編入体験談

2025年:東京海洋大学 海洋工学部 海洋電子機械工学科 機関システム工学コース

自己紹介

名前:大都会狭間
出身高専:東京高専 機械工学科
学科順位:3年次:9位 4年次:8位
受験年:2024
受験大学(受験科目):受験大学:東京海洋大学 海洋工学部 海洋電子機械工学科 機関システム工学コース(2年次編入)推薦 受験科目:小論文・面接
併願大学:長岡技術科学大学、東京農工大学
部活や資格:部活:硬式テニス部 資格:TOEIC735点

なぜ編入をしようと思ったか

4年次のインターンシップを経て学位の重要さに気づき、また、志望業界(空運)の求人票に記載されていた初任給の金額に落胆し、編入学を志すようになった。

航空整備士に憧れ高専へ入学したが、インターンシップで造船所に赴き、船のダイナミックさに圧倒されたことをきっかけに、海運業界に興味を持った。業界研究を重ねるたび、インフラのインフラであることによる業界の安定性、様々な機器を搭載し船の中で一つの「村」を形成していること、コロナ禍による海運バブル等を知り、俄然興味が増した。

その中で、船に乗船し、世界中の国々を巡りながら、様々な機器を保守整備する「機関士」という職業に最も惹かれ、それを目指すためには東京海洋大学か神戸大学への編入学という選択肢が最も近道であることを知った。自身は都内在住であるので、東京海洋大学への編入学を決めた。

学年ごとの勉強内容

1~3年

特に編入学は意識せず、毎定期考査では1週間前から勉強に励むよう心掛けた。手が回らない科目については前日勉強でこなしていた。
我々の代は新2年生の時にコロナにぶち当たったので、その後2年間は部活動についてもそこまで熱中することはできなかった。

3年の12月に高専にて初めてTOEIC(ただしIP)を受験する機会があり、スコアは415点だった。クラスの中でも真ん中くらいのスコアだった記憶がある。

4年前期

まだ編入学するか決めていなかったが、TOEICが後々重要になるのは明白だったので、スタサプTOEICを1年間契約して自主的に取り組み始めた。毎日2時間、大体21~23時の間に取り組んでいた。三日坊主になるのではと危惧していたが、中学英文法も身に付いていないことに気づいたという危機感と、猛烈な催促通知によってかろうじて継続できた。

夏休みごろから意識高い系の人たちが一気に編入学の勉強を始めたので焦った。ちなみに、ここから勉強していた周りの同期は漏れず難関大学に合格していた。とりあえず徹底研究と過去問特訓を購入し、ぼちぼち解いていた。インターンシップにアルバイト、部活動と、てんこ盛りの夏休みだったので大した勉強量は確保できていなかった。

4年後期

スタサプ効果もあり、9月に受けた初めての公開テストで620点を取得した。調子に乗ってスコアを大っぴらにしていたら、続々と700点を超える同期が現れ、少し恥ずかしい思いをした。それを原動力に、より力を入れて勉強すると12月に735点を取得した。最終的にはこのスコアを受験大学へ提出した。

10月くらいに東京海洋大学を第一志望に決めた。当時はまだ編入学をよくわかっていなかったので、すべり止めは長岡技科大や豊橋技科大、専攻科等を考えていた。

東京海洋大学ではTOEICスコア提出時、L&Rに加えてS&Wを受験する必要があったので、S&Wについても2月に受験した。スコアは50%ほどだったと思う。後々そんなに重要にならなかったので、深刻に感じていた記憶はない。

私の場合、受験勉強と言える勉強量を確保できたのは、5年生に上がる春休みのみである。1日多くても8時間ほど取り組んでいた。徹底研究、過去問特訓、電磁気学演習、大学生の力学を各冊2周ほどしたと記憶している。

5年前期

平日は各参考書の周回を継続しながら、週末に受験大学の過去問を解く生活を続けた。また、小論文対策をする必要があったので、過去問を同じ試験時間で解いた後、仲が良かった国語の先生に添削を依頼した。専門的な内容については卒研の指導教員に見てもらった。面接対策についても同様に指導教員に依頼した。

試験当日

試験内容

小論文

詳しくは過去問を参照されたいが、1問目が石油ストーブ、電気ストーブ、エアコン等々を運転した際における環境負荷の考察、2問目が代替燃料についてのメリット・デメリットを各問400文字以内で述べるものだった。内容的にもそこまで難しいものではないので、解答の良し悪しをつけるというよりは正しい日本語表現を時間内にできるかを試されている試験だったと感じる。他学科と同じ教室で受験したため、隣で受けている学生と問題が違い、少し違和感があった。

面接

学生1人に対して教授陣が3人だった。1号館というドラマでも使われるような重厚な建物の会議室で行われるので、厳かな雰囲気である。基本的に推薦試験の面接は、来年どんな編入学生が入ってくるか、教授陣が確認する為だけのフェーズなので、質問に対してまともな受け答えができていれば合否に関わることはないと感じた。

私の場合、2年次編入であったので、志望動機やガクチカ、高専時代の経験、それを大学でどう活かすのか等に加えて、乗船実習に耐えれるか、機関士を目指すのか等を聞かれた。

後輩に伝えたいこと

東京海洋大学海洋電子機械工学科への編入学は、普通高専であれば大きく分けて二つある。機関士を目指す2年次編入と、大学院進学または学部就職を目指す3年次編入である。

2年次編入は高専同期と比べて1年遅れてしまうというデメリットはあるが、その分編入学後の単位取得に余裕があり、機械工学科出身であれば受けたことがある授業をもう一度受けることになるので(人生2周目のよう)好成績・高GPAを狙うことができる。そして、最大のメリットは外航船の機関士を目指せることである。外航船員は航海士、機関士合わせて国内に2000人程しかおらず希少性が極めて高い。それは、外航船員を養成できる機関が本学や神戸大、水産大学校、海技大学校、商船高専等と限られているためである。それ以外で外航船員になるには、大手海運会社の自社養成コースにエントリーし入社するほかなく、その倍率は驚くほど高い。また、機関士を目指す過程で1か月から3か月の乗船実習に取り組み、日本各地を寄港しながら船のイロハを学ぶことができるので単純に楽しい。その後、機関士となれば、船内ではボイラーや主機、発電機等の機器を一挙に整備することができるが、陸上であればそれらの機器一つ一つに整備資格が必要なので、機関士となり、エンジニアとして様々な機械に精通できる点も魅力である。就活の際は高専から機関士を目指して本学科へ編入学したという事実が強みになるので、心配する必要はない。また就活をして分かったことだが、前述したように少数精鋭の業界であるので、入社面接をした役員が大学の先輩であったということが往々にしてあることも面白いと感じる部分である。話が脱線したが、とにもかくにも機械、電気、電子系出身で機械いじりは好きだが、メーカーに勤めて仕事をしているビジョンが見えない学生にはとてもおすすめな編入方法である。もちろん、他業界も志望することができ、院進も可能である。

3年次編入は機関士を目指すことはできない。本学科の特性上、学部就職と院進が半々なので編入学しても学部で就職する人も少なくない。専ら造船会社や舶用プラントメーカー、重工系に強い。他大工学部では行けないような部門にも門が開かれていることがある。しかしながら本学の単位認定制度がシブいため(自分で担当教員に単位認定を申請する必要がある)、3年後期になってもさながら大学1年のようなパンパンな履修計画となっており、就活と並行するのは至難の業である。また、2年次編入のように乗船自習を通しての同期との交流はないので、他大での編入学同様、編入学生以外との交流を持ちたい場合は部活動やサークルに入部する等、自分で動く必要がある。

自身が2年次編入学したこともあり、2年次編入偏重気味になってしまったことは否めないが、全体を通して言えば、こんなにも都心にあり(就活の時に便利)、船のことをとことん学べる学科(詳細はシラバスを参照)は本学科以外にない。また、皆落ち着いた性格であるので過ごしやすいと個人的に感じている。ちなみに、都内でそこまで難易度の高くない国立理系ということもあり、浪人生が多い。多いというか学年によっては半分近くいることもある。そのため、2年次編入の私でも疎外感なく過ごすことができている。

他学科については、海事システム工学科については航海士を目指すイメージ、流通情報工学科については物流をITで学ぶイメージである。航海士は船乗りの花形であるのでその分ライバルも多い。また、物流と一言で言っても様々な分野があるので、就活軸によっては大手SIerや大手商社も目指せなくはない。

グダグダと書いてしまったが、普通の工学部ではまず経験できないようなことができる学部である。ぜひ編入学を検討してみてほしい。

編入学時のアドバイスとしては、すべり止めに技科大のどちらかを一般受験することである。しっかりと勉強したら必ず門を開いてくれる優しい大学で、これらを受けずに後悔している同期もいたのでこちらもぜひ検討してほしい。

オススメの参考書

ビジュアルでわかる船と海運のはなし(拓海広志著)

小論文対策に用いた本。海運業界の基本は大体この本で学んだ。