編入体験談

2026年:神戸大学 工学部 市民工学科 

自己紹介

名前:ぽーしょん
出身高専:明石高専都市システム工学科
学科順位:1年:A 2年:A 3年:A 4年:A (上位20%ごとにABCDEで成績が出される)
受験年:2025年
受験大学(受験科目):神戸大学工学部市民工学科 数学、物理、小論文、口頭試問
併願大学:神戸大学海洋政策科学部海洋基礎科学領域(合格)
部活や資格:学生会、TOEICL&R645点
TwitterID:@Snow_kosen

なぜ編入をしようと思ったか

もともと気象関係に興味があったので、気象関係を学べる大学に行きたいと考えていたから。

科目ごとの勉強方法

数学

大問4問構成で線形代数から2問、微分積分から2問という構成です。ほとんどが基礎の問題なので、そこで確実に解けるかが重要だと思います。

使用教材

・大学編入のための数学問題集(約90時間)
4年後期の数学概論の授業で使っていた教材です。4年の夏休みから始めました。C問題は神戸大学に対しては過剰だと思います。

・編入数学徹底研究(約144時間)
前述の問題集と並行して解いていました。微分方程式、応用数学を除いた範囲を一通り解いて、間違ったところをひたすら周回するという方法で勉強してました。3~4周していたと思います。2月まであまり身が入らず、過去問特訓に切り替えられたのが3月になってしまったので、もう少し早めに切り替えられるように進めるべきだったと後悔しています。

・編入数学過去問特訓(約129時間)
AB問題を2周ほどしました。正直C問題はやらなくても大丈夫だと思っていましたが、後述しますが今年は難化しており、やればよかったと後悔しています。

物理

大問2問構成で力学1問、電磁気1問です。時間が厳しいです。

使用教材

・物理のエッセンス力学・波動(約25時間)
物理は3月から始めました。工学部の力学は微積分を使う問題が少なく、高校範囲で解ける問題が多いので、これで基礎を固めると良いと思います。

・大学生の初等力学(約66時間)
海洋政策科学部の力学対策としてエッセンスを終わらせたあとに解いていました。結果として工学部の試験でも役に立ったので演習としては最適だと思います。

・マセマ演習電磁気学(約32時間)
電磁気はこれと学校での授業資料を参考にしながら進めました。過去問を見ながら出そうなところだけ解いていました。

化学

特になし

英語

3年12月に初めて受けて395点だったのでそこから勉強して12月に645点を取れました。4年3月までに700点を取ろうと考えていたのでいい調子だと思いながら続けていたら、そこから伸びなかったので645点で出すことになってしまいました。4年前期に1回も受けなかったのでそこでもっと勉強して受けとけばよかったと思っています。TOEICはさっさと終わらせたほうが絶対いいので早めに対策しよう。

使用教材
  • abceed
  • 金フレ
  • でる千

単語を覚えるのが嫌だったので文法をずっとやっていましたが、単語を優先的に勉強した方が点数取れると思います。

専門科目

小論文

小論文は自信があったので5年7月から対策を始めました。ネタは令和7年版国土交通白書を読んで集め、過去問3年分を書いて練習しました。1本は高専の先生に添削をしてもらいました。

過去問

5年6月ごろからはほとんど過去問を解いて対策していました。すべての問題を完答できるように周回していました。海洋政策科学部の分も含めて合計で約111時間していました。

試験当日

試験内容

数学(90分)

行列とフィボナッチ数列、固有値関係の問題、陰関数の極値、重積分でした。過去問4年ぶんより難化していると感じました。体感4~6割でした。

物理(60分)

斜面での小球の動きの問題と、回転する極板の小問と媒質の境界面への入射の小問を集合した問題大問1問ずつでした。全体的に難化していると感じました。特に最後の媒質の境界面への入射の問題が、そこをほとんど勉強していなかったため、わかりませんでした。体感6~8割でした。

小論文(90分)

「今後のインフラ維持のために必要な施策を市民工学の観点から1200字で述べよ」的な問題だったと思います。似たようなものが一昨年にも出ていたので、練習の時に書いたものとほとんど同じことを書きました。9~10割は取れていると思います。

面接

対策

5年7月から始めました。研究室の先生、学科長の先生、1,2年の時の担任の先生に計4回面接練習をしてもらいました。また、面接で聞かれそうな志望理由、高専で力を入れて取り組んだこと、将来の進路、長所短所、自分の卒業研究の内容、最近のニュースなどはあらかじめ準備していました。また、私の場合は大学でやりたいことが京都大学でもできることだったので、神戸大学でないといけない理由はしっかりと考えていました。

当日

面接は一人ずつ順番に行いました。時間は計測され、一人5分です。面接官は6人+1人(ドアを開けたり、時間を計測する人)の7人でした。全体的に穏やかな雰囲気で進みました。聞かれた内容は次の通りです。

・志望理由
・ほかの大学の併願状況、第一志望

このあとから口頭試問が始まりました。私が知っていた中では最新の体験記(4年前)などには面接は普通の面接対策と自分の研究内容を答えられるようにした方がいいと書かれていたので、そこを重点的にしていました。しかし、今年からかはわかりませんが専門科目の質問に変わったようです。

口頭試問では構造力学、地盤工学、水理学から1問ずつ出題されました。内容は、
・トラス構造についての説明
・東日本大震災や阪神淡路大震災などの地震によって発生する土質力学的な災害
・マニングの粗度係数や水路勾配を用いて表せる流速公式と、その適用範囲
の3つでした。

私は専門教科を聞かれるような口頭試問や試験がある大学を受けていなかったので全く勉強していませんでした。そのため、トラスと地盤関係の災害は完璧ではありませんがまだ答えられましたが、マニングの流速公式は答えられなかったので、正直落ちたと思いました。

最後に、「京都大学でもできるがなぜ神戸大学なのか」と聞かれ、用意していたのでうまく答えることができたと思います。

後輩に伝えたいこと

過去問は6月に更新されるので、今のうちにダウンロードしておくと3年分+今年の分手に入るので4年分解くことができるようになるのでおすすめです。過去問はあればあるほどいいと思います。特に物理は参考書が少ないので、たくさん過去問があればあるだけとても助かると思います。

神戸大学工学部は他大学と比べて編入試験が遅いので、なるべく早く編入試験が終わった周りの人に流されないようにしましょう。また、多くの場合併願校を先に受けることになり、その合否でその後のメンタルがだいぶ変わるので併願校選びは特に重要です。

体験記ではTOEICは700点以上ないと厳しいとよく言われますが、600点台の私でも受かったので700点台に乗らなくてもあきらめず頑張ってほしいです。(もちろんTOEIC700点以上あった方がいいですが)

長文ですが最後まで読んでいただきありがとうございます。この体験記が皆さんの編入対策の一助となれば幸いです。

オススメの参考書

教科別のところに書いたのでそこを参照してください。ただ、電磁気学に関しては、今は絶版となり入手困難ですが「弱点克服大学生の電磁気学」の方がもっと理解が深まるのではと思いました。マセマだけでは物足りないと思います。