編入体験談

2026年:東京科学大学 工学院 システム制御系

自己紹介

名前:X
出身高専:小山高専 電気電子創造工学科
学科順位:1年次:5位 2年次:1位 3年次:2位 4年次:3位
受験年:2026
受験大学(受験科目):東京科学大学 工学院 システム制御系,数学,物理,化学,英語
併願大学:電気通信大学,長岡技術科学大学,東京都立大学
部活や資格:数学愛好会,数学検定準1級

なぜ編入をしようと思ったか

東京科学大学のシステム制御系は機械,電気,情報を融合させてロボットを作ったりしていて、これからの社会のオートメーション化を進展させそうだから。
まだ東京工業大学だった頃に初めて東工大を知り、”東京工業大学”という文字列が渋くてかっこいいと思ったのもある。

学年ごとの勉強内容

1~3年

1~2年:数学先取り
TOEIC(IP)は340点だった。

3年:編入数学徹底研究1周
後期の強制のTOEIC IPで555点

4年前期

公式の導出とか調べながら基礎物理学演習I(サイエンス社の黄)で力学,波動を1周した。
英語は通学の電車30分×2回(行きと帰り)で金のフレーズを毎日1周してた。

4年後期

春休み前

・編入数学過去問特訓1周
・マセマの熱力学2冊と基礎物理学演習Iの熱力学範囲
・電磁気学演習[第3版]1周
2月にTOEIC公開テストで805点

春休み

・大学入試用の単語帳
・完全理系専用長文スペクトル(白+黒)
・マクマリー有機化学を例題と問題解きながら12章アミンまで読んだ。
・アトキンス物理化学を例題と問題解きながらテーマ5まで読んだ
・演習しよう振動・波動を1周

5年前期

4月~6月末

電通大に落ちるのが怖くて化学を一旦ストップした。
この時期は全落ちしてニートになる未来を想像して病んでました。この世界に生まれたくなかったとか思ってた。

・編入数学過去問特訓の2周目
・大学生の初等力学:1周
・大学生の電磁気学:1周
・基礎物理学演習(共立出版の青い方)
・Excel物理(波動範囲だけ)
・理工系学生のための化学熱力学
・理工系学生のための量子化学
・電通大過去問
・東工大過去問(物理と数学)
・都立大過去問
・東工大の英語(赤)
・大学入試英作文ハイパートレーニング自由英作文編
物理化学の内容は電通大で物理として出題される可能性もあるので入ってる。

7月~8月末

ほとんど諦めた状態で化学やってた。化学の分からない問題は生成AIに解説させた。
・理工系学生のための無機化学
・理工系学生のための有機化学
・有機化学演習
・アトキンス物理化学のテーマ6
・化学 基礎問題精講
・Excel化学(無機の範囲だけ)
・東工大の過去問(化学)
・有機化学系YouTuberの動画

最後に数学と英語の補強
・大学編入のための数学問題集(微積範囲だけ)
・大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編
・東工大の英語(赤)で時間を確認

試験当日

試験内容

受かるわけないと思いながら試験受けてた。

数学

最近の難化傾向から大幅に易化していた。

(1)簡単な不定積分
(2)3次元極座標でいける三重積分(自分は途中になってしまったが…)

双曲線上の点(x,y)と固定された点(c,0)の距離の最小値を求める。
F(x,y)=(x-c)^2+y^2の指定された放物線上での条件付き極値を求める問題に変更できる。たぶんa,b,cによる場合分けが必要

(1)与えられた行列の固有多項式を求める
(2)与えられたn次多項式を固有多項式とするn次正方行列を作る。
 答えだけでなく数学的帰納法で証明した方が良い。
ちなみに行列は現代制御で可制御標準形としてよく出てくる形(ラプラス変換はsの多項式なんだけど、それを連立微分方程式に直すとこの形になります。)

固有値とか対角化とかの基本的な問題

物理

出来ると思ってたら全然出来なかった。

力学

[A]~[C]まで、質点が両側からばねで引かれる振動の問題
いろいろな条件の場合の運動を問われる。問題量が多くて時間かかり、途中過程もどこまで詳しく書けば良いか分からず時間かかった。問題文も長くて意味わからなくなるときがあった。

電磁気学

[A]同軸の円筒と円柱にガウスの法則を用いて電場や電位を求める基本的な問題
[B]帯電した円板に関する問題
静止した状態で電位や電場を求めたり、回転させたときの電流で磁界を発生させたりする。
完答

波動

[A]弾性体の力学を用いて、縦波(疎密波)の波動方程式を導出する。一応やったことあるから、序盤だけ解いたけど合っているかは不明
[B]光の干渉の問題だけど、時間なくてそこまでたどり着かなかった。

化学

過去問結構できるようになっていたので行けるかもと思ったが無理だった。

問1:与えられた情報から10種類の化合物を特定する問題
問2:電池の問題
問3:
a)気体の状態方程式
b)溶解度平衡
問4:
a)炭化水素のC-H結合の波動関数の問題
b)アダマンタンの生成エンタルピー
問5:有機化学の典型的な問題がたくさんある
問6:有機化学の説明を読んで、穴埋めをしたり物質量を計算したりする。

問3(a),問4(b),問5,問6だけ出来て、それ以外は関係ありそうな情報を書きまくっただけ。

英語

どうせ英語も出来ないと思って受けたら簡単だった。
いつも通りの長文×2だが、出てくる単語のレベルが低いのか、文章がとても読みやすかった。
※来年度からはTOEICになるそうです。

面接

主な質問は
・どんな研究をしたいか
・なぜこの系を選んだのか
など

答えたことに対して深堀していくスタイルで、内容は一般的な面接から科学的・専門的な話に移っていった。
長岡技科大や都立大と比べて長時間の面接になった。

後輩に伝えたいこと

近年は入学確約書の提出期限を早くしたり、入試を推薦だけにする大学が増えていて、滑り止めに出来る大学が少なくなってきているのでお気を付けて。
東京科学大学を受ける場合は、日程が被らなければ北海道大学と併願すると良さそう。試験科目が近い。

オススメの参考書

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