自己紹介
名前:まっちゃ
出身高専:A高専土木専攻の学科
学科順位:大体40人中、1年6位、2年19位、3年4位、4年たしか7位
受験年:2020
受験大学(受験科目):神戸大学工学部市民工学科 数学 英語 物理 小論文
併願大学:香川大学、広島大学
部活や資格:
科目ごとの勉強方法
数学
4年夏から始めました。私は2,3年のときに微積分は神戸大学レベルなら大体できるように勉強していたので、苦手だった線形代数を中心に勉強しました。過去問では必ず大問1つ積分の計算問題(徹底研究レベル)があるので、微積分の計算は4年の冬にはすらすらできるくらいになっておいた方がいいと思います。
4年夏~5年春で「編入数学徹底研究」(桜井基晴)と「編入数学入門」(桜井基晴)はだいたい解けるようにしました。この参考書がだいたい神戸大学のレベルなので間違いないです(ほぼ同じ問題が出ていると思います)。
その後は過去問を解いて苦手なところは「大学編入のための数学問題集」で数をこなしました。神戸大学は、微分方程式、複素解析、確率、フーリエ解析、ラプラス変換は過去に出題されていないのでその部分は飛ばしました(微分方程式は積分の計算練習のために少し解きました)。
神戸大学は比較的基礎の問題が多いので、どれだけ間違わずに確実に解けるかが大切です。過去に合格した先輩も数学は8割9割とれている人が多い印象なので。私は複数の解き方を覚えてき、検算できるようにしていました。また、記述式なので導出過程もきちんと書けるようになっておくことが大切です。
物理
4年冬から始めました。初めは「物理のエッセンス」(力学と電磁気両方)、5年春から「基礎物理学演習」と過去問で対策しました。自分は電磁気が特に苦手で初めは物理のエッセンスでもかなり難しいと思っていました。
基礎物理学演習は、過去問よりは易しいですが初めはかなりつまづきました。問題数が非常に多いですが、全部やる必要はないです。過去問と見比べて出そうなところだけ解きました。物理はこれ!という参考書がないので、正直過去問の存在がだいぶ大きかったです。
私は先輩から15年分ほどいただけたのでそれを全部解き、どういう問題が出るのかを研究しました。もし過去問が手に入らなくてもネットに直近の3年分があるので、それは必ず解いた方がいいと思います。
英語
受験日の1年半前から始めました。今年までは神戸大学のオリジナルテストでしたが、来年からTOEICに変わるのであまり参考にならないかもしれませんが、
お勧めの勉強順としては、
①単語帳を1日1周して意味がすぐに浮かぶようにする、文法を解けなくてもいいのでとりあえず理解
②長文、文法問題を解く
③過去問を解く
です。
特にTOEIC用の勉強をしていたわけではないのですが、TOEICはリーディングが4年9月の255点から5年7月の295点まで伸びました。295点がまわりの受験生と比べて高いのか低いのかはわかりませんが参考までにと思います。
TOEICは早めにある程度点数をとっておき、試験の前の勉強時間は他の科目に費やすのがいいかと思います。ただ、TOEICが有効な期間(ex.出願の2年前から出願日まで)が大学によってきめられているので、あまり早すぎると編入に使えないかもしれないです。
専門科目
小論文。
5年の4月くらいから本格的に勉強を始めました。今年は試験の5か月前くらいから流行し始めたコロナが出ましたし、数年前には1か月前の豪雨について教訓を問われた過去問もあり、時事問題はおさえておくべきです。自分は作文が本当に苦手だったので、情報収集をしっかりして知識量で勝負できるようにし、小論文は10本以上書いて練習しました。また、併願校である広島大学の対策にもなるため、かなり時間をかけました。
お勧めの勉強法は、
①水害、地震、時事問題(今年でいうところのコロナ)、インフラ老朽化、エネルギー問題について情報収集し、それぞれ現状、対策、新技術を調べ、それぞれ1200文字書く
②本番同様時間を計りながら5本書く
③本番1週間くらい前に情報を整理して持ちネタの確認をする
です。本番通り横書きの原稿用紙を買って練習しました。得意ネタが5本分あればだいたいどんなテーマの問題が来ても組み合わせて答えられると思います。添削は高専の先生におねがいしました。ネタ集めとしては、小論文で何が使えそうかを意識して以下のことをしました。
①授業
小論文対策を意識して授業を受ける。自分の学校の場合、授業だけでもかなり情報収集できました。計画系や環境系、維持管理系、防災系は特に小論文の問題として出やすいと思うので入試を意識して聞くことが大切です。
②「建設テック革命」
図書館でたまたま見つけたドローンやAIを用いた最新技術の具体例が載っている本。いろんな分野(維持管理、ダム、河川など)の最新技術が書いてあるので、これ一冊抑えれば大体の分野の対策に使えます。また、文の締めにもってきやすいですし、ちゃんと新しいことも知っているアピールができます。たしか2018年出版だったと思うので、一応ネットで今現在どうなっているのかも調べました。
③土木系のネットニュース
今年でいえばコロナなどの時事問題系はこれで現状を調べました。
④wedge
まちづくりなどの計画学系の記事を3か月に1回くらい扱う月刊雑誌。具体例が載っているので、小論文の信ぴょう性があがるし字数稼ぎにもちょうどいいです。インターネットでもたぶん読めますが、図書館の方が見やすいと思います。近所の図書館にはありました。雑誌なので文量も多すぎず、説明もわかりやすいですし、本や先生とも違った視点で書かれているのでほかの受験生との差別化にもなると思います。あと情報が新しいのもいいところです。
⑤国土交通省のHP
現状、対策、目標がまとめられています。具体例はあまりないので、国交省からざっくりとした情報を得て、詳しいところは個別に検索しました。
試験当日
試験内容
英語(60分)
英作は来年から英語の試験はなくなりTOEICになるので早めにある程度点数を取っておき、試験前は他の科目を勉強するのがいいと思います。自己採点6割。
数学(90分)
行列1問、魔方陣1問、微積分2問の大問4つ。自己採点7割。魔方陣は微積分とも線形代数とも関係なく、ひらめきが必要な問題でした。過去問ではあまりひらめきが求められる問題はなかったように思うので、少し傾向が変わったかなと思います。ほかは徹底研究を勉強すれば解けるレベルだったと思います。
物理(60分)
滑車と回路の大問1つずつ。自己採点6,7割。微積分を使う問題がおそらく小問1つだけで、高校の範囲(物理のエッセンスで勉強できる)が多かったと思います。回路の小問にミスがあったようなので、もしかしたらその問題は全員正解になった可能性があります。過去問に比べ簡単な問題と難しい問題に2極化していたので差が付きにくいテストだったのではないかと思います。
小論文(90分)
「自動運転技術の進展、コロナ禍、多発する自然災害によって、今後の都市構造に影響が出てくると考えられる。考えられる影響を長期的なもの、短期的なものに分けて時間軸上に述べよ。またそのような影響が予想される中で、行うべき施策はなにか。1200字程度で述べよ」。原稿用紙は1300文字までありました。予想していたことが出題されたのでうまく書けました。文字数は毎年だいたい1200文字です。何年か前に一度、大問が2つに分かれて300文字と800文字みたいなかんじで分けられてたのもあったような気がします。自己採点は9-10割です。
面接
対策
高専の先生に計6回面接練習をしてもらいました。私が頼んだ先生は、キャリア支援の先生、担任の先生、研究室の先生です。また、面接で聞かれそうな内容はあらかじめ準備していました。私が対策していたのは、志望理由、入りたい研究室とその研究室の先生の論文の内容1つ、将来の進路とその理由、入学して何したいか、長所、高専で頑張ったこと、得意科目、苦手科目、最近気になったニュース、自分の卒業研究についてです。
本番
面接は5分(計測される)で、面接官は6人+1人(ドア開けたり時間見たりする人)の7人でした。学生は1人ずつです。
質問内容
・受験番号(受験票を見ながら言いました)、学校名、名前
・志望動機を簡潔に(少し突っ込まれる)
・高専ではなにを研究されていますか?
・再度志望動機を突っ込まれる(かなり突っ込んできて、自分はうまく答えられませんでした)
大きく分けてこの3つでした。
ちなみに私がうまく答えらえれなかったこの3つ目は、
先生「神戸大学に入るのに、編入と、専攻科に進学してから院試を受けるのと、2パターンありますが、なぜ編入を選びましたか?」
私「2年間長く神戸大学に在籍できるからです」
先生「京都大学は2年次編入できるのでより長く研究できますが、なぜ京都大学ではなく神戸大学を選んだのですか?」
私「志望動機と繰り返しになるのですが、まず地盤工学を専門とされている先生が多いことで、、、」
先生「京都大学も地盤工学専門の先生多いですけどね笑」
で、時間が来てしまって、終わりでした。神戸大学でないといけない理由もあったのにかなり緊張していてすぐに答えられず、最悪の印象で終わってしまったので正直落ちたと思いました。
志望理由は、どうしてこの分野や研究に興味を持ったかも大切ですが、なぜ神戸大学でないといけないか、をきっちりこたえられるようにしておくことが大切だと思いました。自分がなにか話すたびに一斉に聞いている先生方がメモを取っており、きちっとした雰囲気でした。
例年は穏やかな雰囲気と聞いていたので、驚きましたが、これでも受かったので面接<<学力なのかな、と思いました。基本5分間きっちり計られていて自分も5分だったのですが、最後の人は15分間面接したそうです。
後輩に伝えたいこと
過去問めちゃくちゃ大切です!特に物理!多ければ多いほどいいです私は正直過去問で受かったといっても過言じゃないです。死ぬ気で過去問を手に入れた方がいいです。
過去問は3年分がHPに載っています。私の学校では大学の過去問は学生課においてあるところが多いですが、神戸大学は私の確認した限りではおいてなかったです。また、ある場合でも編入が近づいてくると誰かが借りていて見れなくなる、ということも起こりかねないので、先輩のツテなどを利用して過去問は本当に早めに見つけると大きいです。
オススメの参考書
数学:徹底研究(必須)、編入数学入門、大学編入のための数学問題集
物理:基礎物理学演習、物理のエッセンス
また、参考書ではないですが、コロナ禍で学校が来られない中、ネットで調べてもわからないところはLINEのオープンチャットという機能のなかの「物理学・数学徒のつどい」というグループに入って、質問していました。
全然知らない人に匿名で教えてもらうというものですが、理系の得意な大学生が多いのでだいたい納得する説明をしてもらえたので自分はかなり活用していました。ただ、質問は丁寧に相手に伝わるように、と思うとなかなか時間がかかるので、試験直前は逆に時間がとられて良くないかなと思います。自分はできなかったですが、理想は3か月前くらいに疑問点は解消しておき、あとは問題集を回るだけ、ってかんじですかね…。