自己紹介
名前:じーさん
出身高専:某アクアライン高専 制御系の学科
学科順位:1年次:4/41位 2年次:9/45位 3年次:8/41位 4年次:6/37位 席次平均(1~4年):16.4%
受験年:2024年(2025年度編入学入試)
受験大学(受験科目):東京農工大学 工学部 生体医用システム工学科(推薦)
併願大学:東京農工大学 工学部 生体医用システム工学科(学力・未受験)、東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科・生体機械コース(学力・未受験)
部活や資格:写真部(幽霊部員)、TOEIC:610点
なぜ編入をしようと思ったか
高専在学中からうっすらと医療工学に興味があったので、国公立で医療工学をカリキュラムとして組み込んでおり、かつ自分の家から通学できる範囲内で大学を探した結果農工大を知りました。
学年ごとの勉強内容
1~3年
進路については一ミリも考えておらず、編入に関しては何もしてませんでした。ですが毎回の定期試験では、自分の向上心からなのか謎のプライドからなのかわかりませんが席次&点数を上げることに躍起になっており、進路に関係なく割と真面目に勉強していました。
4年前期
4月あたりまでは相変わらず何も考えておらず、ふわっと就職かな~みたいなノリでいました。そのため編入に出る、というか割とメインの電磁気の内容を学べる選択科目を面倒くさいからと見事に履修せず、後で独学で頭に叩き込むことになります。皆さんは将来を考えたうえでしっかり選択科目を選びましょう。場合によっては地獄を見ます。
5月あたりになってみんなが進路の話をするようになって内心焦ります。ここで友達にその席次で就職するのはもったいないと言われ、それもそうだなと思い大学編入に方向転換しました。ナイス友達。
このタイミングで興味のあった医療工学についてカリキュラムを設定もしくは研究を行っている大学をいくつか絞り込みました。この中に東京農工大学もあり、ここで自分が成績を何とか維持したのもあって農工大の推薦の基準(農工は1年から4年の席次の平均が20%以内ならOK)を満たしていることに気づきます。
こんな感じで農工を推薦で受けることを決め、その他併願大学も絞り込みました。ちなみにこの後(夏休み含め)ですが、進路の目標が固まったにも拘わらず一切勉強しませんでした。本当に編入を舐めていたと思います。
夏休み中は医療機器の開発メーカーのインターンに行きました。受験した学科が医療工学関連の分野なので推薦書の材料になったと思います。
また夏休み中の9月に農工大の研究室見学に行き、高専から編入した先輩方に推薦の口頭試問の内容や使った参考書、大学での単位振替のために高専で取っておいたほうがいい科目等の大変参考になるお話を聞くことができました。
なおこの時農工に推薦で編入した先輩とお話したのですが、高専在学中の席次がずっと1位だったことを聞きメンタルが崩壊しかけました。
4年後期
11月になりようやく勉強を始めましたが、併願の都立大の試験に必要なTOEICの勉強をしていました。農工大の学力試験の英語はTOEICの振り替えがないので、本命に関しては全く意味がありません。もっと早く受験していればよかったと後悔しました。
12月に入りやっとTOEICを受験しました。めちゃくちゃ遅いです。結果は415点で、大学の編入用にはだいぶ低い点数でした。しかし2月からの春休みに入り時間ができたことで短期集中で勉強で取り組みました。
ざっくりいうと「銀フレ(基礎ができてないので金フレには結局手を出していません)」を3周ほどし、「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」を1週間半で解ききることの2つを行いました。ちなみにリスニングは最後まで勉強方法がいまいちわからなかったので適当な参考書のリスニングの問題をとりあえずひたすらやるという感じでした。
その後2月の受験で610点に上げることができ、何とか都立大編入の必要最低限のスコアをとることができたのと、時間があまりなかったのでTOEICはここで終了としました。
ちなみに2月は課題研究の発表会があり、ここで優秀発表賞をとれたので推薦書の材料にしました。
3月から数学と電磁気の勉強を始めました。数学は基礎がボロボロだったのでまず「編入数学入門」から取り組み、一周したところで「編入数学徹底研究」に取り組みました。ベクトル空間や応用数学の内容は自分の受ける大学には出題されないので飛ばし、3月中には一周しました。
電磁気も授業を取っていないせいでボロボロだったのでマセマの「電磁気学キャンパス・ゼミ」と「演習 電磁気学キャンパス・ゼミ」で一から独学で勉強しました。
5年前期
新学期が始まり、友達と一緒に平日は学校に夜まで残り、休みの日は学校近くの自習室で朝9時から夜7時くらいまで勉強する日々でした。4月は「弱点克服 大学生の初等力学」を2周しました。また並行してマセマの電磁気もちょくちょく2,3週目を取り組んでいました。
またこの月は卒研を決めるタイミングでもあり、私は心拍や呼吸の生体計測に関するものをテーマにしました。もしかしたらこのことも合格の要因になったかもしれません。
5月は推薦試験の対策が主でした。もしかしたら電気回路が出るかもしれないと思い、電気電子工学科にかつて在籍していた先生が作成した問題集がとても評判が良かったのでそれを使って勉強していました。
面接対策として面接内容を研究室の先生に添削してもらったり、また口頭試問は募集要項に物理・電気電子工学のことを聞くと記載されていたため、電磁気、電気回路、電子回路について基礎的な部分を説明できるようにまとめいたりしていました。
ちなみに農工の学力の英語の勉強は5月になっても全然できていなかったのでかなり危なかったです。
試験当日
試験内容
流れとしては一人30分間で最初10分間面接、残りの20分で口頭試問という形でした。
口頭試問は力学の問題と電磁気の問題が2枚の紙にそれぞれ記載されて机の上に裏返して置いており、どちらから最初に解くかを聞かれました。
それぞれで持ち時間10分とし、最初の6分で解答用紙(ただの白紙)に出来るところまで問題を解き、残りの4分で自分の机の背後、試験官の正面に来るよう配置されたホワイトボードに出来たところまで解答をそのまま写し、試験官がその内容を見て解答の方法や、それに関連した知識について質問をしてきました。
そして残りの科目についてまた同じように10分間行うという方式でした。
力学の問題は単振動のcos波のグラフが描かれており、小問が3つありました。グラフから物体の変位を与えられた文字等を用いて表したり、運動方程式をたてて解を導いたりという内容でした。
電磁気は一様に分布した電荷密度の3次元空間について解くもので、小問が4つありました。
最初の「divEを与えられた文字で表せ」という問題で思ったより時間をかけてしまい焦りました。2問目は電場と電位の関係を表せというものでどう考えても「E = -gradΦ」やんこれと思い、ホワイトボードに公式だけ書きました。あまりにも簡単な問題だったので試験官から、「コメントある?(笑)」と言われました。当然無かったので「いや無いですね!(満面の笑み)」と元気よく答えてしまいました。何をしているんでしょうね。
結局電磁気は4問中2問しか解けませんでした。残りの2問の内容は全く覚えていません。
面接
控室は和やかな雰囲気で受験者同士で普通に会話していました。席次の探り合いが始まりそうでやんわりと制止しました。怖かったです。
面接の内容は、
- 志望動機
- 入りたい研究室
- 農工大は何番目か
- 併願大学
- 自己PR
を聞かれ、「簡潔に」答えるように言われました。なのでめちゃくちゃ内容盛りだくさんで話す、といったことはできませんでした。もしかしたら他にも一,二個質問があったかもしれません。一問一答のような感じで答えた内容に関して全く深堀はされませんでした。
面接中試験官3人全員がずっとPCで内容をメモしていたのであまり顔を見て話すことができなかったのでたまに顔を上げた瞬間に試験官の顔をガン見して無理やり目を合わしていました。試験官が若干引いていたかもしれません。気のせいだと思いたい。
後輩に伝えたいこと
皆さん農工大の推薦の体験談で無限に目にしたであろう合格結果の封筒のサイズですが、本当に合格の封筒は小さいやつでした。サイズで結果が分かるの普通にホラーですよ。
全く人にものを言える立場ではありませんが、勉強は早く始めたほうがいいです。学力の面だけではなく、メンタル面でも焦りや不安の影響がより大きくなるので、後悔しないように取り組んでいくことが大事です。ひとまず自分が言えるのはTOECは4年の夏休みまでに終わらせておくことと、夏休み中に「編入数学徹底研究」はとりあえず1周しておいたほうがいいということです。これができなかった怠惰な自分は時間のない中で苦しみながら勉強する羽目になりました。
またこの体験談を見ているタイミングにもよるとは思いますが、普段の試験も手を抜かず全力で取り組みましょう。言い方はよくありませんですし、学力で受ける皆さんには大変失礼なのは承知の上ですが、「推薦」という楽ができるに越したことはありません。
他の学科の面接の内容を詳しくは知らないので何とも言えませんが、面接は全くと言っていいほど深堀されないので推薦書に出来るだけ詳細に書いたほうがいいと思います。幸い農工大の推薦書は推薦内容の記載欄が十分にあるので、文章量が多すぎるといった心配をする必要はないと思います。逆にあまり書く内容が無いと当たり前ですがとても大変だと思います。
と書いたはいいですが結局推薦は席次だと思います。4年前期の部分でも触れましたが、研究室見学に行った際に高専でずっと席次1位だった人がいたので、推薦基準の上位20%以内に入っていたとしても全く油断することはできません。
なので学力試験対策もしっかりとしておきましょう。口頭試問にレベルの高い問題が出た時の対策にもなります。
オススメの参考書
特にTOEICと推薦の口頭試問で役に立ったと思うものを記載しておきます。
- TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
- TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
- 弱点克服 大学生の初等力学
- 電磁気学キャンパス・ゼミ
- 演習 電磁気学キャンパス・ゼミ
高専生のガタガタ英語力を考えると下手に金フレに手を出すよりは銀フレをしっかりとやったほうがいいと思います。また「でる1000問」はダラダラやらないでください。私は短期集中でやることでPart5だけでなくReadingパート全体で効果を発揮したと思っています。
口頭試問の力学は「大学生の初等力学」で十分ですが、電磁気のほうは農工大の学力試験の電磁気が解けるくらいの力があると良いので、マセマだけでは不十分かもしれません。ですが基礎固めや理論の説明の参考になるという観点で見ればとても強力です。