編入体験談

2024年:神戸大学 工学部 電気電子工学科

自己紹介

名前:たかげん
出身高専:有明高専 創造工学科エネルギーコース
学科順位:工業高校からの4年次編入生です。4年次2位/33人 
受験年:2024
受験大学(受験科目):神戸大学工学部電気電子工学科
併願大学:岡山大学工学部エネルギー・エレクトロニクスコース(合格)熊本大学工学部情報電気工学科電気工学教育プログラム(合格)
部活や資格:高校在籍時 硬式野球部 英検2級 第二種電気工事士 危険物乙四 その他etc… 高専4年6月TOEIC755点
Instagram:takagen00

学年ごとの勉強内容

1~3年

中学の頃から英検をちょこちょこ受けていたので高1で英検準二級、高2で英検二級を取得しました。後は工業高校生らしく電気工事士や危険物などの資格を取りましたが、この後の高専受験までは、普通校で受験勉強をしている同級生たちを横目に、高校野球に励む日々でした。

高校3年生になってやっとここで進路を考え始める時期となり、私は高校3年間で工学をまともに学べてないと思ったことや大卒の資格が欲しいと思ったことから進学を考え始めましたが、工業高校のカリキュラム上、一般科目の勉強を3年間ほとんどやってなかったので、大学受験は絶望的でした(数学も物理も何も分からない、というか全く知らない)。

そんな中頭を抱えていると、高校から高専に編入できるという制度があり、さらに高専に入ってしまえば卒業後は国立大等に編入を目指せるということを知り、「ある程度の有名大に行くにはこれしかない!!!」と思い、まずは高専への編入を決意しました。

そこから高専への編入受験に向けて動き出し、僕は入試の形態的に受験しやすい有明高専に編入することを決めました。僕が受験したのは工業高校型推薦選抜というもので、面接試験のみでしたが、私の高校から高専へ編入する人は過去にほぼおらず、学校に情報がほとんど無かった為、まずはとにかく色々な所から情報を集めまくりました。行なった事としては学校にあった過去の進学者の受験報告書を大学などを含めて全て見て、入試ではどんな質問がされるのかをリスト化し、それを基に先生方に頼み込んで面接練習を計20回行なって貰いました。また口頭試問対策として有明高専の学力型編入試験の過去問を先生と一緒に解いてみたり高校で使っていた電気の教科書を読み込んで頭に叩き込みました。あとは西日本のほぼ全ての高専の募集要項を見て併願校を考えたり、少しでも有明高専のことを知るために有明高専が主催するラジオを聞いてみたりもしました。

これらの対策を行い7月頃に高専の編入試験が行われました。試験内容は以下のような内容でした。(教授3人、生徒1人)

一人目の面接官(真ん中に座っていた)

  • 志望動機→再生可能エネルギーの話を中心に話した
  • (志望動機の深堀りで)注目している再生可能エネルギー
  • 好きな教科
  • アドミッションポリシー言える?(ちなみにこれは過去の受験報告書を見てどの高専でも必ず聞かれていたのでこれは絶対暗記するべき)
  • 勉強以外で何したいか
  • 野球は続けるか→余裕があったら


二人目の面接官(右側に座っていた)

  • いままでに失敗した経験は?
  • どのように再生可能エネルギーに興味を持ったか
  • (提出した調査書より)友人の間ではどのような立ち位置か?

三人目の面接官(左側に座っていた)

  • (高校時代に取得した)英検について
  • どのようにとってきたか(いつ、何級、勉強方法)、リスニングの勉強法

↓ここから口頭試問
二人目の面接官より「それでは電気に関する質問を2問ほど行います」

  • 「キルヒホッフの法則について説明してください」
    • →電圧測、電流測についてそれぞれ説明した
  • 「直線状導体に発生する磁界は?」
    • →右ねじの法則によって表される向きと答えた

ここでかなりスムーズに答えることができたためか、興味本位で真ん中の面接官がアドリブで追加の質問をしてきた。

  • ある点から距離R離れた所の磁界はどうやって求める?→(少し焦りつつ)「ビオ・サバールの法則により求められます」
    • →ではその式を後ろのホワイトボードに書いてください。
    • →そんなの覚えてねえよ、と思いつつ博打でI/2πRと書いた。合ってたみたいでよかった。
  • 円形コイルの場合は?→NI/2Rと書いた。

口頭試問 終

最後に自己PRを1,2分ほどでお願いします。→自分の長所などを絡めつつ話した。
これで試験は終わりました。

8月頃通知が来て合格してました。嬉しいと共にやっとスタート地点に立てたと思いました。工業高校から高専編入を目指す後輩たちに向けてアドバイスをすると、高専編入は大学編入よりさらに情報が少ないのでとにかく自分から動き出して情報を集めることが大事です。私が入った有明高専の推薦入試は残念ながら去年から廃止されましたが、他の高専でも面接や口頭試問のみの試験のところはあったので、全国各地のいろいろな高専の募集要項を読み漁れば入り易い高専を見つける事もできると思います。また、高専への学力での編入試験も大学入試と比べると比較的易しいので、各高専で公開されている過去問などを基に学校の先生の協力なども受けながら対策を進めていけば大丈夫です。また大半の人が就職する工業高校の中で、自らの勉強したり情報を集めたりするのはなかなかきついかもしれませんがそこは周りに流されること無く頑張ってやり抜いてください。ここで努力する力をつけることができればここから先の大学への編入試験に大いに役立つと思われます。

8月に合格通知書と共に有明高専で使用されている1~3年の数学の教科書が送られてきました。つまり「工業高校と国立高専ではあまりにも学力のギャップがあるから入学するまでにこの教科書で自習してギャップを埋めて来いよ( `ー´)ノ」とのことでした。最初は1年の教科書に書いてあることすら全然分からなくて、高専生は1年からこんなことやってんのか,,,と思いながらなかなか苦戦しましたが、昼休みや学校が終わってから数学の先生と一緒に勉強して少しずつ教科書を進めていき、高校卒業時にはなんとか3年生の教科書の分まで勉強を終わらせることができました。使用したノートは7冊くらいです。(基本的な関数の学習(三角、指数、対数)から初歩、標準程度の微積、複素数平面、ベクトル、行列(掃き出し法,rank,対角化あたりまでなどを勉強しました)

また、この頃から高専に入学したらTOEICを受けようと考えていたので高校の先生からプレゼントして頂いた「出る単特急銀のフレーズ」を使ってちょこちょこ単語を勉強したり、「はじめて受けるTOEIC L&Rテスト全パート完全攻略」という赤い参考書で勉強してTOEIC全体の雰囲気を掴んだりしてました。しかし勉強以外にも、高専に合格してからはバイトを始めたり部活のチームメイトや同級生と遊んだり、体育祭を頑張ったりと充実した高校生活を送り(恋愛以外)、無事に春に高校を卒業することが出来ました。

4年前期

いよいよ高専生活が始まりました。僕は高専の寮に入ったのですが、高専に入ったら既に完成された人間関係の中にうまく入っていかないといけないのでちゃんと友達できるかなあ,,,といった不安がありました。でも僕の高専の人は皆すごい良い人で、寮ではすぐに友達が出来てその友達をきっかけにすぐにクラスメートとも仲良くなれてとても嬉しかったです。また寮の相部屋の子も編入志望だったので同じ志を持った仲間ができて良かったです(彼とは今後共に切磋琢磨しながら編入試験を戦っていきます)。また僕のクラスには同じような工業高校からの編入生が僕のほかに4人もいたのでそれもすごく心強かったです。しかし周りの高専生は振る舞いや雰囲気からすごく優秀に見えたので、やはりレベルの高いところにこれたなぁと感じ自分の良い刺激となりました。

僕はこの頃は志望校がまだ確定していなかったので推薦を使う可能性も考えて成績上位を取るつもりでいましたが、やはり高校と比べると授業のレベルは上がっており、周りも4年次の成績は重要なのを分かっていたのでかなり厳しい戦いになるだろうなと思いました。

でも、頑張れば授業の内容も手も足も出ないようなレベルではなかったので日々の授業を大切にして勉強していました。編入に向けてもこの入学時から動き出し、まずはどの大学でも使うであろうTOEICから勉強を始めました。高専編入前に見た九州大学に編入したyoutuberの方が4年の7月までにTOEICは700点とるのが良いと言っていたのを思い出したのでそれを当分の目標に勉強しました。とりあえず1回目までは高校からやってきた勉強を続けてやって、5月に初めて受けたTOEICは665点でした。一回目にしてはまずまずの点数が取れたと思ったので、ここからは「出る単特急 金のフレーズ」も購入しさらに単語力の強化に努めました。また「公式問題集vol.8(紫色のやつ)」にも取り組み始めました。

これらの勉強法ですが単語帳の方は夜寝る前に「abceed」というアプリで英単語の音声を流しながら自分も後から発音し、自分で決めた分だけ一周(80~100語程度)して、その後赤シートで単語を隠して2週目に入り、覚えた英単語を発音しました。その際意味がパッと出てこなかったり、正しく発音できなかった単語にチェックを付け、その後チェックがついた単語のみ1週目と同じことをしていき自分で決めた範囲の英単語を完璧にし、次の日の朝一番に昨日の晩覚えた英単語を一周して復習するという勉強を行いました。一方、公式問題集の方はパートごとにかかった時間を計測しながら解いたりしていました。だいたい120分で190問くらい解き終わるくらいの早さでした。模試が終わったあとは出てきた問題文の中で分からなかった英単語や英語表現を問題ごとに分けて解き直しを行いました。またリスニング力強化のために公式問題集の音声を使ってシャドーイングにも取り組みました。シャドーイングのやり方はググったら出てくると思います。vol8のTEST1の音声はすべて問題文を読まずに言えるようになるくらいに徹底的に取り組みました。後は「文法特急」を使ってpart5,6の対策を行なっていました。金フレによる単語力の強化と公式問題集による時間配分やリスニング力強化によって、6月のTOEICでは755点を取ることができ、目標だった7月までに700点を達成することが出来たのでこれでTOEICの勉強は終了しました。そしてこの間に学校の定期試験がありここでは3位になることが出来ました。周りと学力の差が多少あった状態での勉強は大変でしたが、高専でも自分はやっていける、と自信がついたので嬉しかったです。

TOEICと前期試験を終えた後からようやく本格的に受験勉強を開始しました。まずは編入受験生御用達の「編入数学徹底研究」を使って数学の勉強を始めました。1周目は本当に分からなくて編入系youtuberの「onemin((わんみん)」さんの解説動画を見ながら編入数学を少しずつ勉強していきました。今4年生で徹底研究を始めて解いている人で難易度に絶望している人は多いと思いますが、僕も含め,始めはみんなそうなので安心してください。他の受験生も全員言ってます。ちなみに解いたのは例題と類題のみです。章末問題は難しすぎて飛ばしました。徹底研究を少し触り始めた後、マセマシリーズの線形代数を読みました。この本をメモを取りながら読んだことで編入範囲の線形代数をかなり一気に理解できるようになったのでおすすめです。ちなみに最後のジョルダン標準形の範囲は編入試験に出ないと思ったので読んでいませんが行列の三角化などに絡んでくる部分があると思うので読んだほうがいいと思います(三角化はたまに編入試験に出てくる)。

その後はひたすら徹底研究に取り組みました。しかしまだこの時(6~8月)は普通に友達と遊びに行ったりしていて、心に余裕があった時期でした。

8月からはstudyplusというアプリをインストールし勉強時間の記録を付け始めました。自分の勉強時間の記録を付けてどのくらい勉強しているのかが可視化されていくのが楽しく、勉強の大きなモチベーションとなりました。またここで知り合った高専生に編入受験生が集まるdiscordに招待していただき、そこで全国の東大、東工大志望をはじめとするツワモノ受験生と出会い、彼らと自分との圧倒的な差を実感しました。僕が勉強を始めた時期は4年の夏と決して遅くはありませんでしたが、さすが生え抜きの高専生は議論している問題の内容や志望校の話などのレベルが段違いに高く、こんな人たちと本番戦うのか,,,と軽く絶望しましたが、高校時代には想像もできなかったこんなハイレベルな場で勝負ができるという事に逆に自分は燃えました。その後彼らとは、グループを通じて分からない問題を教えて頂いたり様々な有益な情報を共有して頂いたりして、受験までの大きな助けとなりました。グループの皆さん、本当にありがとうございました!!

この頃の僕の志望校はある程度良い大学かつTOEICが使えて試験科目が有利なところという点で神戸大学(工)か筑波大学(工学システム)あたりに行けたらいいなと思うようになったので、このあたりの難易度の大学を目指す人はこの時期から勉強を始めないといけないと思います。あとはなんとなく阪大と九大の過去問を学生課に請求してみたりしました(請求しただけ)。

編入受験には模試や予備校などがほとんど存在せず、受験者も少ないことから孤独な戦いを強いられるので、studyplusやdisccordなどをはじめとする勉強用SNSを活用することは非常に大切なことだと思います。編入試験は情報戦とも言われるように、自分の客観的な立ち位置を知り有益な情報を仕入れるためにもこの情報化社会をうまく活用しましょう。ここから各月の勉強時間を書いていきます。

8月の勉強時間 20h53m

4年後期

9月

徹底研究をごりごり進めていました。

9月の勉強時間 55h30m

10月

10月7日の夜にようやく徹底研究を1周することが出来たので、2周目に入りました。この時の僕は志望校をどこにするのかをまだ決めていなかったのでとりあえず全範囲やっていましたが、大学によっては出ない範囲もあるので、志望校がもう定まっている人は募集要項や過去問などをみてやる範囲を絞りましょう。でもこの時期はまだ志望校を決めきれてない人も多いと思うので僕のようにとりあえず一周するのもいいと思います。またこの時は文化祭が迫っていたのでそっちにも力を入れていました。

10月の勉強時間 29h8m

11月

後期中間の定期テストに力を入れていました。2週間の試験勉強のおかげで後期中間のみクラス1位を取ることが出来ました。編入勉強はあまりこの月はできませんでした。

11月の勉強時間 4h21m

12月

物理は冬から開始しようと考えていたので後期中間テストが終わったタイミングで物理を開始しました。図書館で「大学生の初等力学」を購入してもらいこれを借りて力学を勉強し始めました。しかし力学の知識が全くないにもかかわらずこの本をやったのは間違いでした。1週目は結果的にただ参考書に書いてある内容をノートにひたすら写していくだけのようになってしまって、進めるのにえらい時間がかかったので物理の知識がない人はまず初めに教科書を読むのをおすすめします。徹底研究は引き続き勉強していました。

12月の勉強時間 60h32m

1月

初等力学が全く分からなかったため、寮の相部屋の子から高校物理の教科書を借りて読み始めました。ここで初めて物理を少しずつ理解できるようになりました。正月明けからは正月休みの遅れを取り返すために一日の勉強時間をさらに増やして、徹底研究と初等力学、物理の教科書読みを並行して毎日継続して勉強しました。平均8時間ほどです。中旬からは後期期末テストの2週間前となっていたため編入勉強を中断し、試験勉強に集中しました。

1月の勉強時間(定期試験勉強を含む)151h21m

2月

2月頭に期末テストがありました。このテストで総合成績が決まるため気合を入れてテスト期間3週間頑張りましたが、クラスで2位という結果に終わりました。クラス1位を取ることが出来たら推薦で九大を受けようとしていましたが、取れなかった為志望校を神戸大学に決め併願校として岡山大学と熊本大学を受験することに決めました。
(席次的には千葉大学や熊本大学などを推薦で受けることもできましたが)

筑波大学も試験科目は被っていましたが数学で複素関数を勉強し直すのが嫌だったので諦めました。

後期期末テストが終わったタイミングから「編入数学過去問特訓」に取り組み始めました。初めは章の例題のみを解いていき、一通り解き終わったらまずは各章のA問題を解きました。またここから手を付けていなかった電磁気学も始めようと思い「単位が取れる電磁気学ノート」を読み始めました。

初学者の方にはこの本はとてもお勧めで、難解な電磁気がとても面白い文章で書かれており、非常に楽しく読み進めることが出来ました。特に電場と電位の説明の部分や「磁力の正体は電子が動くことによるクーロン力の相対論的な補正である」という所などが僕はすごく面白いと感じました。この間にも初等力学も進めていました。2月の終わりのほうから神戸大の数学を時間を計って解いたりしていましたがいざ解いてみると案外解けなくて危機感を感じました。

2月の勉強時間 140h5m

3月

春休みが始まりました。物理の教科書読みが終了したので「物理のエッセンス(赤)」に取り組み、ここで力学の基礎を初めて習得できました。自分は2周この参考書を解いたのですが、物理のエッセンスは薄い分周回しやすい参考書だと思うので最低2周、できれば3、4周するとものすごく力がつくと思います。自分は2周しかしていませんがあともう1周してればかなり力学が得意になると思いました。数学は過去問特訓などに取り組んでいるときにまだまだ基礎力が足りていないと感じ、大急ぎで徹底研究をもう一周しました。そこからしばらくはエッセンスと徹底研究を交互に回していて、中旬からはそれに加え単位が取れる電磁気学ノートの姉妹本である「単位が取れる電磁気学演習帳」で電磁気学を勉強しましたが、編入試験では出にくい問題が多かったのであまり使いませんでした。その後「物理のエッセンス(青)」で電磁気を勉強しようとしましたが自分にはあまり合わず、こちらは2/3ほど勉強しただけで1周できませんでした。ですがこの本は自分に合わなかったというだけなので全然この本でも編入の電磁気の基礎は勉強できると思います。その後は編入物理がうまくまとめてある勉強セットを手に入れることに成功したためこれをひたすら解き始め、物理の問題を解く力がしっかり付き始めてきました。この勉強セットのおかげではじめて物理の問題が解けるようになり、過去問などの意味を理解できるようになりました。春休みはほぼ毎日図書館の自習室に通って勉強したので、この春休みで追い込むことが出来たのはだいぶ大きかったです。

3月の勉強時間 239h34m

5年前期

5年生になりついに受験年度となりました。ここからは全ての授業を全く聞かず内職をし、クラスメートや先生からのたくさんの支援や応援を受けながら受験に向けて勉強する日々が始まりました。

4月

過去問特訓・初等力学・物理の問題集・様々な大学の過去問に取り組みました。過去問特訓では一日に解く問題を設定してそれを高速周回し2週間ほどで1,2,4,5,6章のA,B問題を3周しました。これをやったことで数学は一気に伸びました。初等力学と物理の問題集は春休みから継続して周回していました。またネット上で大量の大学の過去問を入手することに成功したのでこのあたりからいろいろな大学の過去問を解きまくりました。ある程度力がついたら早めに過去問を解きまくるのをお勧めします。前は解けなかった・意味の分からなかった問題達がすらすらと解けるようになってるはずです。こういう時に一番自分の成長を感じることができ、とても楽しいです。

4月の勉強時間 194h42m

5月

岡山大学の試験が近づいていたのでそれに向けた対策を行なっていました。
岡山大学の試験は面接だけであり、英語・数学・物理の口頭試問があります。それぞれの教科ごとに行った対策を書いていきます。

数学

口頭試問では過去問が存在しないので対策が難しかったのですが、そこまで難解な問題は問われないと思ったので高専の数学の教科書の例題を解いたりして基本的な問題を多く解いていました。しかし今思えば、この時期までにある程度数学が固められているのであれば、岡大の数学レベルの問題は普通に解けるはずなので取り組む問題のレベルは下げず、第一志望レベルの数学の問題を解き、たまに基本的な所を解いていく感じで良いと思われます。あまりにも簡単な問題ばかりを解いていると第一志望校の入試前になって難しい問題に取り組むときに難易度の差にひるむことになりかねません。

物理

様々な大学の過去問を解いて物理の実力をつけていきました。また本番ではいつもとは違いホワイトボードに解きながら説明するということが求められるので、研究室の先生からホワイトボードを借り、問題をホワイトボードに解きながら目の前に面接官がいると想定しながら説明していくというのを一人で部屋で永遠と行なっていました。

英語

岡山大学のみ英語の試験があるのでTOEIC受験で使っていた参考書やノートなどを見返して忘れていたところを思い出しつつ、「工業英検3級」の対策本を使って工学系の英単語などに慣れ親しんだりしていました。TOEICで英語の地肩をつけることができていたのは大きかったです。

・・実はこの時から順調に勉強に取り組めていた今までとは一変し、受験勉強への疲れと入試に対する不安からメンタルが崩壊し、受験生生活で一番きつい時期となっていました。毎朝起きると頭痛がして、地獄のような日々が続きました。精神科にも一度行ったし、勉強にはあまり手がつかないことが多くなり、ストレスからかクラスメートから心配されるくらい痩せたりもしました。実家に帰って親に図書館に連れて行ってもらっても図書館で動悸が起き勉強が出来なくなって迎えに来てもらったこともありました。
 
しかし勉強しないわけにはいけないので、しんどいながらもなんとか勉強を継続させ、受験が近づいている岡山大学への対策を行いました。

5月の勉強時間 187h56m

6月

上に書いてあるような対策を継続させ岡大の試験まで勉強していました。試験直前はこれまでに使った参考書やノートの見直しと面接対策として自分のことについての整理や岡山大学の特徴、行きたい研究室について調べていました。定期試験は周りのクラスメートの助けを借りながら最低限の勉強だけしており、人生初の赤点もここで取りました。

6月17日に岡山大学の入試がありました。入試本番については岡山大学の僕の編入体験談に書いているので、そちらをご覧ください。

岡山大学の試験が終わってからはこれまであまりしてこなかった電気回路の勉強を急ピッチで進めました。まずは高専で使っていた電気回路の教科書を借りて電気回路の基礎を勉強し、そこから「基礎からの交流理論例題演習」という本をネットで購入し「詳解電気回路演習」と合わせて取り組みました。ある程度理解できた段階で熊大の過去問をはじめ様々な大学の電気回路の問題を解いていました。

数学は熊本大レベルなら解けると思ってあまり多くはやりませんでしたが、毎日少しは触れておいた方がいいです。その科目に全く触れない日を少しでも作ってしまうと問題を解く感覚(?)などがすぐ失われてしまい実力が大きく落ちてしまいます。毎日少しは触れておきましょう。熊本大学の電気回路は一般の編入試験の電気回路の問題と比べてすこし捻った問題が多く、今年はどんな問題が出るのかが全く読めず試験当日まで不安でしたが、この程度の勉強をしていれば十分受かる問題が出題されたので(かなり易化していました)、熊大はこのくらいできれば大丈夫です。この時期の数学学習は「大学編入の為の数学問題集」を使って解ける問題の数を増やしていったり、「数学の広場 碓氷軽井沢IC数学教育研究所」というサイトに熊本大学をはじめ様々な大学の編入試験過去問が大量に公開されていたのでそれを解いていました。このサイトは本当におすすめです。 また熊本大学は面接の参考資料として、志望理由や大学で何をしたいのかを1000文字程度で書く自己申告書というものを作らないといけなかったので、大学のことを調べながら作文は学校の国語の先生と一緒に作っていました。

6月の勉強時間 142h13m

7月

7月8日に熊本大学の受験がありました。この受験に関しても熊本大学の僕の編入体験談に書いてあるのでそちらをご覧ください。熊大入試の二日後岡山大学の合格発表があり、寮で友達と見ました。正直あまり自信はありませんでしたが自分の番号があって寮中に響くほどの叫び声をあげました。そこから神大受験までの40日余りは、落ちても併願大に行けて勉強すればするほど第一志望にいけるというノーリスクハイリターンのボーナスタイムと思って勉強していました。実際、併願大に受かってからの自分のメンタルは驚くほど安定していたので併願(滑り止め)校選びは本当に大事です。またその後に熊大の合格発表があり、無事に合格できていたので仮に神戸に落ちても進学先を選べる状況になったので嬉しかったです。

この時期に行なった勉強は過去問・過去問特訓の中で本番に出そうな問題(B・C問題)・大学編入の為の数学問題集・初等力学で自分が弱いと感じる問題・これまでの教材の復習などです。数学は15年分、物理は10年分ほどを時間を計りながら2~4周しました。HPに直近3年分が上がっていますが、URLのリンクを弄ることでそれより前の年度も実は少し見れたりします。あと勉強の合間にはよくランニングに行くようになりました。頭も冴えるしリフレッシュになってモチベも上がるのでおすすめです。

7月の勉強時間 245h18m

8月

7月に行っていたような勉強を継続させ、苦手な所を補うとともに試験直前はこれまでの教材の復習をしました。

ここで試験直前ですが、当たり前ですが手は動かし続けましょう。僕の失敗談として話しますが試験直前にもかかわらず今までのノートや参考書などをただ眺めて復習するのではいざ試験本番で問題を解く力(感覚?)が落ちる可能性があるので、復習であっても最後まで手は動かし続けることをおすすめします。

8月の勉強時間 190h8m

試験当日

試験内容

1日目(筆記試験)

数学(90分)満点 150点
  • 大問1 行列の実対角化可能性について 6割
  • 大問2 ベクトルの一次独立について 6割 徹底研究例題11-2がそのまま出た。
  • 大問3 2変数関数の極値 10割(1)は普通の極値問題。(2)はラグランジュ。
  • 大問4 重積分 9割(計算ミスしていなければ)

日頃からスピードをかなり意識して解いていたので時間には余裕がありました。すべての問題が分かったわけではありませんが15分ほどは余りました。
線形代数があまり分かりませんでしたが、分からないなりにもとにかく解答用紙は全て埋めたので部分点がかなり入ったと思います。多少めちゃくちゃなこと書いてもいいので分からなくてもとにかく回答欄は最後まで埋めましょう。

物理(60分)満点 100点
  • 力学 球がぶつかった後の運動 (10割)
  • 電磁気学 簡単な小問の集合(10割)

物理は易化していてよかったです。しかし簡単なテストほど文字の付け忘れなど細かいミスが本当に命取りとなるので時間が余ったら必ず見直しを何度も行いましょう。

電気回路(40分) 満点 50点
  • LR回路 6割
  • 過渡現象 6割

細かい計算ミスや回路方程式がうまく立てられなくて何故か一番出来が悪かったです。過去問を見ていただければ分かりますが10割取れてもおかしくない問題なだけに悔しかったです。完全に勉強不足だったと今になって思います。

2日目 口頭試問(という名の面接)

  • 志望動機
  • 単位認定次第では留年しやすくなるが大丈夫か
  • 高専の学科について
  • 卒業研究について
  • 併願校について
  • 終了(5分程度 タイムキーパーと思われる教授がベルを持っていた)

問われがちな試験の出来についてが聞かれなかったので不安でした

こうして長かった受験生活が終わり、試験終了後はその足で地元の友達と神戸観光とユニバへ向かい羽根を思いっきり伸ばしました。

そして9月、自分の受験番号を合格者発表に載せることが出来ました。
本当に僕を応援してくれたたくさんの人に感謝しかないです。
ありがとうございました。

面接

上に記載

後輩に伝えたいこと

教材は絶対に増やしすぎないでください。よく言われていますが必要最低限の教材を徹底的にやりこみましょう。教材を増やしすぎると結局どれをやればいいのかが分からなくなってしまって勉強に手がつかず時間を無駄にしてしまいます。教材の選択肢を狭めるためにも教材の数は必要最低限に絞りましょう。

MOROHA「革命」、GREEEEN「ビリーヴ」 聞いてみてください。受験期間で頑張っている貴方に最高に沁みます。

編入受験は孤独です。メンタルを病みすぎないように適度な息抜きと周りの仲間との繋がりを大切にして第一志望の合格を掴み取ってください。

過去問を時間に追われながら焦って解くことも大事ですが一問一問を丁寧にじっくり考えるのも大切です。試験が近づくにつれ焦りで前者だけになりがちですが、バランスよく取り組めることが理想です。逆に前者だけだと自分の力を落とすことに繋がるかも…?

編入試験を通じて僕は人生で一番勉強して高校時代には考えられないような大学に通えるようになりました。編入試験は夢がある試験です。この編入体験談が皆さんの夢実現の一助になれば幸いです。

オススメの参考書

使用した参考書
()内は累計学習時間(studyplusでの記録) 使用期間も掲載します

TOEIC

  • 銀のフレーズ 高校3年~4年5月
  • 金のフレーズ 4年5月~4年7月
  • 文法特急 4年5月から4年7月
  • 初めて受けるTOEIC L&Rテスト全パート完全攻略 高校3年~4年5月
  • 公式問題集(vol.7) 4年5月~4年7月
  • abceedの音声 4年5月~4年7月

数学

  • 編入数学徹底研究(258時間20分) 4年7月~5年8月
  • 編入数学過去問特訓(142時間14分) 4年2月~5年8月
  • 編入の微分積分徹底研究(29時間27分)5年4,7,8月
  • 大学編入の為の数学問題集(57時間)5年5月~8月
  • 数学/徹底演習(4時間6分)5年7月
  • 教科書など(90時間36分)主に5年5,6月

物理

  • 大学生の初等力学(123時間52分)4年12月~5年8月
  • 物理のエッセンス(赤)(72時間30分)4年2月~3月
  • 物理のエッセンス(青)(12時間56分)4年3月
  • 単位が取れる電磁気学ノート(17時間16分)4年2月~5年4月
  • 単位が取れる電磁気学演習帳(15時間36分)4年3月
  • 物理勉強セット(202時間17分)4年2月~5年8月

電気回路

  • 教科書(68時間30分)5年4月~5年8月
  • 詳解電気回路演習(8時間54分)5年4月~6月
  • 基礎からの交流理論例題演習(14時間13分)5年5~6月

さまざまな大学の過去問(331時間12分)4年2月~5年8月

ここからは大学編入の教材と解いた過去問などの感想について書いていきます。

基礎物理学演習と大学生の電磁気学は使っていないけど非常におすすめです。これを使ったらもっと効率よく編入物理を勉強できたと感じました。電磁気学のほうは編入試験で出てくる電磁気学がそのまま載っておりこれだけで電磁気の全範囲を効率よくカバーできます。特に基礎物理学演習は物理における徹底研究的な参考書の為マストで使っておいたほうがいいです。

大学編入のための数学問題集は解説がずば抜けて丁寧だからもっと初めから使ってもよかったです。線形空間の解説がしっかり載っているのも非常にgood。
微分積分の徹底研究、線形代数の徹底研究も編入数学のエキスパート桜井先生が執筆しているだけあって非常に解説が分かりやすい上に演習問題も豊富に乗っているのでしっかりと取り組めば非常に力になると思います。
ベクトル・行列・行列式徹底演習も使ってはいないがとても良いと聞きます。
数学徹底演習は問題量も多くいいと思いますが回答が途中式が載っていなかったりしてあまり丁寧ではないので上級者向けだと思います。

豊橋技科大の電磁気 回路は難易度が低くて取り組みやすい割に良問も比較的あります。また回答も公開されており非常に勉強しやすいです。おすすめ
京都大の物理は物理現象を定性的に理解できているかを問う問題が多く回答も記述式の問題が多いため自分の力試しや過去問を通じて物理を勉強する際にお勧めです。
和歌山大学(システム工学)の物理も回答が公開されており勉強しやすいです。

岐阜大の数学は試験時間が50分と短いため問題数が少なくて解きやすいが良い問題も割と多いためおすすめです。 

京都工芸繊維の数学は徹底研究に出てくるレベルの問題がほとんどを占めるので徹底研究が一通り終わった後に解きまくると徹底研究のいいアウトプットとなるので良いかと。
早稲田大学(理工)の数学は良い難易度の問題が多く神戸大レベルの受験者にはおすすめ。徹底研究には出てこない直交補空間や和空間関連の問題が多いのも嬉しいです。
金沢大の数学も標準的な問題から少し難しい問題も揃っています。
筑波大学の数学はかなり難しいが、このレベルの問題を他の編入受験生や先生と議論しながら解くことは自らの力を大きく成長させるのでお勧め。
工学システムや応用理工は計算力が問われる問題が多く、情報学類は少し情報寄りな問題が多い印象。ε-Δ論法を使った問題もありました。 
東工大の数学は問題の難易度自体はそこまで高くはないですが計算量がものすごく多い問題が多いです。しかし今年の東工大数学は激難化したようなので、満点が狙えるとまで言われていた東工大の数学はこれからは変わるかも?? 

岐阜大や山口大の電気回路は編入試験に出てくるスタンダードな問題が多く、多く解くことでいいトレーニングになると思いました。
熊本大の電気回路は一ひねりされた問題が多く思考力が多少必要。うざかった。
京都工芸繊維大の電気回路は長文の穴埋めのような問題形式になっていて、問題を通じて電気回路の理解を深めることが出来ると思います。