編入体験談

2024年:電気通信大学 情報理工学域 II類 セキュリティ情報学プログラム

自己紹介

名前:やなす
出身高専:某四国高専 情報系
学科順位:1年次:1位 2年次:3位 3年次:2位 4年次:3位
受験年:2023年
受験大学(受験科目):電気通信大学 情報理工学域 II類 セキュリティ情報学プログラム 推薦(数学の口頭試問、専門科目の口頭試問、面接)
併願大学:広島大学 東京都立大学 筑波大学
部活や資格:ITパスポート TOEIC L&R 860点 

なぜ編入をしようと思ったか

中学生の頃から大学に行きたいという思いがあり、当時兄の受験する姿を見て、普通校から大学進学するのは大変だと考えた。そこで、共通テスト・二次試験を受験することなく大学に進学することができる高専を選択した。編入となると、進学先として工学部に限られるが、私自身工学系にも興味があったため、高専での勉強はそこまで苦ではなく、進学先としても工学系の大学や工学部に進学することに対して抵抗はなかった。

学年ごとの勉強内容

1~3年

1~2年

順位をキープするために定期テストでの勉強を頑張っていた。数学・物理に力を入れていた。東工大に進学したいなど考えていた。
課外活動などにも力を入れて頑張っていた。
春休みや夏休みなどの長期休暇は数学の発展問題などを解いたり、次年で履修する内容の予習などをしていた。

3年

東工大の試験に必要な科目などを調べていく中で、科目数が多いことを知り、受験は現実的ではないと考えた。夏休み明け頃に進学先を電気通信大学にした。推薦で受験することを考えていたため、順位を意識して定期テストの勉強を頑張った。

また、授業の数学の進度が非常に遅かったため、自分で数学の教科書を進めることにした

4年迄で習う内容を3年次に終わらせた。
3年の冬にTOEICを初受験した。ノー勉で455点だった。
併願校として、数学と専門科目とTOEICで受験できる筑波大学を候補とした。(化学・英語の試験がないところが良かった。)
課外活動もやっており、3年次では課外活動で色々と評価していただいた。

4年前期

3年から4年にあがる春休みは自動車学校に通っていたため、殆ど勉強できなかった。4年は3年に比べて、実験や授業のレポートが多く忙しかった。
テスト期間以外は、授業で配布される数学の演習プリントが非常に優秀だったため、それを使って勉強していた。それ以外に受験勉強といえる勉強はやっていない。

4年の夏休みに編入数学徹底研究をやった。すらすら解けるのもあれば躓くものもあり、苦手を知ることができた。インターンは行きたいところが大卒以上だったため、インターンにはいかなかった。夏休み中に研修旅行が計画されていたのでそこで、電気通信大学に研究室訪問させて頂いた。(推薦で受験するなら、研究室訪問しておくのをお勧めする。面接でも会話のネタになる。)

4年後期

4年後期も、前期と同じく、日々の授業・実験のレポートが忙しく、数学以外の受験勉強の時間を確保することができなかった。後期では、必要ではないと思った選択科目を幾つか辞退したので空きコマは図書館に籠って数学をした。また、放課後も18:30頃まで図書館に籠って数学の勉強をしていた。

4年になり、順位が少し下がったが、推薦受験の資格に支障はなかったため、順位を維持することに努めた。(電気通信大学の推薦条件は3, 4年次の席次が上位20%以上)
4年春休みは、半分をTOEICに費やした。1日の勉強量は10h程で、今思うと甘い。毎日、単語・リスニング・リーディングは欠かさず行った。春休みに受けた試験で810点を取れた。筑波大学にTOEICの提出条件があったので、800点越えれたので、英語の勉強はここで打ち切った。残りの春休み期間は、授業で配られた数学のプリントの復習と編入数学徹底研究・編入数学過去問特訓をやってた。

5年前期

5年になり、4年までの忙しさが嘘なくらい空き時間が増えた。空き時間はひたすら図書館に籠って勉強していた。

4月

微分積分の復習。主に授業でもらったプリントをやっていた。1日の勉強量は平日だと10h、休日だと13hくらいやっていた。焦りから睡眠時間も短くなっていた。
専門科目の勉強として、アルゴリズム、データ構造、ビット、離散数学あたりを復習した。学校の授業で配布された資料を見返したり、ネットのアルゴリズム学習サイト等で勉強していた。

5月

編入の体験談を見ていく中で、数学の口頭試問が微分積分か線形代数のどちらか選択なのを知っていたため、得意な線形代数を選択することを決めた。1ヶ月線形代数を極めた。連立方程式、ベクトル空間、線形写像、核、像、固有値とその応用など全分野を網羅した。使用した教材として、授業でもらったプリント、編入数学徹底研究、編入数学過去問特訓、編入数学徹底演習を使用した。口頭試問を意識して、ホワイトボードで解く練習をしていた。数学の得意な友達から問題を出してもらったりした。わからない問題が無いように全部解けるようにした。

専門科目の勉強としてアルゴリズムの復習をメインでしていた。
学校の勉強はフル無視して受験勉強していた。

試験1週間前

生活リズムを徐々に戻していったが、結構難しかった。参考書等の問題を見て不安なところだけをホワイトボードに解いていた。
試験2日前に東京に出発。試験日以外は天気が良かった。1日目は調布市で夕方だけ勉強した。移動で疲れて20:00頃に寝た。

翌朝は6:00に起床し、朝ごはんを食べて近くの図書館で勉強した。夕方に大学に下見に行くと、それぞれの類ごとに看板が立てられていた。II類だけ何番~何番という案内が張られてあり、受験者数を知ることができた。17人だった。多い…
夜は面接練習を少しして、早めに寝たが緊張で寝つきが悪かった。

当日も6:00に起床し、シャワーを浴びて朝ごはんを食べに行ったが、味噌汁数杯しか喉を通らなかった。あとは全部残した。ホテルに帰り、温かいお茶を飲んで緊張を解した。試験当日は土砂降りの雨だったため、大学に行くまででスーツのズボンが濡れまくった。
同じ高専から受験する友達がいたので、正門前で集合し一緒に試験会場に向かった。少し緊張が和らいだ。
また、会場内で明石高専から来たという人とも少し話をした。

試験当日

試験内容

数学

微分積分・線形代数から1門選択
A4用紙に上半分微積の問題、下半分線形の問題があった。線形代数を選択する予定だったので、微積は問題を覚えていない。制限時間は10分。

線形代数の問題はこんな感じ。

3次元のベクトルa, b, cが与えられており、ベクトルcは定数kを含んでいた。
(1)ベクトルaとbの外積
(2)c∉Vのとき、kの値を求めよ。このとき、ベクトルa,b,cが張る平行六面体の体積を求めよ。
(3)c∈Vのとき、cをaとbの線形結合で表わせ。
(4)Vの直行補空間と正射影に関する問題。

(1)~(3)はスラスラ解けたが、(4)で詰まり、それっぽいことをなんとなく書いておいた。例年通り固有値・固有ベクトルが出題されると思ったが、ベクトル空間で焦った。

専門科目

情報、電気回路、電磁気、力学の中から人科目選択。

情報を選択したが、出題内容が7桁÷3桁の筆算の虫食い算。見た瞬間「は?」ってなった。他の科目が力学以外解けそうになかったので渋々といていたが、緊張とか疲れとかで手中出来ずに、ほぼ答えれなかった。途中で面接官からヒントをいただいたが、解けなかった。ほんとに悔しかった。落ちついてやれば解ける問題だった。

面接

面接は以下の内容が聞かれた。圧迫ではなかった。

  • 志望動機
  • やりたい研究内容
    • →答えると深く突っ込まれって半泣きになりながら答えた。
    • セキュリティに興味を持った理由
    • 高専で学んでいる内容
    • 大学院には進学するつもりか
    • 卒業後の進路(どういう分野でとか)

人数が多いせいか、大雨のせいか、面接時間が短かった。7分くらいだった気がする。
やっている卒研の内容などは聞かれずに、自分のやってきたことも100%アピールできなかった。悔しかった。

試験終了後

試験終了後に完全に落ちたと思って雨の中、友達に電話した。大学から駅までは、旭川高専の人と一緒に帰った。傘を持っていなかったらしく、一緒に傘に入って帰った。来年会えたらいいねとか話した。

東京から帰り、切り替えて広島大学に向けて受験勉強をしていた。


試験結果は「合格」してました。受験から解放された嬉しさでいっぱいでした。

後輩に伝えたいこと

  • 推薦だからと言って、油断しない!(これ重要)
  • 席次も重要だけど、それ以外のバックグラウンドも重要
  • 進学してからやりたい研究について明確にしてくこと
  • 卒業後までのビジョンもはっきりしているとなお良い。
  • 推薦はおまけだと考えた方がいいかも。(学力で受験するつもりでついでに受ける程度に考えておいた方がいいと実感しました。)
  • ホテルは調布駅の近くに予約するのがおすすめ。

オススメの参考書

  • 編入数学徹底研究
  • 編入数学過去問特訓
  • 編入数学徹底演習
  • 金フレ
  • TOEIC 精選模試 Reading
  • TOEIC 精選模試 Listening
  • 出る1000