不安になってくると思います。勉強にも焦りが出てきて新しい問題ばかり解いてしまったり、すでに進路が決まっている友人を見て複雑な気持ちになったり、応援してもれえるのは嬉しいが、逆にプレッシャーになってしまったり。受験は本当に心との闘いだなと思い知らされました。だけど、たまに入学後の自分を想像してみてください。芸工の個性的な人たちと自分の好きな分野について探究できている。そんな幸せな環境で芸工ライフを送っている自分を。ちょっとだけワクワクしませんか?受験期間、何事もバランスだと思います。落ち着いて今やるべきことを一つ一つこなしていきましょう。
なにか不安なことがあれば、僕のインスタを載せているので金魚に餌をやるくらいの気持ちでDMを送ってみてください。
「100点は取れなくても、100%は出せた。」そう自信をもって言えるよう、後悔が無いような受験期間にしてください。
応援しています。
オススメの参考書
TOEIC
・金フレ
・出る1000
・公式問題集
数学
・『編入数学徹底研究』
・『編入数学入門』
・『編入数学過去問特訓』
・マセマ キャンパス・ゼミシリーズ
・学校の数学の先生
以下お世話になったYouTube
・「わんみん」(高専卒→東大編入YouTuber)
編入数学徹底研究の例題をすべて動画で解説している。
・「よびのり」
安定。編入数学の基礎となる高校数学のサポートになるので基礎から復習する場合はおすすめ。
・「高橋ユウコ」
元高専数学教師。多くの大学の編入数学の過去問を非常に丁寧に解説されている。個人的にものすごく力がついた。
ポートフォリオ
・Canva(製作アプリ)
・ラクスル(冊子で注文し見栄え良くつくりたかったので)

