編入体験談

2026年:横浜国立大学 理工学部 化学・生命系学科 化学応用EP

自己紹介

名前:つばさ
出身高専:福島高専 化学・バイオ工学科
学科順位:1年次:7位 2年次:5位 3年次:3位 4年次:4位
受験年:2025年
受験大学(受験科目):横浜国立大学 理工学部 化学・生命系学科 化学応用EP
併願大学:筑波大学 理工学群 応用理工学類 物質・分子工学専攻 東北大学 工学部 化学・バイオ工学科
部活や資格:TOEIC 825

なぜ編入をしようと思ったか

正直、筑波と東北の滑り止めで受けました。入学金の振り込みが3月で、受験日程や科目も都合が良かったので受けました。
志望動機としては、「合成の困難な医薬品の工業的生産」です。化学工学に力を入れた学科なので、他にもやりたいことはありましたがこの話をメインでしました。

科目ごとの勉強方法

数学

特になし

物理

特になし

化学

4年の2月頃から有機→無機→物理化学の順で勉強し始めました。後期に授業を詰め込んだので、学校が始まってからは空き時間や放課後含め1日5,6時間は勉強してました。休日はたまに学校に行って10時間やったりしましたが、ほとんどは0分勉強でした。

有機はマクマリー上・中・下を読んでから問題を解き、無機物化は問題集で勉強しました。
分析化学はランベルトベールの法則とイオン強度あたりを復習しとけば、無機と物理の知識でいけると思います。

1冊以外は図書館から借りて勉強していたので、ダラダラ勉強しない為にもどんな厚さでも1冊あたり2週間(貸出期限)で完璧にするようにしていました。
分からないところや不安なところは友人かGrokと相談して解決していました。AIの真偽の判断もままならないうちは頭のいい人に頼りましょう。
試験問題にこれといった傾向がないので過去問は頼りにしませんでした。横国の過去問はサイバーカレッジに数年分はあります。(要項に記載あり)

英語

英語は入学当初から特に力を入れていたので、4年の10月のIPテストで750はとれていました。11月あたりからは本格的に勉強し始めました。2月で805でしたが、かなり勉強しても3月は825だったので勉強効率の低下を感じて化学の勉強に完全にシフトしました。
化学と違って言語なので、毎日少しずつでも触れるようにしていました。

専門科目

化学に記載しました。

試験当日

試験内容

TOEIC、推薦書、成績を提出して当日は有機無機物化分析の4教科同時のテストと面接(同日)です。

来年はどうなるかわかりませんが、少なくとも今年のテストはここ数年より難しかったです。特別難しい問題があった訳では無いですが、ある程度の難易度の問題だけで構成されていたところが難所でした。また、各教科に大問が3,4個あるので時間的にもかなりギリギリでした。

自分は勉強をスピーディーにするために普段から電卓で問題を解いていたのですが、当日は電卓使用不可で有効数字3ケタなのでかなり計算ミスしました。

減点や配点が何点なのか分からないので確実に当たってる問題だけだと、少なくとも
無機:8割
有機:8割
物化:6割
分析:7割
でした。

30分で満点取ってやろう笑笑‼️くらいの気持ちだったので、面接前には少しだけ気分が沈みました。面接前の昼休憩は同じクラスの友人とおしゃべりしてたので面接前には平常心に戻りました。

面接

面接官は3人で、大きめの机に向かい合って座るので結構近いです。聞こえにくいとかは起きないと思います。

質問は、
・志望動機
・行きたい研究室はやりたいことと何が一致してるのか
・得意科目と苦手科目(専門で)
・卒研について
・論文は英語で読むか
・日常的に英語に触れる機会について
・入ってからしたいことは(学部時代に)
・4年次の卒研はどのような姿勢で臨みたいか
・学部卒業後はどうするか
を聞かれました。

多分ですが、あちら側で用意している質問は「志望動機」「卒研」「編入後」の3つです。(これらの質問はそれぞれ別の面接官にされました)そこから話した内容だったり、送った書類から気になることの質問をしているのだと思います。

自分はTOEICが高かったからか「論文は英語で読むか」「日常的に英語に触れる機会について」のふたつをおそらく追加で質問されました。僕は日本在住日本育ち日本人で、英語の論文は翻訳アプリを使うのでどちらもNOで答えました。自分をアピールできない質問をされてるなあと感じたらNO!で終わらせて他の質問をする時間を生み出す方がいいと思います。

また、自分でどうしても話したい内容があれば無理やりにでも話を繋げる練習をしとくといいと思います。自分はシリコンバレーのインターンに行った話をしたかったので「日常的には英語は使わないですが、インターンの期間だけは~」といったように無理やり話を繋げました。

後輩に伝えたいこと

1~3年生にも言えることとしては、今は猛勉強しなくていいですが授業でやったことは理解しておくorすぐに見返せるようにしておきましょう。専門科目は詳しくて正しい本は多くありますが、分かりやすい本は限られてくるので、授業の方がはるかに効果的です。

他大学の編入を考えてる方でも、TOEICは早めに終わらせましょう。毎月毎月英語の編入試験があるようなものなので、勉強期間中はかなりの重荷になります。

過去問は、本番と似た問題がでるのではなく、似た「難易度の」問題がでるという認識でいた方がいいです。特に自分の受験年の1年前の過去問に関しては、まず問題が被ることは無いです。

試験の1年前~半年前は勉強のやる気が出ないのは普通だと思います。娯楽を削るのではなく、娯楽でも勉強でもない無駄な時間を勉強に回すとストレスは少ないのではないかと思います。

最後に、メンタルケアのために編入仲間は大事にしましょう。一緒に受験したクラスメイトには、辛く挫けそうな時や平坦な道で躓きそうな時、果てしない天井をぼんやりと見つめることしか出来ない時を含め、様々な場面で助けてもらいました。心優しい協力・助言をくださった彼にこの場を借りて多大なる感謝を申し上げます。

オススメの参考書

有機化学

「マクマリー有機化学上・中・下」(下はアミンまで)
マクマリーより詳しい本はありますが、一般則を学ぶ分にはマクマリーで充分だと思います。めちゃおすすめです。

「有機化学演習 基本から大学院入試まで」
こちらは全員にはオススメしません。編入の勉強にしては過剰気味で、解けない問題の反応機構はほとんどないので逐一調べる必要があります。ただ、有機を極めたい・得点源にしたい人にはおすすめの1冊です。

無機化学

「基礎無機化学演習」花田 禎一著
章末問題?の平衡系の計算は最強です。問題数は多くないですが網羅性が非常に高くほぼ完璧にできます。この本だけで3,4周はしました。めちゃくちゃおすすめです。

「無機化学演習 基本から大学院入試まで」
解けないというより知らない問題が多いです。余裕があったらやる程度でいいと思います。一般には「大学院入試問題を中心に」が有名です。

「演習で学ぶ無機化学基礎の基礎」
分野は狭いですがかなり分かりやすく書かれていて無機の最初にはおすすめです。読む場合は誤植が多いので気をつけてください。

「シュライバーアトキンス上下」(下は前半のみ)
点群含め、上は全部読みましょう。知らないことは別の紙などに書き出して、復習の効率化をしておくと2周目が楽です。1回でも読んでおくといわゆる知識問題はほぼカバーできます。

「化学の新研究」
シュライバーアトキンスが辞書だとしたらこちらは教科書です。高校生向けの参考書ですがシュライバーにも載ってない話があったりします。こちらもいわゆる知識問題用です。めちゃおすすめです。

物理化学

「基礎物理化学Ⅱ 物質のエネルギー論」
途中式を省略しまくっているので薄い本ですが内容は十分です。特に反応速度がためになり、
ちょっと複雑なパターンはおおよそ載ってます。めちゃおすすめです。

「演習で学ぶ化学熱力学」
知識ゼロでも始められます。問題構成に無駄がないので熱力のメジャーな問題はほぼカバーできてます。2,3日あれば終わるのでとりあえずやってみるといいと思います。めちゃくちゃおすすめです。

「なっとくする熱力学」
編入レベルの熱力は完璧にできます。実際この本にあるような問題が出ることは少ないと思いますが何が出題されても解けるくらいになります。タイトルにある通り化学熱力学というよりは熱力学寄りなので注意してください。

分析化学

授業資料とネットの情報のみです。

英語

「be Voyage to English Grammar」
「1億人の英文法」

TOEIC対策というよりは普段の勉強に使っていました。1億人は文法への理解が深まります。beは知識が増えます。

「金のフレーズ」
「ターゲット1900」
「TOEICテスト 英単語ターゲット3000」

金のフレーズの解説のところに小さく書いてある単語も覚えれば、金フレだけでいいと思います。

「極めろ!リーディング力part7」
目標スコア860とありますが万人用だと思います。単語帳にない単語も多くあるので適宜メモしながらやってました。とにかく数をこなせるのがいいです。めちゃおすすめです。

「TOEIC L&Rテスト精選模試リスニング3」
特にこの本にこだわる必要は無いです。リスニングは音源とその答えさえあればいいので教材はなんでもいいです。シャドーイング命でやってました。

そもそも授業で習ってそのまま覚えていた内容もあるので、人によっては上記の本を全てやっても足りないと思います。