編入体験談

2022年:東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系

自己紹介

名前:ひなた
出身高専:大阪府立大学高専 環境物質化学コース
学科順位:1年次:8位 2年次:1位 3年次:1位 4年次:3位
受験年:2021年
受験大学(受験科目):東京工業大学生命理工学院生命理工学系 公募推薦
併願大学:府大高専専攻科(合格) 大阪大学工学部(未受験)
部活や資格:部活なし、TOEIC705点
TwitterID:@484942

なぜ編入をしようと思ったか

研究職に就きたく、学位(修士以上)が必要であると考えたため。

科目ごとの勉強方法

数学

数学は主に、専攻科と阪大工の受験用に勉強した。以下に使用した図書と使用した時期、効果を5段階の重要度と共に示す。

【編入数学徹底研究】:重要度5

編入で数学の試験があるなら必ず終わらせておきたい参考書である。自分は3年生後期から編入が終わるまで使い続けた。ある程度習熟した後も、基本に立ち返るときには必ず開いた本である。編入試験で問われやすい問題が集めてあり、数学のドラゴンイングリッシュ(使ったことないけど笑)のようなものと考えてもらえるとわかりやすい。自分の志望校の過去問を見て、出題されている単元をこの本でやり込むことをお勧めする。

この本で編入用の数学の初歩をほぼ習得でき、多少の大学はこの本一冊で対策できる。難易度はある程度高い。そして、章末問題は解く必要がなく、例題のみを繰り返せばよい。これは章末問題が例題に比べ圧倒的にレベルが高く、章末問題を解くなら、そうはせず次の過去問特訓に取り組めばよいためである。

【編入数学過去問特訓】:重要度4

編入数学徹底研究で数学の問題を解く力が付いたら取り組みたい参考書である。各大学の良問がそろえられているうえ、難易度のわりに解説が丁寧である。自分は4年生の夏休みぐらいから手を付け、過去問に取り組むまで使い続けた。難易度は高いが確実に力がつく一冊であると思う。自分はこの編入数学の2冊で数学のほとんどを仕上げた。非常におすすめである。

【過去問】:重要度5

出題の傾向を確かめ、実際に解く。志望校の過去問は4年生後期ごろから解き始めた。必要性は言うまでもない。早くから手を出してもいいと思う。

【数学/徹底演習】:重要度2

過去問特訓を解き終え、あまり解く問題がなくなったため手を出した。使用時期としては過去問特訓と過去問の間にあたる。しかし徹底研究、過去問特訓でカバーでき、あまりためにならなかったためすぐに過去問に移ってしまった。一応触ったため本書についても触れておいた。問題の量は多いので数学をやりまくりたい人にはいいと思う。

【参考書】:必要に応じて

上記に挙げたものは演習用のものであり、それとは別に参考書についても触れておく。私は複素関数と確率統計についての参考書としてマセマシリーズの参考書を用いた。阪大工の出題傾向に合わせて参考書を用いたため、ここは自身の必要性や使いやすさなどの感性に合わせることが重要である。

物理

特になし

化学

化学はすべての受験校に専門科目としてあったため、その対策であったが、主として阪大工のための勉強であった。同様に参考書を示す。しかし化学においては受験校によって傾向が大きく異なるため、あまり人の勉強法はあてにならないことに留意してほしい。化学の対策自体は4年後期ごろから次第に取り組んだ。

有機化学

【有機化学演習:基本から大学院入試まで】:重要度4

有名な演習書で多くの化学系の編入生や院試対策の学部4年生などが用いる参考書である。章末問題の中には多少オーバーワーク気味のものもあるので志望校の化学の難易度に合わせて選択的に解くのがよいと考える。

【電子の動きでみる有機反応のしくみ】:重要度2

学校の授業で用いていた教科書のため、参考書代わりに用いた。今考えれば、マクマリーなどを使うほうがよかったと思う。ただ、この本もわかりやすく、いい参考書であった。

無機化学

【学校の授業のレジュメ】:重要度?

自分が3年次に受けていた無機化学のレジュメを参考書、演習書代わりに用いていた。阪大工の無機範囲は簡単なため十分対策できた。

分析化学

【学校の授業のレジュメ】:重要度?

自分が4年次に受けていた分析化学のレジュメを参考書、演習書代わりに用いていた。

物理化学

【学校の授業のレジュメ】:重要度?

自分が4年次に受けていた物理化学のレジュメを参考書、演習書代わりに用いていた。

【アトキンス物理化学】:重要度4

マクマリーの物理版のような参考書である。例題などを解いて力をつけるのがよいと考える。

化学過去問

言わずもがな。

英語

英語はどの大学でも必須であり、上達に時間のかかる科目であるため数学と共に早期からの対策が必要である。また、全体的な流れとして単語→文法→長文→和文英訳(→自由英作文)が基本である。

英単語

【DUO 3.0】:重要度5

高専生が使う英語の単語帳として最も使用されているであろう単語帳である。1周が中々ヘビーであるがその分周回を重ねることで多くの単語が身に着く。非常に効率の良い単語帳である。

【理工系学生のための必修英単語2600】:重要度3

学校で配られた単語帳である。理系用の単語が多いため、出題される長文が専門分野に偏った大学の対策などには有用であると考える。

【速読英単語〈必修編〉・〈上級編〉】:重要度4

非常に一般的な単語帳であり、必修編は共通テストレベル、上級編は二次試験、上位私立大レベルの単語を扱っている。DUOのあとに上級編を用いている人が多い。しかし、大学によってはだいぶオーバーワークなので志望校によっては不必要な人も多い。阪大工にも不要だったように思える。一方で必修編は非常に使いやすく単語のレベルも比較的低めなので、本格的な編入勉強を始める前からなにかしらの勉強を始めたい人におすすめしたい。単語のみの音声であれば無料配布されているので併用するのが良い。自分はDUOを読みながら自転車に乗っているときなどに必修編の音声を聞いていた。

英文法

【Forest】:重要度4

非常に使いやすい文法書である。単語帳を始めて、まだ文法に移れない頃に少しずつ1周読み、その後、長文読解などでも文法についてわからないところがあれば引く辞書として用いていた。Forestに限らず文法書は1冊用意しておくことをおすすめする。

【Forest Write and Learn】:重要度1or2

正直に言って、ネクステの下位互換である。ネクステとあまり変わらないがカバー量、使いやすさなどで劣っている。

【Next Stage】:重要度5

多くの高校生、高専生が用いる文法演習書である。カバー量も多く問われやすい文法問題、連語などが詰まっているため非常におすすめである。自分は5周程度したと記憶している。しかしそれでも完璧にはならないほどの量であるため早めからの取り組みをお勧めする。

英語長文

【基礎英語長文問題精講】:重要度3

初めて取り組んだ長文対策がこの演習書であった。難易度が割と高く初めて使うのには向いていなかったが、そんなことは当時にはわからず無理矢理2周した。少し挫折しそうになったがその結果、TOEIC用の勉強をしてもなかなか点数が上がらなかったTOEICの点数がReadingパートの上達により550→700とスコアアップした。

【関正生の英語長文プラチナルール】:重要度4

長文の読むコツや問題を解く上での意識するポイントなどが良問を用いて解説されており長文を読む力が上昇した。ポレポレの長文問題版のようなものである。初めての長文演習書におすすめである。

【ポレポレ英文読解プロセス50】:重要度5

各大学の入試から参考になる部分を短く引用して、重要なポイントを解説したものを50篇あつめたものであり、すべて理解すると飛躍的に読解力が上がる一冊である。とても古い本だが現在でも多くの高校生や高専生に使用されている良書である。

【阪大の英語20ヵ年】:重要度4

学部入試の2次試験の赤本である。大量の問題が入っており、編入の英語長文と難易度がさほど変わらないため練習になる一冊である。阪大の編入試験を受ける人で赤本を使用している人は多い。

和文英訳

【関正生の英作文プラチナルール】:重要度4

阪大は短い和文英訳が出題されるため準備が必要であるが、さほど難易度は高くないためこの1冊で十分対応が可能であると考える。わかりやすいためこのプラチナルールシリーズは好みである。

自由英作文

阪大工は自由英作文の出題がないため対策せず。

英語過去問

数学と同様のタイミングで解き始めた。

専門科目

化学項目に記載

試験当日

試験内容

阪大工は未受験であったため、東工大生命理工学院について述べる。調査書・推薦書・志望理由書・面接(口頭試問含む)の4項目から合否が判定される。

志望理由書

募集要項より「生命理工学院を志望する理由を、現在行っている卒業研究あるいは編入学後に行いたい研究、興味を持っている生命現象などと関連付けて、任意の様式でA4用紙2枚以内で記述してください。」と記載。
自分はwordでだいたい3500字弱書き、何度も書き直しを重ねた。参考にされたい方はご連絡いただければ送ります。

調査書・推薦書

在籍する高専で必要書類は作成してもらう。事前に自分が情報を集めたときに「合否はほぼほぼ4年次の席次によって決まり、5位以内が必須、1~3位であれば確実」と聞いていた。ZENPEN内の先輩方の編入体験談にもそのように書かれていると思う。

実際、席次の影響は大きいことは確かだと思うが、同じ受験者に、自分より席次が高いが不運にも不合格であった人もいたため、席次だけで決まらないこともまた、確かである。また、提出書類準備中に入試課に問い合わせたことがあったが、担当の方は席次は必ずしも必要な情報ではないと答えていた。(自分は念のため書いた)

面接

以下の順に面接は進行された。

  1. 受験番号、氏名
  2. 志望動機(1分以内)
  3. 卒業研究の説明(1分以内)
  4. 化学の口頭試問
  5. 英語の口頭試問
  6. 卒業研究についての質問(2~3個)

制限時間は全体で15分と決められており、一つ一つの質問に長く答えすぎると早く答え終わるように促された。

④化学の口頭試問

以下から一つ選び説明する

  • DNAの半保存的複製
  • Grignard反応/Diels-Alder反応
  • ハロゲン化水素の中でフッ化水素のみ弱酸の理由

過去問と全く同じ問題が出題されたためほぼほぼ満点の解答ができたと思う。

⑤英語の口頭試問

自己紹介文が簡略化して書いてあり、英語で自分のことについて喋れという内容。
ざっくり「●●高専●年の●●です。現在卒業研究では●●ということについて研究しています。+α」といったような内容であった。文が短かったためすぐ終わってしまった。

後輩に伝えたいこと

何事も早めの準備が大事であると思う。なにかご相談があればtwitter(@484942)、インスタ(hinata_mt)に連絡ください。

オススメの参考書

上記にまとめたもので重要度4~5がおすすめである。