編入体験談

2023年:九州大学 理学部 数学科

自己紹介

名前:ルル
出身高専:某高専 機械系
学科順位:3年次:16位  4年次:25位
受験年:2023年
受験大学(受験科目):九州大学理学部数学科(数学・口頭試問)
併願大学:筑波大学理工学群数学類(不合格)
部活や資格:TOEIC:780点
TwitterID:sanardyo0130

なぜ編入をしようと思ったか

就職したくなくて大学に行きたかったから。数学科にしたのは、科目が数学とあっても英語だけで勉強しやすそうだったから。あと、数学が得意だったというのもあります。

科目ごとの勉強方法

数学

数学科への編入を志した4年の春休みから本格的に取り組み始めた。
基本は過去問で勉強を行った。その中で分からなかった内容に関しては【おすすめの参考書】に記載のある教材で基礎を固めたのち、演習書で理解を深めるようにした。それでも解けなかった・分からなかった問題に関しては、数学の教員を頼るようにした。

以下使用した大学の過去問

  • 広島大学
  • 九州大学
  • 筑波大学
  • 北海道大学
  • お茶の水女子大学
  • 東北大学

上記の過去問を解くうえで、九州大学の数学科への対策としては広島大学の数学科の過去問で勉強をしていくのがいいと感じた。

物理

特になし

化学

特になし

英語

主にTOEICの勉強をした。
3年生の12月時点で600点はあったため、単語と文法の勉強しかしなかった。

【おすすめの参考書】記載の単語帳と文法書で時間に余裕がある時に勉強し、4年生の12月で780点が取れたのでこの参考書たちは優秀だと思った。
ちなみに九州大学にはTOEICのスコア提出がなかった。(筑波大学はあった)

専門科目

特になし

試験当日

試験内容

試験時間は9:30~12:00で大問は全部で4問(微分積分二問、線形代数二問)あった。
個人的には、例年通りの難易度の問題であったと思った。線形代数の問題に時間がかかって、微積の問題に時間がさけなかった人が多かったのではないかと感じた。自分もそのうちの一人です。本当に線形代数の問題大変でした。

【大問1】ガンマ関数・ベータ関数に関する問題

(1)写像が与えられ、それが全単射であることの証明。
全単射の証明に慣れていれば簡単だと思います。明解線形代数や集合・位相入門(【おすすめの参考書】記載)に全単射に関するいい問題が載ってたはず。

(2)(1)の写像のヤコビ行列式を求める。
高専で習った数学の知識で解けるはず。

(3)ガンマ関数、ベータ関数の間に成り立つある関係式が満たされることの証明。
写像の始集合と終集合をしっかり確認したら解けた。12:00ぎりぎりに解き終わった。危なかった。

おそらく9割

【大問2】2変数関数の偏微分に関する問題

(1)複数の条件が与えられ、曲線Cが直線であることの証明。
合成関数の微分法を使うとすぐに解けた。実際、面接でもあってるといわれた。

(2)ある式を満たすときに、(1)で与えられた関係式(*)が満たされることの証明。
線形代数で時間がとられ一応最後の形までは導出できたが、偏微分の定義がおろそかになり記述が数学科らしからぬものになってしまった。個人的に一番できなかった問題です。

おそらく7割

【大問3】3次元ベクトル空間の線形写像に関する問題

(1)与えられた写像が線形写像であることの証明。
定義から解けばすぐでした。

(2)上の線形写像を表す行列を求める。
線形写像だから基本ベクトルの像から求めていけばいっかと思い、計算していったら解けた。

(3)(2)の行列が直行行列であることの証明。
(2)の行列の列ベクトルが正規直行基底をなすことから証明した。めっちゃ時間がかかった。もしかしたらもっと簡単な方法があるのかも。

(4)ある集合Vが定義され、それが3次元数ベクトル空間の部分空間であることの証明とVの次元を求める。
1つ目は部分集合の定義から、2つ目は与えられた条件からVの中身を変形していったらできた。

おそらく10割

【大問4】4次正方行列の固有値と固有空間に関する問題

(1)与えられた行列の固有値がすべて0以上となる実数aの範囲を求める。
固有多項式から固有値をもとめたらすぐにできた。

(2)与えられた行列の最小固有値が0、aが0以上の時の固有値と固有空間を求める。
(1)の固有値のうち一番小さくなりうるものを0とするとaの値が求まり、それから計算していくだけでした。めっちゃ計算が大変で疲れた。

おそらく10割

面接

15:00に張り出される紙に受験番号が書かれた受験者しか受けれない仕様でした。確認するときめっちゃ緊張しました。
控室につくと試験官の方が2名ほどいて、受験番号が早い人から呼ばれていた。
大体一人当たり10~15分くらいだったのに、自分は5分くらいで終わってびびりました。
内容は募集要項には口頭試問と書いてあったが、普通の面接みたいな感じでした。

以下は聞かれた内容

  • 志望理由(簡単に)
  • 卒業研究の内容
  • 試験の出来
  • 試験の解きなおしはしたか(私はしてなかったので詳しい内容はわかんないです)

最後に、試験の解きなおしはするべきだったなと後悔したので、この記事を読んでる方は試験後3時間も時間があるのでしたほうがいいです。

後輩に伝えたいこと

筑波大学と九州大学しか受けず、筑波大学に落ちた時にめちゃくちゃ焦ることになったので絶対受かると思う大学や専攻科のいずれかは受けたほうがいいと思います。 

あとは、受けた大学2つとも試験の解きなおしを面接で要求されたので、試験後解きなおしをすることをお勧めします。

過去問等知りたいことがあれば遠慮なく上のtwitterIDまでご連絡ください。

最後に、勉強は大変だと思いますが編入したい大学を目指して頑張ってください。

オススメの参考書

線形代数

  • 明解線形代数(木村達雄・竹内光弘・宮本雅彦・森田純)
  • 明解演習線形代数(小寺平治)

微分積分

  • 微分積分学(笠原晧司)
  • 詳解微分積分演習Ⅰ(福田安蔵・鈴木七緒・安岡善則・黒崎千代子)
  • 詳解微分積分演習Ⅱ(福田安蔵・鈴木七緒・安岡善則・黒崎千代子)

上の演習書には過去の九州大学の過去問に出た類似問題がそこそこのっていて便利だった。
例)詳解微分積分演習Ⅰの1章p14の[30]と2022年度の大問3
詳解微分積分演習Ⅱの9章p44の[16]と2022年度の大問1

集合・位相

  • 集合・位相入門(松坂和夫)

英語

  • TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ(TEX加藤)
  • 英文読解入門基本はここだ!(西きょうじ)