編入体験談

2026年:広島大学 情報科学部 情報科学科

自己紹介

名前:阿頼耶
出身高専:米子高専 総合工学科 電気電子コース
学科順位:1年次:4位(全クラス中) 2年次:5位 3年次:5位 
受験年:2025年
受験大学(受験科目):広島大学 情報科学部 情報科学科 (受験科目:数学、情報)
併願大学:電気通信大学、徳島大学
部活や資格:放送部(~2年) 数学同好会(3年~) コンピュータ同好会(3年~) TOEIC:690点

なぜ編入をしようと思ったか

高専からそのまま就職するには経験不足だと感じ、大学や院へ進んで自分の技術力と専門性を高めていきたいと感じた。また、電気科にいながら情報系や機械学習の開発に取り組んでいたため、基礎から改めて大学で学びたかった

学年ごとの勉強内容

1~3年

1,2年は放送部でのドラマ・ドキュメント制作に励んでおり、各種大会へ出場していた。このころは高専卒業後、就職することを考えていたので、編入はあまり視野になかったかもしれない。

勉学関しては、特に力を入れていたわけではなかったので、それなりに点数が取れるよう勉強していた。ただ、この時期の勉強法は、本質的な理解を行うのではなく、解法を暗記するものだったので、応用問題を解く力がない上、テストが終わった瞬間に忘れてしまっていたので、編入試験の際に基礎を一から学びなおす羽目になってしまい後悔している。

3年生のころから、訳あって放送部をやめて、数学同好会やコンピュータ同好会に所属し、研究やゲーム開発などを行っていた。非常に有意義な経験ではあったものの、コンテスト等に出場することをせず明確な実績を残さなかったため、編入の自己PRについて苦労した。

編入を考えている人で、特に推薦を希望するならば、プロコンやロボコンなどわかりやすい実績が作れるようなコンテストに積極的に参加することをお勧めする。

個人的に2,3年生の頃が一番自由に活動しやすく、逆に言えばだらけやすい時期だった。編入を考えるなら、惰性でもこの時期にTOEICに挑戦する、コンテストに出る、あるいはしっかりと数学・物理・専門等の理解に励んでおくとかなりのアドバンテージになると思う。

4年前期

とある企業の方との共同開発のプロジェクトに参加することになり、このころから忙しくなっていった。インターンに参加したり、高専祭のための制作にいそしんだりと、半分自分のせいではあるのだが、編入に関する勉強を全くできなかった。

TOEICを7月ごろに1度受けて610点を取っていた。730点を目指していたのだが、7月でこの点数ならしばらくは良いだろうと思ってTOEICを放置していた(甘すぎた)

4年後期

1月ごろまで企業の方との共同開発プロジェクトで忙しく、ほとんど編入の勉強に手を付けられていなかった。

1月末にTOEICの勉強を再開したが630点と全く点数が伸びなかった。 

春休みに入って数学・情報の勉強を始める。数学に関しては基礎から勉強しなければいけないと感じたため、編入のための「編入数学徹底研究」の微積と線形をそれぞれ2周して理解した。また、高専が出している「大学編入のための数学問題集」を1周した。情報系に関しては、アルゴリズムの復習として、「アルゴリズムとデータ構造」の本をひたすら読んでいた。TOEICに関しても並行して勉強しており、3月中旬の試験に向けて1~2週間ほど勉強し、690点をとった。この時点では筑波大学の情報学群を受けようと考えていたため、730点をとれずかなり焦っていた。

5年前期

4月頭に、筑波大学は今の実力では難しいと考え、電気通信大学の推薦を受けようと考えた。そのため4~5月はとにかく「編入数学過去問特訓」や「大学編入のための数学問題集」を2~3周したり、大学の過去問や大学院の過去問を解いたりしていた。しかし、席次が低かったことや、試験で計算ミスをしたことで推薦に落ちてしまった。そこからは気力をなくし、とりあえず過去問や問題集をひたすら解いていた。

試験当日

試験内容

例年受験者は多いとは聞いていたが今年も55人とかなりの人数が受けており、難関大の滑り止めで受けている人も多いだろうと、半ば諦めていた。

筆記試験は2時間で1~3問目は必答、4,5問目は選択だった。
詳しい問題は広島大学の入試情報に掲載されているのでそちらを参考にしてほしい。

私は大問1の(2)以外は解けたので、意外に行けたかもと思っていたが、よくよく見なおすと、重積分の置換ミスや指数行列の一部解答ミスが発覚して泣いた。

面接

面接室は人数の関係で3つに分かれており、自分の番まで筆記試験の部屋で待機という形だった。待機中は口頭試問対策のため、参考書等を読んだり、面接で話すことを反芻したりしていた。

面接員は2人で時間は約6分ほどだった。例年は口頭試問があったらしく心配していたが、私の面接では全く聞かれなかった。質問内容は

・志望動機
 ⇒なぜその研究がしたいのか
・卒研の内容
・課外活動について

だった。私は推薦で死ぬほど面接練習をしていたことと、正直筆記で落ちたと思って「もうこれで終わってもいい…」と覚醒していたことで的確に答えられたと思う。

後輩に伝えたいこと

編入は人生をかけた戦いだ
なめられてたまるか

本当に編入をなめてはいけません。過去問が解けた、問題集が7,8割解けた、編入体験談を見たら受かりそうだ、などと慢心してはいけない。それらは氷山の一角でしかありません。編入は本当に狭き門であり、情報源も少ないため、慢心すれば本試験で予想だにしない角度から刺されます。様々な出題の可能性を考え、常に緊張感と焦りを持って勉強することが大切です。その焦燥感や不安が原動力となり、他の受験者と大いに差をつけることができます。気づいたらあなたは誰よりも強くなっていることでしょう。頑張って!

オススメの参考書

編入の微分積分徹底研究
編入の線形代数徹底研究
編入数学過去問特訓
大学編入のための数学問題集

解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造