編入体験談

2023年:電気通信大学 Ⅱ類 先端ロボティクスプログラム

自己紹介

名前:ちとし
出身高専:木更津高専
学科順位:1年次:12位 2年次:8位 3年次:4位 4年次:3位
受験年:2023
受験大学(受験科目):電気通信大学 Ⅱ類 先端ロボティクスプログラム
併願大学:豊田工業大学
部活や資格:ロボ研(高専ロボコン) eスポーツ部
TwitterID:@xxx_chitoshi

なぜ編入をしようと思ったか

やりたい研究があったため。
希望研究室出身の方が、我が校の先生にいて、研究室のお話聞いたりして行きたいな〜と思いました。
技科大も考えたけどちょっとな〜って。

科目ごとの勉強方法

数学

  • 学校の教科書とか
  • 編入数学徹底研究
  • 編入数学過去問特訓
  • 金沢大 豊橋技科大 過去問
  • 過去問

学校の教科書は軽く見たりする程度でした。
徹底研究はとりあえずやってみた。やりすぎに注意しないと、徹底研究ごときが解けることに満足しそうになる。危なかった。
過去問特訓は特に線形代数やったけど、6Cの後ろ10問くらいはやった記憶ない。一応試験範囲は全て触るべきだと思う。

金沢大 技科大の過去問は回答がついてるので滅茶苦茶うれしい。金沢大過去問では数学科試験の、特に線形代数問題を中心に解いた。技科大過去問はタイムアタックしたり、遊び半分でした。

過去問やっとけ。木○津の民は、電通だけじゃなく、複数大学の少し古い過去問回答あるから、数学科の先生に聞いてね。

物理

  • 大学生の初等力学(やりたかった)
  • 大学生の力学(やった)
  • 大学生の電磁気学(やりたかった)
  • 基礎物理学演習 Ⅰ Ⅱ
  • 電磁気学演習
  • マセマの熱力学

大学生の力学をやりました。ずっと初等力学やってると思ってました。タイトル見た目全部似すぎ。とはいえ過去問も合わせて微妙にできるようになったとは思います。
基礎物理学演習、以下黄色い本は、大学生のシリーズやってるなら熱心に取り組まなくてもいいかなという印象。回答わかりにくいし。

電磁気の勉強は電磁気学演習(黄色い本)を主に使いました。ベクトルでの計算もできるといいとおもいます。大学生の電磁気学は、買おうと思ったら高額すぎて断念。木○津の民は神の書物があるので取り組んでおきましょう。書物の中に、推薦の電磁気問題とほぼ同じ問題がありました。

熱力はマセマ一択でしょう。あとは適当に過去問やっとくとか。電通と、京工芸が熱力あったかな。

化学

特になし

英語

お気持ちいんぐりっしゅなのであんまりやってません。とりあえず毎日少しずつやってました。

専門科目

口頭試問は電磁気とる予定だったので、物理のついでにやってました。
口頭試問の形式が古い方には専門科目が7科目くらいあったらしいので、併願対策と急な傾向変化対策を兼ねて材料力学をやってました。

試験当日

試験内容

面接、口頭試問(数学)、口頭試問(専門)の3つの部屋へ、適当な順に行かされます。
専門→面接→数学の順でした。

口頭試問はどちらも、A4の紙にある大問を選択してホワイトボードに解くように指示されます。どちらも10分の解答時間が与えられます。

数学

A4用紙片面に微積と線形代数の大問があり、線形代数を選択しました。

(1)行列Aとベクトルpが与えられて、pが固有ベクトルであることを示し、そのときの固有値をだす。
(2)A について、(1)で求めた固有値以外の固有値を求め、それらについての固有空間V,Wを求めよ
(3)固有空間 V,W の和空間と 転置(1,0,0)の正射影が云々

固有値は(x-1)(x^2-9)=0から1,3,-3 で、行列式は端っこに 0 があったり、明らかに引いてくださいと言わんばかりの同じ数字が並んでいたり、簡単だと思いました。編入過去問特訓のABができればいい線いけると思います。(3)はよくわかりませんでした。正射影の勉強をさぼったため、本番で記憶がすべて消えました。6.5割くらいできました。

専門

A4の紙が4枚束ねられていて、力学・電磁気・電気回路・情報から1つ選択して、0.5畳くらいの大きさのホワイトボードに解きました。電磁気を選択しました。

半径a,b(a<b)[m]、長さl[m]、ab間に一様な導電率σと誘電率εでみたされ、導体間に電圧V[V]を加えた円筒の図(各円筒導体の厚みは無視)が与えられます。
(1)円筒導体の抵抗Rを求めよ。
(2)円筒導体間を流れる電流Iを求めよ。
(3)円筒導体間の静電容量Cを求めよ。ただしガウスの法則から求めた電界の大きさから円筒導体間の電位を求めたうえで、Cを求めること。任意の電荷を定義してかまわない。
(4)円筒導体間の抵抗Rと静電容量Cの間に成り立つ関係そ式で示せ。

似たような問題を見たことがあるので、とても幸運でした。(4)がわからず、単位計算をしているときにタイムアップしました。9割くらいできました。

面接

面接は1対2でした。着席前にアルコール消毒したら、丁寧だねと笑われました(笑)。かなり和やかな雰囲気です。

志望理由で研究のことについて喋ったら、「じゃあ卒研もそういうことをやってるの?」と聞かれ、中学英語の教科書みたいなテンポでやりとりしてました。

授業なに取りたいの〜と言われて、航空宇宙工学って言ったら「なんで?」とつっこまれ、「かっこいいからです」と返したら笑いながら話が続きました。面接全体を通して、言った事に対してつっこまれるという印象です。発言に責任を持つという心持ちでのぞむといいとおもいます。

会話という土台の上に質問があるような感覚なので、緊張感のある空間で喋る練習は必要でしょう。
卒研・志望理由のネタをしっかりこさえて、これまで頑張ったこと、編入してやりたいこと、受けたい授業とか進路、当たり障りない質問への回答も考えておくといいとおもいます。

後輩に伝えたいこと

電通大推薦の待合室ではスマホはもちろん、電子ノートなども含めて電子機器の類の使用が一切認められませんでした。なので、待合室でまとめを復習したい場合には、紙媒体での記述をおすすめします。気分を紛らわせるために好きな本を持ってくのもアリだと思います。私以外の受験者は参考書やまとめノートを見ており、やや焦って過去問特訓とか眺めてましたが、結局は推しの本を読んでました。推しは偉大である。

自分は4年から5年にかけての2月から本格的に勉強し始めた愚か者です。これを見て、「まぁ俺も間に合うか^^」なんて愚かな考えをしないでください。私は運がよかっただけで、こうしてここに書いていることも、他の合格者が書き記した体験談も生存バイアスでしかありません。上位の学校であるほど、受かる人より落ちる人の方が多いはずです。

某大学に編入したあと、さらに某々大学に編入した方を存じているので、何回か編入するルートもとれるかもしれないです。専攻科から大学院に行くルートもありだと思います。自分の力と、自身をどこまでいじめられるかを見極められるといいとおもいます。

勉強していると、不意に病んでしまうこともあると思います。勉強で心が折れそうになったとき、解決してくれるのは勉強だけだと信じ、起きてる間ずっと勉強してました。もちろん息抜きも大事ですがほどほどに。

合格した編入体験談の光に騙されないでください。結局のところ、年単位で勉強し続けてきた人の方が明らかに強いです。何が起こるかは誰にもわかりません。並み居るライバルを蹴倒し、合格を勝ち取ってください。応援しております。

拙い記録ですが、編入を志す方の一助となれば幸いです。

オススメの参考書

  • 大学生の初等力学
  • 編入数学徹底研究
  • 電磁気学演習(サイエンス社)