編入体験談

2023年:北海道大学 工学部 環境社会工学科 環境工学コース

自己紹介

名前:かつを
出身高専:大阪公大高専 環境物質化学コース
学科順位:3年次:8位 4年次:2位
受験年:2022
受験大学(受験科目):北海道大学 工学部 環境社会工学科 環境工学コース
併願大学:専攻科のみ
部活や資格:TOEIC 770 硬式野球部

なぜ編入をしようと思ったか

水処理に関する研究がしたくて,このコースを選びました.

学年ごとの勉強内容

1~3年

部活メインで過ごしていたので,編入勉強はおろか,定期試験ですら全く勉強していませんでした.1,2年の成績は真ん中くらいだったと思います.3年の後期になって,周囲が少しずつ進路の話を口にするようになって,とりあえず編入の勉強をしようかと思いました(思っただけです).

春休み前くらいにタブレットを入手し,春休み中はだらだらと徹底研究をしていました.

4年前期

志望校は特に決まっていませんでしたが,水処理に関する研究がしたいとは考えていたので,少しずつ調べていました.夏休みに入るころ,北海道大学の先生とオンラインで話を聞く機会をいただき,そこで志望校を北海道大学に決めました.後から考えると,志望校を決めるのが非常に遅いです.

編入の勉強は主に数学をしていましたが,定期テストに結構ウエイトをおいていました.あと,オリンピックのせいで1か月ほど集中できない日々がありました.

夏休み中にTOEICを集中的に伸ばそうと考えていたので,夏休みはTOEICしかやってませんでした.10月初旬の公開テストで,770を取れたので,TOEICはそこで終わりです.英語は短期間に集中してやるのが一番伸びると思うので,夏休みはTOEICの伸ばしどころだと個人的に思っています.

4年後期

編入の勉強をしていた記憶がほぼありません.ちょっと数学してたかなってくらいです.それくらい,実験のレポートに押しつぶされていました.なので,春休みはだいぶ高いモチベーションで勉強をしようと思ったのですが,3月初旬にコロナにかかり,2週間くらい吹っ飛びました.

この時点で,だらだらやっていた数学の徹底研究以外の進捗はゼロでした.高専の専門が化学だったのでまだましですが,今振り返ってみても終わってると思います.ここから火がついて,春休みの残り期間は力学を徹底的にやりました.

5年前期

4月

1,2年の成績が足を引っ張っていたため,特別選抜は受けれませんでした.
物理が合否を分ける科目だと過去問を見て感じていたので,とりあえず物理をやってました.熱力学はすぐ終わるので,電磁気学をほぼ1か月やっていました.

5月

GW明けまでに,波動をやりました.とりあえずこれで,物理の4分野は一周しました.それから,物理の過去問を解き始めました.この時の出来は平均して7割程度でした.
私の学校の専攻科は6月初旬に試験があり,筆記試験は数学のみだったので,5月中旬ごろから徹底研究の復習を開始し,専攻科の過去問を解いていました.

6月

専攻科が終わると,6月中旬まで数学の過去問を解いていました.この時の出来は平均して8割ちょっとでした.その後,6月中は化学の過去問を解いていました.この時の出来は平均して9割弱でした.

7月

ボーダーラインは知りませんでしたが,ここまでの過去問の出来で,悪くともボーダーラインはあるんじゃないかなと感じていました.今までは各分野を集中して勉強していたので,物理を復習しながら,試験当日を意識して,1日で3科目すべての勉強を始めました.7下旬からは,ひたすら過去問を解いていました.同時進行で,面接対策も行っていました.

8月

テスト直前なので,体調管理を第一に考えながら過去問を解いていました.

科目ごとの勉強内容

数学

範囲は他大学と比べて広いですが,何よりくせが強いと思います.数学がよっぽど得意でない限り,解けない問題はみんな解けないと思います.ですので,ほかの大学との兼ね合いがなければ,過去問で出た範囲を徹底研究でしっかり勉強しておけば大丈夫だと思います.物理に苦手意識がある人は,過去問特訓や徹底演習も解いておくことをお勧めします.

物理

どの大学でも一番の難関だと思います.北海道大学では,力学,電磁気学,熱力学,波動の4分野が出題され,幅が広いように感じますが,波動は高校の参考書でも対応可能で,熱力学は集中すれば1週間もかけずに一周することができると思います.ですので,力学,電磁気学の出来が合否を分ける最大の山だと思います.

私は,演習力学,電磁気学演習という参考書を使用しましたが,学校の先生に積極的に質問するなど,考え方を理解できるまで徹底的に勉強することを強くお勧めします.できれば,複数の参考書を用いて,考え方が身についているかっをチェックするのがおすすめです.私は物理を勉強するときは,You Tubeも利用しました.

化学

私は専門が化学だったので,特に勉強はしませんでしたが,得点配分が低いコースの方でも勉強することをお勧めします.化学アレルギーを発症している方の多くは,もう化学は見たくもないでしょうが,化学反応には原理が存在しています.その原理自体は難しくないので,最初は少し我慢してでも勉強してください.

有機化学は,出題される反応のレパートリーは少ないので,そのうち分かるようになって楽しくなってくるはずです.参考書を使うと変に難しそうに書いていたり,出題されないような難しい反応が目に入り,やる気がそがれると思うので,化学ができる人に過去問を見てもらい,出ている範囲を絞って勉強すれば,ある程度は点数が取れると思います.

TOEIC

とりあえず,集中して短期間で勉強するのが一番スコアが伸びると思います.早い段階でよいスコアが取れれば,後の勉強が楽になると思うので,頑張ってください.単語と文法をある程度詰めた後,長文問題を中心に演習を多く解くのがいいと思います.英語を英語のまま理解することができるようになれば,700程度は間違いないと感じています.後は,弱点が見えてくると思うので,特急シリーズで克服できればベストだと思います.

試験当日

試験内容

工学部のキャンパスに入るとすぐに,受付があります.そこで受験票等を確認され,1階の部屋に移動しました.

今年の受験者数は54人.何人か来ていない方もいましたが,電気系の学科が半分近くを占めていました.全コース同じ部屋で受験するので,他のコースでも,賢そうな受験生がいるとプレッシャーを感じました.ですので,受験当日までに,1つだけでもストロングポイントを確立しておけば,多少は安心できると思います.

数学

体感は9割.やばい問題が一つありましたが,ほかは解けたんじゃないかと思います.ちなみに,最初の10分くらいは緊張でガチガチでした.回答の書き方によって減点されているかもしれませんが,それは知りません.先ほども書きましたが,徹底研究だけでも十分に太刀打ちができたと思います.

物理

体感は7割.割と悔いの残る結果でした.こいつのせいで,合格発表まで少し不安が残ってしまいました.一度は見たような問題ばかりで,絶対に解けないような問題は存在しなかったので(いつかの幾何光学のような),もう少し落ち着いて解けばよかったと思っています

ちなみに,昼過ぎになり,スーツで受験していたため,物理の試験中は汗が止まりませんでした.一番最初の問題をど忘れして,テンパってしまったので,これを見ている皆さんはくれぐれも落ち着いて問題を解いてください.

化学

体感は9割.正直なところ,化学は自分のストロングポイントだと考えていたので,物理をやらかしてから,切り替えはしやすかったです.ただ,試験が始まって,すべての問題に軽く目を通した時点で,やばいなと思いました.

出題傾向が大きく変わっていて,超焦りましたが,周りの受験生を見ると,顔をしかめていたり,頭を抱えていたり,1ページ目しか見ていないのか,ノリノリで解いているなど,皆さんいろんなリアクションをしているみたいでした.そこでちょっと落ち着けたかなと思います.奇跡的に勘と記憶がさえ,難しい問題を解けましたが,簡単な問題で凡ミスをしてしまいました.

テスト終了直後に化学の凡ミスに気付いたことと,物理をやらかしたため,ホテルに帰ってからは,気合を入れて面接対策をしました.

面接

面接当日はTOEICを持参し,受付と面接本番で照合されます.忘れないのは当然ですが,スコアが低いと,ここで余計なプレッシャーを感じてしまうかもしれないので,いいスコアで挑めると気が楽だと思います.

前日と同じ部屋に全学科が集合したのち,受験生が全員そろっているコースから,コースごとの面接控室に移動しました.ここで,同じコースを受験している人数が把握できます.私の受験したコースは1人だったため,少し気が楽になりました.

聞かれた内容は次の通りです.聞かれた順番もそのまま書きました.

  • 志望動機
  • 大学院について
  • 就職について
  • 卒業研究について
  • 今後の英語学習について
  • 試験の出来

就職については,志望動機を最終的な目標(どんな場所でどんな仕事をしたいか)から逆算するような形で伝えたため,志望動機を深堀する感じで聞かれました.具体的な企業名を挙げられなかったうえに,言い訳にも聞こえる発言をしてしまったため,自分の中ではやらかしたムードが蔓延していました.試験の出来は,面接官の先生から,「○○の点数が良かったですね」と切り出される感じでした.

面接についての個人の見解ですが,適度に自分をPRしなければいけないと思います.理系の先生が面接官ですので,筋が通っていると,評価は高くなるんじゃないかなと思います.ですので,志望動機で早めに自分のコアになる部分をを明確に伝えておくことで,その後の受け答えについても,そこに直結するような受け答えをすれば,筋が通り,矛盾が生じにくくなるんじゃないかなと思います.

面接官の先生は3人でしたが,面接は終始和やかなムードで行われました.

後輩に伝えたいこと

編入試験はとても大変です.

能動的にアクションを起こすことは,人間にとって一番難しいことです.しかし,編入試験は能動的にアクションを起こさなければなりません.その意味では一般の大学受験よりも難易度の高いことだと思います.自分で情報を集めて,計画して,モチベーションの維持までしないといけないですから.

だからこそ,編入試験を乗り越えた先のあなたは,以前とは別人のように成長しているでしょう.頑張ってください.

オススメの参考書

数学

  • 編入数学徹底研究
  • 編入数学過去問特訓

物理

  • 演習 力学
  • 電磁気学演習
  • 演習 熱力学キャンパス・ゼミ

化学

  • なし

TOEIC

  • 金フレ
  • 究極のゼミシリーズ
  • 特急シリーズ
  • 精選模試
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