編入体験談

2024年:金沢大学 理工学域 機械工学類 エネルギー機械コース

自己紹介

名前:yomura
出身高専:地方国立高専
学科順位:1~3年: 18~14位, 4年:4位
受験年:2024年度
受験大学(受験科目):金沢大学 理工学域 機械工学類 エネルギー機械コース 合格
併願大学:地方国立高専専攻科 未受験
部活や資格:バスケ部(1~3年), TOEIC 795点

なぜ編入をしようと思ったか

3年の終わりらへんから進路について考え始め, まだ就職したいとは思わなかったから. また, インターンシップ等の経験から高専生と一般の大卒の人とでは, 仕事内容や給料面でも扱いが違うと感じたから.

金沢大学を選択した理由は, たまたま4年生で成績が上がり, 推薦をもらえる大学の中でネームバリューや研究内容などを考慮して金沢大学が良いと思ったから.

科目ごとの勉強方法

数学

1~3年生次は基本的に勉強をサボっていたので, 4年生次に高専の教科書の復習を最初にしてから 編入数学徹底研究を中心に解いた.
また, 金沢大学数物科学類の過去問や他の大学の過去問などを使って演習をおこなった.

物理

物理のエッセンスを中心に勉強した. 基礎が不安な人は, 高専の物理の教科書から始めた方がいいと思う.

化学

なし

英語

3年の終わりからTOEICの勉強を始めた. 初期点は400点くらいだった. 金フレと公式問題集を中心に勉強をした. 金フレを完璧にしてから公式問題集などの演習書に取り組むのがおすすめ. 私は何か特別なことを行っていたとかは無く, 普通の勉強方法で毎日3時間程度勉強していた. 4, 5回公開テストを受けて最終的には800点には届かなかったが, 795点を取得することができた.

専門科目

4力を中心に勉強を行っていた. 例年, 材料力学と熱力学が出題されていると知ってからはその2教科に力を入れていた. 専門教科の勉強は参考書は買わずに高専の教科書のみで乗り切った.

試験当日

試験内容

口頭試問

ホワイトボードに出題された問題を解いていく形式. 科目は数学と専門教科(物理学, 流体力学, 材料力学)である. 専門教科は3つの中から1つを選択して解く. 私は材料力学を選択した.

数学(8分)

・1問目 重積分 被積分関数はxe^-x^2 範囲はx, yともに0→1
・2問目 重積分 被積分関数はe^y^2 範囲はx: 0→1 , y: x→1 
         積分順序変更で解ける
・3問目  f(x)=xe^x^2 第3次の項までマクローリン展開

解き方はライプニッツやゴリ押しでも解ける

専門教科:材料力学(8分)

専門教科は材料力学の他に物理学, 流体力学があったが物理は電磁気の問題だったので即捨て. 流体と材料力学で迷ったが材料力学の方が得意だったので材力を選択.

・1問目 片持ち梁
長さ2Lの点に上から荷重F, 全長3L
(1) 曲げモーメントの分布図(B.M.D)
(2) 最大曲げ応力の働く位置
(3) 先端のたわみ

・2問目 1問目同様の荷重・形状に加えて片持ち梁の先端に下側から荷重Pが働く
片持ち梁の先端のたわみを求めよ → 重ね合わせの原理で解ける

・3問目 時間がなくて解いてない
     確か1問目同様の荷重・形状に加えて先端が支持されている不静定問題
     先端支持の反力を求めよ → 重ね合わせの原理で解ける

数学は2問目を計算ミスしていたので体感6, 7割, 材力は最後の問題以外は完璧に解いたので体感8割りの出来だった.

面接

教授5人の構成で, 真ん中に座っている人が面接の司会進行であった. 質問は主に「なぜ金沢大学を志望したのか?」, 「編入後の具体的な目標は何か?」, 「TOIECについて(勉強法や点数について)」, 「どうやって機械工学類のことを知ったか?」, 「単位の互換性が悪い可能性もあるけど大丈夫か?(遠回しに留年の可能性を示唆)」などであった.

TOEICの点数に関しては, 周りの人の点数を見た感じは, 500~600点が多かったので700点以上取ればアドバンテージになる. 面接の内容としては, もっと志望動機などで深堀されると身構えていたが, 実際の質問は浅く広くといった印象だった. また, 自分が相手の質問に対して, 適切に返答すれば頷いてくれていたので, 厳しい雰囲気の中での試験というわけではない.

面接ではTOEICの点数が過去5, 6年で1番高かった事と, 博士後期課程の進学を希望していた事が好印象であった可能性が高い.

後輩に伝えたいこと

金沢大学の受験は数学の徹底研究と高専の教科書(主に微積), 専門教科は高専の教科書で十分対処できる問題が出題される. 今年の数学は例年と異なり重積分に関する問題が出題された. (例年は微分方程式が頻出)そのため, 過去の傾向を把握しつつ幅広く勉強を行っていく必要がある. TOEICの勉強はなるべく早いうちから始めた方がいい.

また, TOEICの勉強と数学等の勉強を同時進行させるのは, あまりお勧めしない. TOEICは700点以上あればアドバンテージになると思う.

試験日前日には実際に大学のキャンパスに足を運ぶ方がいいと思う. 私の場合は, 前日に何か勉強しても変わらないと思ったので観光やショッピングをした. 近江市場の目の前のホテルをとったが駅前や香林坊などの方が栄えていて, ご飯もおいしかった.

オススメの参考書

数学:編入数学徹底研究
物理:物理のエッセンス, 名問の森
専門教科:高専の教科書